ペーター ヴォールレーベンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
樹木、森林、すごい!ありがたい!
自然の神秘、”人間がまだまだ知らない・知ろうとしていないだけ”で、
そもそもすごい!ことに、実はもっと目を向けたほうがよいのだろう、
と思わされる。
人間は、長年(数千年?)過ごしてきていながら、
いまだに"お互いの奪い合い・傷つけ合い"に血道を上げている。
自然の、まだまだ解明されていない営みのほうが、よほど知性が高そうだ。
「なんて人間は愚かなんだろう」と、思わされてしまう。
(いちおう、脳というものを持っていて、自らがその脳や能力について
研究を積み重ねてきている地球上唯一の動物・笑。皮肉ですねえ~)
ありがとう、自然。 -
Posted by ブクログ
自分の森林についての知識の浅さに驚くくらい初めて知ることが沢山あった
木々が会話をしたり同種の木と助け合ったりしているなんて思いもしなかった。
また現在多くの国で行われている植林や街中の緑化運動は一見とても良いことに見えるけど実際は本物の原生林とは環境が違いすぎて、それらの木々は原生林の木々と比べて成長にかなりの差が出ることも驚いた。
人間は歴史の中で最も簡単に木々を伐採し農地や街を拡げてきたけど、それを元に戻すのは単に木を植えればいいだけでなくて、とてつもない時間がかかるものなんだなと実感……。
日常でよく使う木製のものといえば私の中では紙とか割り箸とかなんだけど、なるべく再生紙などのリサイ -
Posted by ブクログ
まず表紙が素敵。
内容にぴったりだ。
普段見掛けることの多い木々達の話なので想像しやすく、美しい緑色の葉や、力強い幹の茶色、シダーウッドのような香りを思い浮かべながら、気持ちよく読んだ。
想像の中ではミツバチも飛び、キノコや苔が生え、枝を揺らす風も吹いていた。
ノンフィクションではあるけれど、著者が見せてくれる世界に癒された。
なんて理に叶った生き方なんだろう。
ブナもナラも、その他の樹木も、みな長所短所を併せ持ち、工夫しながら、自然界の公平な間引きを受けて生きている。
人類も、少しは彼ら樹木の生き方を見倣ったら良いのに。。。
本書が世界的ベストセラーとなっているのが分かる。
全人類が本書を -
Posted by ブクログ
ネタバレ前作、『樹木たちの知られざる生活』に対し、わたしはやや傲慢な(というか、過剰に自分たち人間を信じすぎた)評価を下してしまった。レスポンシビリティという、植物と人間たちが、互いに助け合うことができるという考えを信じたかったからだ。だがわたしはこの考えのことも森のこともーー引いては人間がどんなに強欲で誤魔化しをきかせるウンディゴより悪いものになり得ることも、実際知らなすぎたのだ。
本書には人工林、木材のほか、木製品、紙、トイレットペーパーや本、肉食及びそのための飼料がいかに「野生」(真実古代からの天然)の森を苛みつづけているかが記してある。一種、あこがれでもあったドイツの林業の実際、起きている現 -
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植物、樹木への理解を深めることができ、そして読みものとしても最高に楽しめる本でした。私のボンクラな植物や樹木の概念を根底から覆えされました。私にとっては、ある意味衝撃の一冊となりました。
私は、これまで植物は意志を持たずただ偶発的な自然環境に左右される生物という認識でいました。本書を読むとわかりますが、決してそんなことはなく外敵が来れば近くの樹木にその情報は伝達していたり、巨木となるような樹木はしっかりと子育てをしていること等を知りました。著者の森林に対する無垢な好奇心と愛情が感じられる語り口がとても心地がよく、いつまでも聴いていたい(実際には読むという行為ですが、著者から直接聴いているような -
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興味深い内容でした。
植物は社会を作る…
木は隣にあら同じ高さの木の枝先に触れるまでの範囲でしか自分の枝を広げない。(ブナ、モミ、トウヒ、ベイマツ)
害虫が来ると、天敵がすかな匂いを発散する。樹木なはコミュニティが必要である。
「へーそうなんか!」という内容ばかり。
こーいうこと、小学校の教科書とかで知らせてあげたいよ。
調べてみたら、
日本の国土の67%、2/3が森林。
そのうち5割が天然で4割が人口林。残りは無立木か竹だそうだ。
国土の森林率は、フィンランド、スウェーデン、日本と3位の森林率だ!!
もっと、樹木のこと知っておいたほうが良いよね。大事にしないと… -
Posted by ブクログ
興味深いお話であった。
森林管理者として、樹木たちを見続けてきた作者の言葉が
心にささる。気づかされる。
「問うべきは、人間が必要以上に森林生態系を自分のために利用していいのか、
木々に不必要な苦しみを与えてしまってもいいのか、ということだろう。」
原生林の木々の力。
人間が手を加えることによって里山、木々は整っていくものと思っていたが、
どうやら違うのかもしれないと、この本をよんで感じました。
樹木同士の助け合いや生存競争。動物、菌類、気候などなどとの関係。
繊細であり、たくましくもある樹木達の自然界での営み。
興味深く読んだ。
「ポンプとしての森」はとても興味深く。
地球での樹木の役割 -
Posted by ブクログ
感情的な人は苦手で、論理的な考え方が好きだ。
それでも、この本を読んで、動物も含めた他者とつながるためには、感情は大切である、ということを感じた。
動物も苦楽を感じている。
痛みも、平穏も、喜びも悲しみも、感じているのだ。
生き物だから。
複雑に思考することにおいて、動物は人間より劣っている、と考えがちだけれど、読後、そうではないのだという思いが強くなった。
人間だって、主に感情に動かされている。(P268)
確かにその通り。
「そもそも集中的な思考ができる力など、なくてはならないものなのだろうか?少なくとも、満たされた人生、おだやかな暮らしにとって、そんなものはきっと必要ないのだ」(p265 -
Posted by ブクログ
木は助け合い、社会を作っている。
森は生きていて、そこに暮らす動植物がそれぞれの役割を担い、構成している。
人がいたずらに手をいれるのではなく、森林の木々に委ねることが、良い森を作る。
著者はこの本でそう語る。
昔から人間は木を様々な用途で活用してきたし、それは今でも変わらない。
ただ、節度を持って森の木を使っていくことが大切だ。
使えば植えて育てないといけない。
未来の人たちのために。
現代を生きる私たちだけが良ければそれで良いというわけではなく、子や孫の代に恥じないように生きていかなければいけない。
森をつくるというのは、未来への種を蒔