くぼたのぞみのレビュー一覧

  • パープル・ハイビスカス
    遥か遠いナイジェリア
    少女が語る物語に悲壮感はない
    家長であるパパ、敬虔な信者で、今の自分を確立した礎になっている大事な信仰が故、愛するが故の過ちへの断罪は容赦なく、言葉にならない
    心を明らかにできず、苛立ちにうまく対処できない彼も悲しいけれど、それを差し引いても、どれだけ愛があったとしても
    はやく...続きを読む
  • なにかが首のまわりに
    読書の醍醐味、
    知らない世界を知る、
    そんな作品でした。

    自分もアフリカやアメリカの地に居合わせたような
    そんな感覚を抱かせるシーンが山ほど。

  • 男も女もみんなフェミニストでなきゃ
    フェミニストであるということと「フェミニスト」という言葉にいかに多くのマイナスイメージが背負わされているかについて考えた。翻訳は少し読みにくいので原書でも読みたい。後で動画も他の著作も見たり読んだりしたい。
  • パープル・ハイビスカス
    それがですね、しんどいんですよ。国の情勢も、父親の支配も、読んでいてつらい。従順に暮らしてきた15歳のカンビリが、イフェオマおばさんの家に行って初めて知る、賑やかな食事の時間やおしゃべり。圧倒されながらも、そりゃ引きつけられるだろうなあ。

    しんどいながらも、最後のほうには力強さも感じる。それが何な...続きを読む
  • なにかが首のまわりに
    セル・ワン
    イミテーション
    ひそかな経験
    ゴースト
    先週の月曜日に
    ジャンピング・モンキー・ヒル
    なにかが首のまわりに
    アメリカ大使館
    震え
    結婚の世話人
    明日は遠すぎて
    がんこな歴史家
  • 半分のぼった黄色い太陽
    「アフリカ」と大雑把に語ることの無意味さを改めて反省。自らの無知と偏見をいくつも自覚させられ、非常に勉強になった。
  • 男も女もみんなフェミニストでなきゃ
    本が苦手でもスイスイ読めます。
    フェミニストというと主張が強くて過激というネガティブなイメージを抱いていましたが、そういう人ばかりじゃないんですね。
  • なにかが首のまわりに
    アフリカ/ナイジェリアのさまざまステレオタイプにまつわる短編集。
    人種、ジェンダー、植民地支配の歴史、内戦、宗教/文化、移民などさまざまな観点でストーリーが描かれていてこまめに読みやすい作品。
    とても豊かな表現で海外著独特の表現があり、海外図書不慣れな私にとってはやや理解に時間がかかる部分もあったが...続きを読む
  • なにかが首のまわりに
    アフリカ世界だけど(ナイジェリア)、フェミニズムな内容も含まれている。遠い世界だけど、この屈辱わかる、と共感を覚えることが多い。
  • アメリカーナ 下
    愛の物語であるとともに、
    主人公の成長、
    すなわちアイデンティティの確立が語られる物語。

    なぜ二人は外国に行かなければならなかったのか。
    純粋に愛し合い、魂も美しいというのに。
    それは、国内にいたままでは
    自分で立つことができるほどの力はなく、
    やがてナイジェリアに飲み込まれてしまうことになっただ...続きを読む
  • 鉄の時代
    アパルトヘイト時代の南アフリカを舞台にしているから、アパルトヘイトの実態を告発し批判する意図ももちろんあるのだろうが、それだけにとどまらず、受け入れられない状況の中でいかに生きるのか、いかに引き裂かれるのか、について問うているのだと思う。なぜ、ガンを告げられ余命いくばくもない主人公が祖国を捨てた娘に...続きを読む
  • 男も女もみんなフェミニストでなきゃ
    男にも女にも知っておいてほしいことが、わかりやすく書いてある。例えば、著者の祖母の話。彼女はフェミニストという言葉を知らなくても、性別に拘らず男女が平等に扱われることが大切であると直感で知っていて、それを行動に移した。他にも、一歳差の男女の兄妹は、妹だけが母親に「兄にラーメンを作ってあげてね」と言わ...続きを読む
  • 男も女もみんなフェミニストでなきゃ
    チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ。「なにかが首のまわりに」で初めて知った、舌を噛むようなこの名前。今はアディーチェさんと気楽に言える。

    現代の世界文学界のスター的な「女性」作家です。2013年に『アメリカーナ』で全米批評家協会賞を受賞。1977年生まれだから現在は未だ43歳か。これは2012年の...続きを読む
  • なにかが首のまわりに
    まだ数本しか読んでいないけれどこれまでに読んだことのない感覚の本。
    文体も独特だしそこはかとない不安を漂わせたまま終わる物語も。
    この一冊だけでなく何冊か読んでみたい著者。
  • 男も女もみんなフェミニストでなきゃ
    筆者の口から語られる言葉たちは決して過激なものでも、排他的なものでもない。フェミニズムという言葉の過激なイメージだけが先行してしまっている日本だけれど、本来フェミニズムが目指すものってそれじゃない。
    男も女も関係なくみんなで目の前で起きていることについて考えていこうよ、私たちの文化ってそうやって自分...続きを読む
  • 男も女もみんなフェミニストでなきゃ
    フェミニズムを語る人は正直苦手でした。

    たまたま自分の目に触れた人だけかもしれないけど、テレビや新聞でフェミニズムを語る人は、どこか攻撃的だったり、ヒステリックな印象が強く、ネットはもっとひどい。で、そのフェミニズムに異を唱えるネット上の意見も、大概はフェミニズムを嘲ったりバカにしたようなニュアン...続きを読む
  • 半分のぼった黄色い太陽
    まるで目の前にアフリカナイジェリアの暮らしがあるような生き生きとしたストーリーテリングの果てにたどり着く、圧倒的な戦争の虚しさと喪失感よ。
  • 男も女もみんなフェミニストでなきゃ
    『わたし自身の、フェミニストの定義は、男性であれ女性であれ、「そう、ジェンダーについては今日だって問題があるよね、だから改善しなきゃね、もっと良くしなきゃ」という人です。』
    本の袖にあるこの一節を、この先もずっと忘れないでいようと思った。
  • なにかが首のまわりに
    ナイジェリア出身の作家で、近年では『男も女もみんなフェミニストでなきゃ』などのスピーチでオピニオンリーダーとしても注目されているチママンダ・ンゴズィ・アディーチェの短編集。

    軽やかなユーモアとペーソスを交えながら、描かれているのは人種、歴史、ジェンダーをめぐる問題で、なかなか打ちのめされる迫力です...続きを読む
  • なにかが首のまわりに
    3月初めに小さな旅をしている途中、小川洋子の読書ラジオ番組を聴いていた。初めて聴く番組で、初めて知る作家の小説だった。アナウンサーの朗読と共に小川洋子さんが一冊の本を解説する番組だった。

    1時間で、アルジェリアからアメリカに渡った女性の青春をすっかり知った気になり、私の知らない世界を垣間見た気にな...続きを読む