代田亜香子のレビュー一覧
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誰もが一度は夢見る億万長者だが、身に覚えなく莫大な遺産が手に入ったとしたら、どうだろうか。きっと困惑するに違いない。そして困惑しつつも密かに喜びを噛み締めるんだと思う。
エイブリーは17歳という若さで血縁関係でもないトバイアスから遺産を譲り受けた。そこから彼女の受難の日々が始まる。命を狙われつつも遺産の謎を解こうとするエイブリーは凄い。私だったら一切何もしないで引きこもる(笑)
ホーソーン家の4兄弟は自分たちの遺産が減り、全く関係ない者(エイブリー)に遺産が渡るとなったら面白くないと思うんだが、結構皆エイブリーに協力的なんだよね。しかも皆顔が良いという設定で、どうせ誰かと恋仲になるんだろうなとちょっと冷めてしまった。
ホーソーン家に関わる者たち、使用人やエイブリーの腹違いの姉等と登場人物も多いが、不思議とゴチャゴチャしない。今のところエイブリーの味方だと思われる者たちも、いつか敵になるような気がしてならない。
エイブリーへの遺言の意味はまだ明かされず、ザンダーへのメッセージも気になるので、間をおかず次巻を読もうと思う。 -
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犬のヨハネスは、この公園の「アイ」。アイとは、公園の見張りをして、公園の「バランス」の守護者であるバイソンたちの目となる者のこと。
「バランス」がくずれるようなことが起こると、バイソンたちに報告する。そのために、ヨハネスは走り回っている。とても自由に。でも決して人間たちに捕まらないように。そんなある日、ヨハネスは公園内にできた美術館に惹かれ始めて…。
新しく広大な世界、もっと自由に走り回れる世界に憧れるヨハネスを応援しながら読んでいた。アシスタントアイの個性的な動物とのやり取りも楽しかったなあ。特にカモメのバートランドとヨハネスの間に育まれた絆には感動した。現実でも、こんなふうに種を越えてやり取りしたりすることはあるのかなあ、あったら素敵だなあと想像してみたりした。
バイソンたちを閉じ込められた空間から解放する作戦を立て、アシスタントアイをはじめいろんな動物たちと協力して実行するクライマックスは、いちばんひきこまれた。
初めて読むような設定だったり、途中ヨハネスたちが何をしたいのかいまいち分からなくて、少し読み進めるのに苦しんだけど、最後にはとても感動したし、野生の動物たちの目から見た世界を味わえて楽しかった。 -
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インスタの広告で何度も出てくるから、だんだん気になって読んでみた。
翻訳物特有の文章の不自然さや、名前の覚えにくさはなくて、読みやすかった。
ただ世界500万部突破!という煽り文句で期待感を高めて読むと、ちょっとガッカリする。
4人の御曹司×女子高生の謎解きロマンスミステリーっていうから、花男に謎解きがプラスされた感じかの思ったんだけど、謎解きは読者も考えられる感じではなく勝手に何かを見つけて進んでいくし、ロマンスも特にキュンポイント無くキスして勝手に盛り上がってるし、よく分からなかった。
でも最後の二巻に続く謎の提示だけは上手いんだよね~。
二巻を読むかは、発売されてから考えよう。
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13歳のジュイエは、ママと夏休みを過ごすためにカリフォルニアの海辺の街へやってきた。パパは離婚して若い彼女とヨーロッパにいる。医者のママは、海辺の街の病院で夏の間だけ仕事をすることになっている。海なんて大嫌いなジュイエは、海辺で場違いなブラックメイク。ところが、街のカフェで出会ったサマーは、夏がピッタリのサーファーガール。ジュイエを外へ外へと誘い出す。
それぞれに抱えている心の傷や悩みが、少しづつほぐれていく。
夏休みは終わりを迎えるけれど、少女たちは成長し克服し、軽やかに次のシーズンを迎える。
悲しい事は多いけれど、支えてくれる人たちがいれば乗り越えていけるんだ。 -
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イギリスの田舎の自然描写が美しい。生き物の生々しさ、荒々しさ、土の匂い、泥の匂い、血の匂い、その他色々危ない匂いとか、引っくるめた、猛々しく、柔らかい自然の中に威勢よく、繊細に、弱々しく、残酷に生きる普通の登場人物の等身大の姿が心地良い。
モグラを簡単に殺してしまう農家の娘、池に入水自殺を図っていた所を助けてくれた医者のことを勘違いして愛が芽生えてしまった娘、プレイボーイの男に遊ばれた電車の車掌(女の子ばかり)たちがその男を袋叩きにするという残酷だか小気味良いシーン、ドSの姑に嫌味を言われ続ける労働者、彼にそっとお茶を出す嫁、母親の反対を押し切って飼った野生のウサギが暴れまくり、最後は母親とウサギがお互いに“許さない”と言う目つきでにらみ合うシーン。
どれも、普段頭をかすめては無視する妄想とか、心の襞に見え隠れする残虐さとか、生命の生々しさとか…ああ、それを書いちゃうんだと思うようなことばかり。読んでいて少し気持ち悪いが気持ちいい。
ヨシタケシンスケさんの絵が描いてあるから、小学生の娘が読みたがったけど、一応「チャタレイ夫人の恋人」の人だから、カバーかけて読んだよ。
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ネタバレデーヴィッド・ハーバート・リチャーズ・ローレンス
1885年生
イギリス、ノッティンガムシャー出身の小説家・詩人。
一作目を読んで、庭の野草の細やかな描写や娘たちの描写が女性的に思え作者のことを検索したら、男性だったので驚いた
一作目、二作目は、恋のかけひきや恋に落ちる瞬間、不安などの気持ちが細かく描かれていて、
代表作『チャタレイ夫人の恋人』を読みたくなった。
三作目は、浮気男をやっつける、背景がダーク色を感じる作品
四作目は、よくわからなかった…
五作目は、お金に囚われた両親を持つ子どもの気が狂ってしまう、悲しいお話し…
二番がいちばん
馬商の娘
乗車券を拝見します
ほほ笑み
木馬のお告げ
ストライキ手当て
ウサギのアドルフ
世界ショートコレクション
ボチボチ読んで、世界のいろんな作家に触れてみようと思う -
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恥ずかしながらロレンスを読んだことがなく、とりあえず子ども向けに訳された短編を読んでみた。
あまりに素晴らしくすごい作品ばかりなので、驚いた。
行動と言葉で、言葉を弄さずに登場人物の狂おしい心情を描き、独特の苦みのある余韻を残す。
いやー、これは大人向けに訳された、もっとたくさん入った短編集をすぐさま買わなきゃ!と思ったが、今岩波のも新潮のも新刊書店では売っていないのね。がっかり。
こういう子供向けの訳でもロレンスのすごさは伝わるが、子どもには、表題作や「馬商の娘」「乗車券を拝見します」など、わかるまい。わかっても困る。それくらい人間の深層心理(特に「恋愛」という罠にかかる人間の心理)を巧みに描いている。「木馬のお告げ」は子どもでも面白く感じるかもしれない。でも、やっぱり本当のところは読み取れないだろう。
訳文はとにかくひらがなが多く、ただ「読む」だけなら小学校中学年でも大丈夫だろうと思う。しかし、感動できるのはかなりませた(知的に成熟した)中学生以上、読み取りができるのはやっぱり大人だと思う。
ヨシタケシンスケの絵は全く合わない。本の内容に合わせてイラストレーターを選んでほしい。このシリーズはジャック・ロンドンやチェーホフなどもでているが、ヨシタケシンスケの絵が許せるのはトウェインくらいだと思う。ジャック・ロンドンのハードボイルドな世界がヨシタケシンスケって、許せない。
ヨシタケシンスケを貶めて言っているのではない、合わないのだ。もう少し軽く、ユーモアとウィットのあるような作家だったら彼の絵でも良かったんだけど。
この絵に惹かれて読んだら、イメージと全然違うので、小中学生はがっかりすると思う。著作権が切れた名作を訳と装丁を子供向けにして売ろうという出版社の魂胆が丸見え。
ロレンスの作品自体は文句なく★5つ。本の作り手の姿勢がマイナス一つ。