くぼたのぞみのレビュー一覧

  • なにかが首のまわりに
    We should All Be Feminists.

    TEDでも有名になった、ナイジェリアの女性作家による短編集。

    引き込まれる文章を書く人だな、と思った。するすると感情移入できる。
    そして人種、ジェンダー、文化、宗教によるさまざまな問題が緻密に描かれている。重すぎず軽すぎず。日常生活の中の抑...続きを読む
  • アメリカーナ 上
    この本は今読むべき本だと思い、手にとった。

    ナイジェリア出身の主人公イフェメルがアメリカに渡り、アメリカでの黒人の階級が低い事を痛烈に体感する。

    人種差別について深く考えたことがない私は驚きやら悲しみやら初めての感覚を味わった。
  • なにかが首のまわりに
    ひとを愛するということは自分が知らない人生を知ることだ、と私が敬愛する灰谷健次郎さんは言ったが、この本を読むまでは私には知るべくもなかった、全く風土の異なる遠い異国の地の価値観や生き方を、匂いや温度をもった風のように感じられたことは私にとって得がたい喜びであり、それは作者の瑞々しい感性によって解き放...続きを読む
  • アメリカーナ 上
    上手く口には出せない思い。表に出ることのない感情。そうしたものを可視化して、たくさんの人に伝えることが出来るのが、小説や文学の強みかな、と思います。

    そして、その強みを存分に発揮している作家の一人が、このチママンダ・ンゴズィ・アディーチェ。彼女の描く”ナイジェリア人”から見たアメリカの姿は、社会や...続きを読む
  • アメリカーナ 下
    ナイジェリア、イギリス、アメリカを往き来する現代の移民の性差や階級、差別に恋愛。

    圧巻800ページの旅でした。
  • なにかが首のまわりに
    アフリカナイジェリアに出自を持つ著者が描く、性差、文化、世代間の違いによる摩擦。

    それらは違う舞台でありながらも、
    私たちが日常で出会うモヤモヤとしたズレとそう変わりはない。

    自分の中のステレオタイプなアフリカへの偏見に気付かされるとともに、この世界の“今”に私たちは共感する。
  • 男も女もみんなフェミニストでなきゃ
    とても短く、シンプルで読みやすい1冊
    (もともとTEDでのスピーチ?トーク?であったものに
    加筆したとのことで、本を読んでいるというより
    講演会などで話を聞いているようなわかりやすさもある)

    母ひとりに育てられ、
    フルタイムで懸命に働いても
    同等の仕事をしても
    同じだけのお給料や肩書きを与えられる...続きを読む
  • なにかが首のまわりに
    短編集10編
    黒人,女性という弱い立場からあるがままに考え感じ表現している.(ただ,どちらかというと富裕層ではあるが)その繊細で観察力の鋭い目で短いながらも適切に切り取った表現にはたくさんの想いが込められている.後半の表題作,「アメリカ大使館」「震え」がよかった.
  • 半分のぼった黄色い太陽
    赤、黒、緑の3色の真ん中に半分のぼった黄色い太陽の図柄。

    これは、1967-70年に存在したビアフラ共和国の国旗である。
    あるクーデターから端を発し、イボ人に対する虐殺などが度々起こった結果、イボ人は結束して、「ビアフラ」として、ナイジェリアからの独立を宣言した。
    しかし、彼らの持つ石油を連邦政府...続きを読む
  • 半分のぼった黄色い太陽
    1960年代のナイジェリア内乱を舞台にした作品。

    恥ずかしながらナイジェリアのことをほとんど知らないまま読んだけど、主人公のひとり・ウグウはまさに何も知らない田舎育ちの少年で、彼の目を通して語られる描写ですんなりと作品に入っていける。
    作中で白人は黒人を差別しているけど、黒人も白人を差別しており、...続きを読む
  • 半分のぼった黄色い太陽
    冬休みに読むのを楽しみにしてた本。お腹の膨れた子どもたちのイメージを世界に流通させた1960年代のビアフラ戦争を背景に、2組のカップルとひとりの少年の、約10年にわたる関係を描く。
    ウグウがやがて綴ることになる本のタイトル「私たちが死んだとき世界は沈黙していた」が示すように、作家は、戦争を引き起こし...続きを読む
  • なにかが首のまわりに
    ナイジェリア出身の著者が、ステレオタイプの「アフリカ」とはほど遠い、実際の彼女たちの日常、心情、人間関係などが書き綴られた、短編集。

    読み始めは、馴染みのない名前(「ン」から始まる名前の多いこと!)、地名、人種、宗教、文化に戸惑いを覚え、300ページほどの文庫読破に7日も要した。アフリカ、特にナイ...続きを読む
  • なにかが首のまわりに
    「パープル・ハイビスカス」の大きなうねりはないけれど、さざなみのように、人と人のあいだの差違や隔たり、ずれ、違和感を物語にして差し出してくる。
  • なにかが首のまわりに
    凝り固まったステレオタイプな印象と、差別と意識していない差別こそが、多様性の時代に潜む本質的な問題なのではないかと考えさせられる短編集。

    ナイジェリア出身の主人公たちが外国(主にアメリカ)との文化の差や、経済的な格差、ナイジェリア出身であるというアイデンティティに直面する物語を数話読んだだけで、豊...続きを読む
  • 男も女もみんなフェミニストでなきゃ
    女性から「女性らしさ」を引きはがすのではなく、フェミニンなものが好きなら、ありのままの自分の好みを表現できる世界を作ることがジェンダーギャップを埋める一歩になるのかな?文章がやわらかく、フェミニズム・ジェンダーになじみがなくても理解しやすい。
  • なにかが首のまわりに
    どなたかの本棚にあったので読み始めたのだと思います。最初はほんとに何気なくのつもりで。

    ナイジェリアの作家さんなんてもちろん初めてです。
    短編が12,3ほど収められているのですが、どれをとってもナイジェリアで生まれた女性たちがどういう一生を送るのかというのがテーマだと思います。ちなみにナイジェリア...続きを読む
  • 男も女もみんなフェミニストでなきゃ
    フェミニストをテロリストと同じようなニュアンスで扱う男性を何人か知っている。そしてその話題には触れまいとする女性が多くいるのも知っているし、私自身今でもそのように振る舞ってしまう場面がある。
    自分のことはフェミニストだと思ってはいるし、未来の女性のために声を上げ行動したいという意思はあるのに、どうし...続きを読む
  • なにかが首のまわりに
    アフリカ(ナイジェリア)に生まれること、黒人であること、女性であること、アメリカに暮らすこと。向けられる眼差しや、違和感。

    物語を読んでほんの一時わかったような気になって、実際、一生本当の意味ではわからないままなのだろうなぁ…。

    ひりひりとした当事者感情がそこにはあった。

    寝る前に『アメリカ大...続きを読む
  • 男も女もみんなフェミニストでなきゃ
    ★3.5

    フェミニストのとっかかりにはわかりやすく15分程で読める本。
    ナイジェリア人でフェミニストである著者のTEDスピーチを翻訳したもの。
    いかに歴史が(特に祖国ナイジェリア)我々に刷り込みをしてきたか、痛感する。

    女性のほうが遺伝子的に料理をするのが得意なのかも?に対しては、ではどうして今...続きを読む
  • なにかが首のまわりに
    アフリカの小説、というだけで先入観があった。
    読んでみたら、かわらない人間の悲喜こもごもの話だった。
    明日には遠すぎて ってタイトルがいい。