ペーター ヴォールレーベンのレビュー一覧
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ネタバレいつぞや高橋源一郎が紹介していて気になっていた本。ガーデニングがマイブームの今読んでみた。
樹木について、まさに知らなかったことがたくさん書いてあって、とても興味深い。木ってこんなに「生き物」だったのか!
・木は齧られると味を変えて抵抗する
・木は内部で小さな音を出している
・ブナは仲間と根で栄養を分かち合っている
・海の近くから森があるおかげで雨が降る。森が続いていないと雲にならない
・木の寿命は1万年にもなることがある
・移植されたり枝を切られた木は弱まる。森の中で日陰をお互いに作るから木は長生きする
翻訳の本にありがちなんだけど、ちょっと読みづらかったので、読み切るのに時間がかかった。機会があればまた読み返したい。 -
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ペーター・ヴォールレーベン(1964年~)は、ドイツのボン生まれ、大学で森林学を専攻した後、ドイツ西南部のラインラント=プファルツ州の営林署に20年以上勤め、その後、フリーで森林の管理を行う。
本書は、長年森林の管理をしてきた著者が、豊富な経験と科学的知見をもとに、森林と樹木の生活について綴ったエッセイ集。2015年に出版され、全世界で100万部を超えるベストセラーとなり、2017年に出版された邦訳(2018年文庫化)も、多数の新聞書評で絶賛された。
私は、30年近く前に数年間ドイツで過ごしたことがあり、そのときにドイツ国内の各地を訪れたが、ドイツは、南部のアルプス沿いを除いて険しい山地がなく、また、地方分権的な体制となっているために巨大な都市もなく、全土がなだらかな丘陵と森林に覆われているという印象であった。そして、ドイツ人は、休日に郊外の森を家族で散歩することが、この上なく好きであった。
本書を読んで、まず頭に浮かんだのは、上記のようなドイツの森の様子とドイツ人の行動パターンなのだが、同時に、知らなければ見過ごしてしまう樹木たちの姿や行動に納得し、ドイツ人があれほど森が好きなのは、おそらくこうした知識を子供の頃から家族に徐々に教わり、それによって森に愛着が増していくからなのだろうと思った。
また、ページをめくりながら、以前読んだ、植物が生き延びるための様々な“すごい”能力・仕組みを紹介した、田中修『植物はすごい』を思い出したのだが、そうした能力・仕組みは、植物が能動的に身に付けたわけではなく、偶々生じた(突然)変異で、生存に有利な形・生態が自然選択され、その膨大な積み重ねによってそうなったものだ。(そう言ってしまうと、身も蓋もないのだが。。。)
しかし、著者は本書で、そうした科学的な事実を、樹木を人間に、森を人間社会に喩え、あたかも人格があるかのように描くのである。これは、著者の樹木に対する優しさ・愛情があってのもので、読んでいてとても心地よいし、本書を類書と画する最大の特徴だろう。
今後、樹木のある公園や森を歩くときに、周りを見る目や心持ちが変わることが間違いない、好感度の高い一冊と思う。
(2024年6月了) -
Posted by ブクログ
とても興味深く読めた。
犬や猫は身近なペットで、表情や仕草、鳴き声などで、主人に何かを伝えようとしていると言うことは理解が出来る。
でもそれだけ?
著者は哺乳類はもとより、鳥(とりわけカラス)、いや多かれ少なかれ全ての動物種に感情はあると言う。
実際のところどうなのか分からないが(本能によるプログラムなのかも)、著者の熱い思いはひしひしと伝わってきた。
この本で語られる動植物のトピックスは、正にトリビアだ。それもそのはず、著者のベースとなる研究分野は、動物行動学、進化論、(実験)心理学、神経科学で、我々の身近な生きものの、へぇーが多く登場する。
最後に著者が書いていることは、心に響いた。
動物は進化上、私たちの下に位置したままの愚かな被造物などではないし、たとえば痛みなどに関して私たちが持つ感情の多彩さの、ぼんやりとした類似物を動物は与えられているだけといわけでもない。
望むことは、今の世界を共に生きるものたちと付き合う中で、それが動物であろうと植物であろうと、彼らへの敬意が、少しでも戻ってくれば良い。 -
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森にかんして、知らないことが多すぎると気づかされる読書だった。菌類との共生は、ほかの本でも読んでいたけれど、ゾウムシたち微生物についてはまったく考えにも入っていなかったため(おそらくだが、「目に見えず『うつくしくもない』」という偏見のせいだ)、驚いてしまった。森に入るときは靴を拭ってからという金言があるのに。
ただ、ーー個人的な考え方の過渡期にあるからだろうか。それともまだ物知らずに、森に夢を見ているのか?ーー私は、蒙を啓かれた気持ちにはなるけれども、本著の内容に、どうしても完全に賛成はできない。樹木たちの自浄作用に期待しすぎて外来種を持ち込んだり、かれらを待ち続けることでしか再生が待たれないというのは、なんというか、人間もまたいきものであり森林に「お返し」がなにかしらできるのではという、レスポンシビリティーの考えに欠けているように思われてしまうからだ。
森が、美観に左右されないように見守るというスタンスだけが、著者に、わたしたち人間にとっての「お返し」であるとは、甘いかもしれないが、まだ思いたくない。 -
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最新の科学と長年の観察が明かす木々の驚くべき社会的な営みとは?ドイツで長年、森林の管理をしてきた著者が、豊かな経験と科学的事実をもとに綴る樹木への愛に満ちた世界的ベストセラー。
面白かった!無知すぎてこんなに樹木が助け合いながら何百年もかけて成長し、危険に立ち向かっているとは思いもよらなかったな。動物と同じ、もしかしたらそれ以上に感情や記憶もあるのかもしれないと考えるとすごいことだ。人間の目に映らないからといって、イコール何もないわけではないという事実を分かりやすく伝えてくれる一冊。完全に手を加えずに育った森林を見てみたいけど、それを見るのは何世代も後の子孫たちになる。せめて彼らに今より豊かな樹木を残してあげたいものです。 -
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叱られるとバツが悪そうな顔をするイヌ、餌がある振りをしてメンドリをおびき寄せるオンドリ、名前が呼ばれるまで礼儀正しく待つブタ、羞じらうウマ・・・。動物たちの感情や知性は私たちの想像以上に奥深い。森林の管理をしながら動物と交流してきた著者が、豊富な体験と科学的知見をもとに彼らの多彩な内面を温かく綴るエッセイ。世界的ベストセラー『樹木たちの知られざる生活』の続篇。
面白かった!動物はおおむね好きで犬を飼っているが、本当にその通りだなと思うことばかりで、普段見ることのない虫や動物たちの姿も筆者を通して見るとより愛おしいなと思う。分からないこともまだたくさんあるけれど、それ以上に証明できなくてもきっとそうに違いないと思うくらい、よく観察されているし、データがすべてでもない。そもそも人間の感情なんて数値化できないけどあるのはみんな前提としているし。いつか彼らの気持ちを言語化できる未来がやってきたらもっとお互いのことを理解して共存できるんじゃないかなと期待している。