【感想・ネタバレ】アイとムリのレビュー

あらすじ

米ニューベリー賞受賞!動物たちの大冒険。

光の速さで走ることができ、だれからも見えない存在であることを誇りに思っている「犬」のヨハネスは、仲間の動物たちと暮らす公園で、彼にしかできない大切な役割を担っている。それは、<アイ(目)>となって公園をすみずみまで観察し、バランスの守護者に変化を報告すること。
ある出来事をきっかけに、自由の喜び、自由の素晴らしさに目覚め、仲間の動物たちと無謀とも思える計画を思いつく・・・・・・。
アメリカで最も優れた児童文学におくられるニューベリー賞を受賞し、世界16か国語に翻訳されている注目の作品。最後はあっと驚く展開と、視界が広がるような読後感が待っている。

※この作品にはカラーが含まれます。

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Posted by ブクログ

光の速さで駆ける犬・ヨハネス。
読み終えた瞬間、その冒険の先に広がる世界を思って、
気づけば涙が流れていた…
 

『アイとムリ』デイヴ・エガーズ

動物文学って、どうしてこんなに名作が多いんだろう。

『シートン動物記』(アーネスト・T・シートン)
『白い牙』(ジャック・ロンドン)

この2冊を超える破壊力の本、なかなかないと思ってたけど…
お友達に教えてもらった『アイとムリ』。
これは間違いなくお気に入りの動物小説になりました。



本作はアメリカで最も優れた児童文学に贈られる
ニューベリー賞の受賞作。

主人公は、光速で駆ける犬・ヨハネス。
(表紙からしてすでに躍動感がすごくて、かわいい…)

仲間の動物たちと暮らす広い公園で、
少しうるさい人間に悩まされつつも、
ヒトに飼い慣らされることなく、自由奔放に生きている。

そんなヨハネスの役割は、公園の「目」になること。
隅々まで観察し、異常がないかを
<バランスの守護者>たちに伝えるのだ。



前半は、動物たちの賑やかな日常にほっこりして
「癒し系の動物小説かな?」と思っていた。
……が、ここからが本番。

ヨハネスたちが “とある計画” を実行した瞬間、
物語がガラッと反転する。

後半はもう、感情がジェットコースター。
胸がぎゅっとして、でも前に進むしかない。

何よりすごいのは、
この本は「物語の先」を想像せずにいられなくなるところ。

まだ見ぬ世界の広がり。
彼らの行く末に待つ未来。
視界が一気にひらけるような、
息をのむほどの美しさに心を持っていかれる。



そして絵がまた素晴らしい。
本書に使われている風景画の多くは、
すでに亡くなった画家たちの古典的作品。

そこにショーン・ハリスさんが
ヨハネスを描き足しているのだけれど、
その融合が奇跡のように美しい。

特に最後のページの絵の静かな美しさは、反則級。
そっと泣きながら本を閉じました。

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2026年02月28日

Posted by ブクログ

犬のヨハネスは、この公園の「アイ」。アイとは、公園の見張りをして、公園の「バランス」の守護者であるバイソンたちの目となる者のこと。

「バランス」がくずれるようなことが起こると、バイソンたちに報告する。そのために、ヨハネスは走り回っている。とても自由に。でも決して人間たちに捕まらないように。そんなある日、ヨハネスは公園内にできた美術館に惹かれ始めて…。

新しく広大な世界、もっと自由に走り回れる世界に憧れるヨハネスを応援しながら読んでいた。アシスタントアイの個性的な動物とのやり取りも楽しかったなあ。特にカモメのバートランドとヨハネスの間に育まれた絆には感動した。現実でも、こんなふうに種を越えてやり取りしたりすることはあるのかなあ、あったら素敵だなあと想像してみたりした。

バイソンたちを閉じ込められた空間から解放する作戦を立て、アシスタントアイをはじめいろんな動物たちと協力して実行するクライマックスは、いちばんひきこまれた。

初めて読むような設定だったり、途中ヨハネスたちが何をしたいのかいまいち分からなくて、少し読み進めるのに苦しんだけど、最後にはとても感動したし、野生の動物たちの目から見た世界を味わえて楽しかった。

0
2025年12月29日

Posted by ブクログ

公園で生まれ育った犬のヨハネスは、公園の【バランスの守護者】であるバイソンたちの【アイ(目)】として公園中を観察する役目を担っている。人間に飼われず自由の身であることに誇りを抱くヨハネスは、ある事がきっかけで、柵に囲われて暮らすバイソン達も自由の身になるべきだと考え始める。公園で暮らす動物たちと協力しヨハネスは人間を出し抜くための作戦を練る。擬人化とも動物観察とも違う、動物視点の冒険ファンタジー。

シートン動物記とも違う、けれども、ピーターラビットのように擬人化もされていない動物たちの物語。現実には絶対にあり得ないストーリーなのだけど、ヨハネスのスピードや時間や自然の感じ方が豊かな言葉で語られていて、読んでいて世界観が楽しい。人間の反応などリアリティ溢れる描写の中でのファンタジー要素のバランスが取れていると思った。しかし、時折「そうはならんだろ」と現実が降ってくることがあり、特に最後の終わり方が下手すると死ぬような状況なので、どうしても現実的に考えざるを得ず、ファンタジーに浸りきれないのが残念。

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2025年10月17日

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