くぼたのぞみのレビュー一覧

  • 半分のぼった黄色い太陽

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    1960年代のナイジェリア内乱を舞台にした作品。

    恥ずかしながらナイジェリアのことをほとんど知らないまま読んだけど、主人公のひとり・ウグウはまさに何も知らない田舎育ちの少年で、彼の目を通して語られる描写ですんなりと作品に入っていける。
    作中で白人は黒人を差別しているけど、黒人も白人を差別しており、黒人の中でもまた民族差別がある。民族差別こそが内乱の一因。
    戦争が進むにつれ、リベラルなインテリだったはずのウグウの主人・オデニボでさえ差別的な発言をする場面があり、衝撃だったが、長引く戦争で登場人物たちの精神状態が少しずつ少しずつおかしくなっていくのがよくわかった。

    日本の戦争文学を読んでもいつ

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    2012年02月03日
  • 半分のぼった黄色い太陽

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    冬休みに読むのを楽しみにしてた本。お腹の膨れた子どもたちのイメージを世界に流通させた1960年代のビアフラ戦争を背景に、2組のカップルとひとりの少年の、約10年にわたる関係を描く。
    ウグウがやがて綴ることになる本のタイトル「私たちが死んだとき世界は沈黙していた」が示すように、作家は、戦争を引き起こし支えた、国際社会の植民地主義と人種主義、民族ナショナリズム、権力者の腐敗、虐殺の対象となったイボ人の側にもあった疑心や差別、暴力に対する鋭い批判と怒りを抱いているが、それは慎重に抑制されて、5人の間の愛憎に焦点をあてた繊細な物語を支える力強い基盤となっている。
    5人の中でもっとも魅力的な人物は、皮肉

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    2011年08月02日
  • 半分のぼった黄色い太陽

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    ナイジェリアの内戦ビアフラ戦争を元に書かれたフィクション長編小説。1960年代なんてつい最近のことである。こんな近い過去に世界でこんな事があったのかと驚愕する部分がたくさんあった。フィクションといえどもきっとこんな現実もあったに違いない。戦争の話は心が病むので苦手だけども、こちらはラブストーリーが主なのでいくらか読みやすかったかも。
    ほんの一部の人たちの欲や富のために始まる戦争は本当に情けない行為だと思う。人をも変えてしまう行為でもあると思う。多くの犠牲を出す前に情けない行為はすぐに止めるべき。人間は何度同じ過ちを犯すのだろうか。と、現世界の状況を世間並みの一般論的な事を考えながら、読み終えた

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    2026年03月21日
  • 男も女もみんなフェミニストでなきゃ

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    フェミニズムは社会運動としての連帯を示す言葉だったが、昨今ではある種の嘲笑を含んだレッテルと化し、女性の自立運動を阻む一因となっている。同じようなことが、他の様々な「発言しづらさ」引いては「生きづらさ」に繋がっている。違いを認め合うことと支え合うことは互いに相容れないものではない。平明な言葉で書かれているが、現代とこれからを生きる人々への力強いメッセージ。

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    2026年02月15日
  • 半分のぼった黄色い太陽

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    ネタバレ

    かなり厚みがあり、本文も2段で気構えたが、中盤以降どんどん引き込まれた。
    戦争は起こってはいけないという気持ちを強くした。

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    2025年10月25日
  • その国の奥で

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    ネタバレ

    クッツェーの第2作目で、若い時の作品とのこと。
    現実と妄想が混じり合って、何が現実に起こったことなのかわからないまま進んでいく。父親の死以降はストーリーがはっきりする気もするけど、それも本当なのかどうかわからない。奴隷にレイプされながら、愛されるために必死になる主人公が痛々しい。

    訳者の解説もピンとこなかった。アフリカの農場の風景が具体的に想像できないせいか、「自然を描く筆遣いに…荒削りな詩情が感じられる」が私にはよくわからないのと、作品の背景にある言語の多様性みたいなものが、全部日本語なので感じとりにくいのが残念。

    次はもっと後期の作品を読んでみたいかな。

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    2025年05月12日
  • パープル・ハイビスカス

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    アディーチェのデビュー作。カトリック教徒の父親の厳しいしつけと懲罰。宗教的不寛容さは自身の父親にまで徹底している。家庭内の暴力には目を覆いたくなるほどだが、社会的貢献や寄付は成功者に相応しく義務を果たし、政治には改革的だ。ナイジェリアと西欧の宗教・文化が入り混じった複雑な社会が見えてくる。作者の故郷のエヌグにも一度行ってみたいが難しいだろうな。タイトルのパープルハイビスカスは新種で、自由な思想の象徴になっている。

    訳者あとがきを読み、アディーチェのTEDでのジェンダー・フェミニストについての講演をYouTubeでみた。誰もが居心地のいい話題ではないかもしれないテーマを、軽快に、わかりやすく話

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    2025年04月06日
  • その国の奥で

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    南アフリカの牧歌的な感じのスタート
    から 父親 若い妻 肌の色などの描写 そして手斧による殺人の描写
    カラードやアパルトヘイトを思い出させた 
    衝撃的な表現と文章の繋がりが不明で
    思わずあとがきを読んだ

    なるほどクッツェーの妄想作品
    そこを読んだら落ちついてきて
    つながりのあるような無いような
    センテンスも何とか読めた

    支配者として君臨する父親
    母親は早く亡くなり うまく話が出来ない娘 帰らない兄
    荒涼とした牧場での孤独な暮らし
    なんとも言えない作品
    狂気か  読むのが辛かった

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    2025年03月14日
  • なにかが首のまわりに

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    初めてのナイジェリア文学
    1回ではまだまだしっかりと理解できていないことが多いけれど、全体的に切なくも力強い短篇集だった。

    翻訳されたタイトルがさらに切なく、「明日が遠すぎて」は個人的にとても印象的なお話。

    くっきりと描かれないけど、ぼんやりと情景が浮かんできて面白かった。

    「明日が遠すぎて」
    夏休みに祖母の家で過ごした期間を描いた作品。
    祖母は兄ばかり尊重し、そんな兄に嫌悪感を抱く妹がある計画を立て、実行する。
    真実を知るものは一体だれ?


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    2024年11月30日
  • なにかが首のまわりに

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    ナイジェリア出身の著者が、ステレオタイプの「アフリカ」とはほど遠い、実際の彼女たちの日常、心情、人間関係などが書き綴られた、短編集。

    読み始めは、馴染みのない名前(「ン」から始まる名前の多いこと!)、地名、人種、宗教、文化に戸惑いを覚え、300ページほどの文庫読破に7日も要した。アフリカ、特にナイジェリアのことを勉強してから、再読しようと思う。

    再読したら、恐らく星は増えると思われる。

    ナイジェリアのことに詳しくないあなたは、訳者あとがきから読まれるのがいいかもしれない。少しは、著者や背景理解が深まるのではないだろうか。

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    2024年01月07日
  • なにかが首のまわりに

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    「パープル・ハイビスカス」の大きなうねりはないけれど、さざなみのように、人と人のあいだの差違や隔たり、ずれ、違和感を物語にして差し出してくる。

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    2023年11月05日
  • なにかが首のまわりに

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    凝り固まったステレオタイプな印象と、差別と意識していない差別こそが、多様性の時代に潜む本質的な問題なのではないかと考えさせられる短編集。

    ナイジェリア出身の主人公たちが外国(主にアメリカ)との文化の差や、経済的な格差、ナイジェリア出身であるというアイデンティティに直面する物語を数話読んだだけで、豊かな国に生まれた人々の多くが自身でも知らないうちに、自分の中に「無意識の差別」を育んでいるのだと感じてしまいました。

    差別というのは肌の色や宗教の違いを理由に人を迫害するような行為だけを指すのでなく、自分の中の常識に無い、相手にとっての常識に敬意を払わないことで生じる現象を指すのかもしれません。

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    2023年05月09日
  • なにかが首のまわりに

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    どなたかの本棚にあったので読み始めたのだと思います。最初はほんとに何気なくのつもりで。

    ナイジェリアの作家さんなんてもちろん初めてです。
    短編が12,3ほど収められているのですが、どれをとってもナイジェリアで生まれた女性たちがどういう一生を送るのかというのがテーマだと思います。ちなみにナイジェリアという国家は多民族で、よくでてくるスッカという大学街はアブジャ州内にあり日本政府の危険情報でもレベル3;渡航は止めてくださいレベルでした。私達が簡単に行ける国ではなさそうです。

    ナイジェリアをでてアメリカへ渡る、キラキラした上位国アメリカに媚びるように生活するナイジェリア男性の3歩うしろで夫を敬い

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    2022年12月11日
  • なにかが首のまわりに

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    アフリカ(ナイジェリア)に生まれること、黒人であること、女性であること、アメリカに暮らすこと。向けられる眼差しや、違和感。

    物語を読んでほんの一時わかったような気になって、実際、一生本当の意味ではわからないままなのだろうなぁ…。

    ひりひりとした当事者感情がそこにはあった。

    寝る前に『アメリカ大使館』を読んでしまったばっかりに、瞼の裏に鮮烈な赤いヤシ油の色が浮かんで、なかなか寝つけなかった。

    表題作での、

    「夜になるといつも、なにかが首のまわりに巻きついてきた。ほとんど窒息しそうになって眠りに落ちた。」

    というところが印象的だった。初めて海外で暮らし始めた時、似たような気持ちを覚えて

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    2022年10月16日
  • なにかが首のまわりに

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    アフリカの小説、というだけで先入観があった。
    読んでみたら、かわらない人間の悲喜こもごもの話だった。
    明日には遠すぎて ってタイトルがいい。

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    2022年07月05日
  • なにかが首のまわりに

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    ナイジェリアの女性作家の短編集。原文がそうなのか端正な文章だなと感じた。アフリカ文学はほぼ読んだことがないので、新しい扉を開けたような気持ち。

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    2022年06月02日
  • なにかが首のまわりに

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    アフリカの作家による小説第2弾。今回は短編集で、一つ一つの話が長くなく、軽快でテンポもよく、読みやすい。どの小説にも共通しているのは、「人種差別」と「土着文化とアメリカ文化の大きな違い」。これは、なかなか無くならないもので、「なにかが首の周りにある」という不気味な表現(当事者には感覚なのだろう)は言い得て妙。自虐的でもあり、賞賛でもあり、戻りたいような、帰りたくないような、そんな複雑な感情に共感できることが多い一冊。

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    2022年04月17日
  • なにかが首のまわりに

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    あらゆる差別や偏見,戦争,階級闘争,断絶と断罪,信仰と信念…あらゆるものが混ざり合って出来上がっている世の中と言う「壺の底」から眺めた風景を擬似体験する様に読んだ.
    無知と傲慢を,抉り出して曝け出されたような気分…
    アフリカ系の名前の馴染みのなさについて行けず,没入しきれなかったか,また時間を置いて読み直したい.

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    2022年03月01日
  • なにかが首のまわりに

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    翻訳本だから、少し難しい日本語になっていて読みにくさはあった。
    世界にはいろいろな夫婦形式や、状況があるんやなと、自分の「世界」の概念が少し変わった。

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    2020年10月07日
  • なにかが首のまわりに

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    舞台はアフリカだったりアメリカだったり、登場人物たちも様々な人種ですが、あっこの感覚は味わったことがある…と思うことしきりでした。
    生きづらさはどこにでもある、でもそんな中でも強く生きる女性たちが眩しい。
    「ひそかな経験」「なにかが首のまわりに」「明日は遠すぎて」が特に印象的でした。ひそかな経験、はここにいたらなかなか出くわさないけど緊張感が凄かったです。
    これまで接する機会のなかった地域の文学…色々と読みたくなりました。まずは知るの大事。

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    2020年08月25日