渡邉康太郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
康太郎節がギンギンに伝わるし、それが好きだ。
手に取り読み始めたのは、エージェント型AIが一般に広がり始めた2026年4月。
つくることが容易く、早く、誰にでもできるようになった。そこで僕が考えるようになったのは、「何をつくりたいか」。AIのおかげで、つくるハードルが極限に低くなったことで、「つくりたい」想いはどこからともなく湧いてくる反面、どこか手触りがなくなったことを感じていた。
その時に読んだ本。
手を動かし、口でも何でも、我々は表現している。表現のハードルも勝手に社会的に上がっていると思っているだけで、実はそうではない。なぜなら、いつもしているから。
そして、「下手だから」「続かない」「AIに任せれば」ではなく、自ら(誰かと)つくる楽しさや喜びがある。それを思い出すことができた。
誰かに認められるためやお金のためではない。そうであってもいいが、その軸だけでない、なぜか分からないが好き・やってしまう、そんな衝動的な表現もあっていい。
そしてそれは下手でもいい、つたないからこそいい。
弱さに現れる美しさを感じた一冊だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルの生きるための表現とはなんだろうと気になり読みました。
内容は、表現いうよりものものづくりについての考え方を様々な視点で分けたものという方が私的にはしっくりきます。
この本を読んで私は、0から1をする作業は、できないと思い込んでいたのだと気付かされました。
できないのではなく、恥ずかしいから自分にブレーキをかけていたのでした。
人との差がその人の個性であり、それは誰も同じものは出せない。
なぜなら、今まで見てきた、聞いてきた、触れてきたもの、環境が違うからだ。
この差をもっと見つけることで自分というものがみえてくるような気がします。
ものづくりを始める人、ものづくりに悩んでいる人にオススメの1冊です。 -
Posted by ブクログ
職業というアイデンティティだけで自分を満たさなくて良い
創作活動は、貨幣経済とは全く切り離して良いもの、稼げていなくたってアーティスト
生きると
生きのびるの違い
物語は見つけるもの、やってくるもの
オリジナリティは参照元を忘れた参照
生命はそもそも模倣、コピーミス
模倣を価値あるものとすれば、盗作はなくなる
創造があまりにも評価されすぎてるから模倣ということを隠す
創作は模倣がうまくいかないことの連続
その連続を自らの署名に変える営み
3%アプローチ
既存のものに、3%差分を加えるだけで新しさは立ち上がる
成長してもしなくてもという考え方を心からうけいれられるか
成長ではなく変化に目を向ける
弱さやつたなさは表現の前提
ーー
何かを作り出すことに、世間の評価や成長を意識しすぎていたなと思わされた。
自分というものが生きるために表現すれば良いし、それは真似たり、一緒に作ったり、編集したり、本を読んで自分の体験と繋げること全てにあてはまる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ無駄を排除し効率的な数字の作り方を考える瞬間に悶々としながら、無駄に表現することに救われる私にとって、一生頷きながら、鼓舞された276ページ。
無意味でいいの。私がいいと思うものを、私の世界の見え方をただ誰のためでもない自分のために残す。
成長しなくたっていいの、成長だけで私は形づけられてるわけじゃない、変わらないところ、脆いところがあって私だから。
だから、つたなくていい。
・無意味でいい、無駄でいい、私にとって、でいい
「世界を変えるためにではなく、あなたが世界によって変えられないために」表現し続ける
・「人にもし役割があるとするならば、それは他者の記憶の器になること。覚えておくこと、記憶をとどめておくこと」 -
Posted by ブクログ
「サービスデザイン」の教科書。基本とあるサービスデザイン思考の5原則(1:ユーザー中心、2:共創、インタラクションの連続性、4:物的証拠、5:ホリスティック(全体的)な視点の解説と、サービスデザインが適用される領域をまず解説する。そして、その後とは、サービスデザインで使用される代表的な手法やツールを紹介。反復プロセス(1:探求、2:設計、3:再構成、4:実施)という検証型の必要に応じて行き来するプロセスや、AT-ONE思考(Actor、Touchpoint、Offer、Needs)というワークショップ技法を紹介している。
その他、カスタマー・ジャーニー・マップ、サービス・ブループリントなどを含めた25の手法を紹介している。
実際の導入のイメージがつきやすいように、導入事例が5つ紹介され、最後には、結構、重要部分だと思いましたが、「サービスデザイン思考にモチベーションの心理学」を取り入れるという部分に言及している。
教科書としてのは存在感は圧倒的で、実際の導入には、サービス毎、そして、そこにかかわるステークホルダーにより、使うべきツールなどは変わってくる。
そこには、本だけではなく、研修やコンサルティングの必要があるのだなーと思いました。 -
Posted by ブクログ
趣味の絵が描けなくなって本を取った。
表現には作ろうとしなくても無意識に宿る表出するものも含まれるという視点や、インプットとアウトプットの境界の無さ、模倣することで技術的な問題以外にも完全に真似できない自らの個性が宿ること、集めたり踏襲したりすることで新たな表現が生まれることなど、表現することへの前提を見直すことで、作ることへの歩みを後押ししてくれる優しい眼差しを受け取った。
特に、本を読んだり音楽を聴いたり、何か表現を受け取る時、私たちは自らの身体を持って個人的なものを想起している(インプットとアウトプットの同続性)などの語りはおもしろかった。
成長や利益性、価値のあるもの、評価されるものなど、「生きのびる」ことの目的から離れ、とるにたらない自分ごとや独りよがり、自分の弱さやつたなさや些細な変化楽しむただ「生きる」ヒントが巡り散らされている。
この本での、自分がいいと感じたいくつか言葉や考え方を手元に持って集めておいた、これも表現になり得るのと知って。 -
Posted by ブクログ
こどもの頃はクレヨンでお絵描きしたり、歌を歌ったりすることが好きだったはずが、大人になると無駄なことより稼ぐことや早く目的にたどり着くことなど、効率的なことばかり考えがち。
それは「生きのびる」行為だそうで、もう一度人間らしくこどものように「生きる」行為を取り戻そうという。
「生きのびる」と「生きる」の意味に大きな違いがあると事を面白く教えていただきました。
1.「模倣」からオリジナルが誕生する話しは他でもよく聞きます。まさか國分功一郎さんの中動態まで出てきて、気持ちが一体になってきました。
2.「引き継ぐ」では、黒澤明の映画である羅生門は、芥川龍之介の羅生門が模範となり、その芥川の羅生門や藪の中などは、今昔物語が原典で引き継いでいるらしく、だからみなさんもどんどん真似をすること。
3.「見方を変える」では、レイチェルカーソンのセンスオブワンダーの一節を紹介したり、本を読むことは一見インプットのようでも実はアウトプットも存在していることも学びました。
4.「集める」では、歴史上の有名人や作家ではなく、むしろ一般の声を拾い集め、そこにこそ一番大事なことに気づきました。
5.「編み直す」では、わたしの大好きなヴァージルアプロー、マックスリヒターそしてアンディウォーホルなどを例にアプロプリエーションの共通点の説明。
6.「つくってもらう」では、芸術やアートの歴史から見ると、一見自由な表現から始まったものかと思っていました。自分らしさってなんですかね。
あと、ほぼ何もしないアーティスト、デュシャンの泉は知っていました。
7.「仲間をつくる」では、著者自身のワークショップ講座でのできごと。
あまり啓発本でいい本にめぐり合ったことがなかったのですが、こちらの本は自分が死ぬまでに生きていく上で、本当に大事な要素がたくさんありました。
いますぐに実行したいと思います。ありがとうございます。
-
Posted by ブクログ
.
自分自身、インターネット上に写真や文章を載せるようになって、ずいぶんと年月が経ちました。
始めた頃は、「収入につながれば良いなあ」と思わないでもなかったのですが、現実はそう甘くはなく。
「自分のため」と割り切って、細々と続けています。
そんな、表現活動について。
背中を押してくれる本があると知って、読むことにしました。
著者は、美術学校等での専門的な教育経験が無いながらも、デザイナーとして活躍されている方だそうです。
本書は大きく、三章で構成されています。
第一章に書かれているのは、「自分なんかが」という思い込みを手放しましょう、ということ。
まず著者は、経済的な成功や、人に認められるといったことに、縛られないで良いと言っています。
「生きのびる」と「生きる」の対比については、自分が漠然と考えていたことを、言語化してもらえたように感じました。
第二章は、「表現すること」に前向きになれる、考え、手法について。
ここで著者は、「オリジナリティを求めすぎなくて良い」と言っています。
また、長い人類史において、“芸術家”と呼ばれる人の役割が変わってきたことも、解説しています。
“表現”という言葉の定義も良い意味でゆるく、肩肘張らずに取り組んで良いのだと、目を開かせてもらえました。
第三章は、どうしたら続けられるか。
成長を求めることには、もちろん良い面もあるが、敷居を高くしてしまうという面もある。
成長ではなく“変化”という視点で、過去の自分との比較をしてみようと思います。
全体を通じて、「表現活動に興味のある人が、尻込みせずに続けていけるように、アドバイスしてくれている本」という印象を受けました。
書かれている心構えを実行に移せるかは、経済状況など、読者それぞれの事情によって大きく変わるかと思います。
とはいえ自分自身は、上述の通り複数の点で、認識を改めさせてもらえました。
何かしたいが、何をしたら良いかわからない。
興味のあることはすでにたくさんの人がやっていて、自分が“頭角を表す”姿は想像できない。
それなりにやってきたが、収入も得られないし、マンネリ化している気がする。
これらのいずれかに当てはまる人には、お勧めできる一冊です。
. -
Posted by ブクログ
「自分もまた六等星にすぎないとしたとき、その事実を素直に認められるでしょうか。」
振り返れば、僕はずっと何者かになりたかった。
この世界には華やいでみえる人がたくさんいる。ある程度の自負を持てるようになっても、全国を見渡せば自分なんて6等星にも満たない。どこかでお山の大将気分の自分がいて、ずっと他者と比較している自分がいる。
この年になってようやく、そんな「6等星の自分」を素直に認められるようになってきた。
……と思っていたのに。
「6等星を受け入れた」と心に刺さる綺麗な文章を書こうとしている自分に気づく。結局のところ、「誰かに影響を与えたい」「誰かに共振してほしい」と願う、「1等星でありたい」とエゴの塊のような自分がまだそこにいる(笑)。まだどこかでもがき続けているんだな。
でも、今はそんな自分を卑下するでもなく、ただ「ああ、まだもがいているな」と見つめている。
表現し続けることは、自分を見出す旅だと書いていた。
まずは、このエゴにまみれたありのままの自分を、ここに置いておく。 -
Posted by ブクログ
以下 あ、と思ったこと書き連ね
マルセル・デュシャンがアンデパダン展に『泉』(レディメイド)を出品した時のやりとり、その行為がコンセプチュアル・アートであり、パフォーマンス・アート 既製品を使う。
千利休の見立て。
模倣
松岡正剛…世の中で一番つまらない信仰はオリジナリティ信仰である
ジャン・コクトー …独創性とは、独創的でないこと、それを実現できないことで成り立っている
美術史の中で模倣は繰り返されてる
文学もしかり。
言葉では伝えきれないことを伝えようとすること。
お金にならなければ価値がないという価値観を取り除く
成長よりも変化
つたなさを包容。
傷つきつづける
(恥ずかしさの先へいくことかなあ)
六等星、それ以下の星があるから夜空は美しい
一等星らと結びあって星座になる
などなどのまとめ
意味づけによって、解釈によって、ものごとの価値はいくらでもかわりうる。
-
Posted by ブクログ
自分にも何かできるんじゃないかなーと思わせてくれる1冊
「表現」とか「クリエイティブ」というとゼロからイチをつくりだすもの、オリジナリティがあるもの、を想像し、ハードルがあがってしまい、その結果「こんなヘタなのはダメだ」「もっと上手な人がいる」とやめてしまうけれど、本書はそのハードルを下げてくれます
完全な模倣はあり得ず、自分、個性が自ずと出てしまう
引用や参照、サンプリング、マッシュアップ、蒐集なども表現に含まれる
拙さをさらけ出すことでしか生まれない表現
成長ばかり望むことは窮屈だということ
仲間をつくるとこで続けられる
TAKRAM radioでも知性溢れる対談をされていた著者ですが、この本でも古今東西様々な人物や言葉、映画、小説、歌人などを出して、手を替え品を替え「表現」へのハードルが下がるよう語っています
また読みたい1冊です