くぼたのぞみのレビュー一覧

  • 男も女もみんなフェミニストでなきゃ
    ネットで繰り広げられる攻撃的フェミニストの言説にかなりの違和感があったので、大学でフェミニズムを研究していた妻に話をふったところ紹介されたのがこの本。

    解説にもある通り、実に語り口がしなやかで攻撃的なところが一切ないのが好感がもてる。フェミニズムは過去の歴史的な流れから女性側により多くの抑圧がある...続きを読む
  • 男も女もみんなフェミニストでなきゃ
    男も女もみんなフェミニストでなきゃ。チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ先生の著書。フェミニストという言葉は素晴らしいけれど、日本ではどこかネガティブなイメージも残っている。フェミニストを自称する男性は他の男性から変わり者扱いされることもあるようだし、フェミニストを自称する女性は自己主張の強い面倒くさ...続きを読む
  • 半分のぼった黄色い太陽
    ナイジェリア1960年代の話。
    60年代前半と後半で分けて話は進む。
    壊れてしまった幸せな日々を思い出すような構成になっていて、読んでいて胸がヒリヒリする。

    翻訳本は苦手な人にも一気に読める作品だと思う。

    引用P.137
    カイネネ「愛が他のものの入る余地を残さないとあなたが考えるなら、それは間違...続きを読む
  • 半分のぼった黄色い太陽
    物語の語り手の三人もバランスがよい。みんななにかしらの意味で「観察者」だよね。特に序盤はそれぞれアフリカハイクラスの、アフリカ庶民の、アフリカ社会の、観察者と行った具合に。だから前提が理解しやすい。中盤からはどんどん当事者になっていって、彼らの行く末が気になった。途中ちょっとダレたけど。
    アフリカと...続きを読む
  • 半分のぼった黄色い太陽
    3人の視点から語られる、愛であり、一族の歴史であり、戦争であり、貧困、搾取、あらゆるものが大きな流れの中に組み込まれている。言葉も的確で、風景が広がるような感じがあった。
    ことさらに、ビアフラ戦争を非難している訳ではないが、世界中で起きている戦争も大なり小なりこのような図式であることが、本当によく分...続きを読む
  • なにかが首のまわりに
    この感想を書いてるのは読んでから1年以上経ってからのことです。
    12の短編全てを思い出すことは出来ないので12タイトルは他の方の読書感想からコピペしてきた。
    おそらく多くの方のベストは「ジャンピングモンキーヒル」か表題の「なにかが首のまわりに」もしくは「震え」とかでしょうか。
    私も読んだ直後はそうだ...続きを読む
  • アメリカーナ 下
    ナイジェリアに住んでいるイフェメルとオビンゼの夢は、英米に留学すること。そんな二人は高校生時代からの恋人同士だが、イフェメルだけがアメリカに留学することになると二人の中にも溝ができて…。イフェメルはアメリカに留学してからというもの日々カルチャーショックに見舞われていく。その最大とも言えるのが、人種の...続きを読む
  • なにかが首のまわりに
    またまた「翻訳文学試食会」(ポッドキャスト番組)で取り上げられていた作品を含む短編集。

    カタカナで書くとチカチカする名前の作者は、ナイジェリアからアメリカに移住した自身の体験をベースに、「アフリカってこんなもんだろう」というアメリカ人の偏見と、「アメリカってこんなもんだろう」というナイジェリア人の...続きを読む
  • 男も女もみんなフェミニストでなきゃ
    「そう、ジェンダーについてつらい思いをしてる人いるよね。だから良くしなきゃ」
    そう思ってる人はみんなフェミニストだと、私も思う。
    言葉のリセット、賛成です。
  • 曇る眼鏡を拭きながら
    お二人の往復書簡、とても興味深かったです。素敵な文章がたくさんあって、穏やかで、あたたかくて、春風みたいな本でした。そして読んでみたい本が増えました。
  • なにかが首のまわりに
    読んでて私は、異邦人の女の人の話が好きだと思った
    国を出た、居場所がない、親しい男、家族になじめない等の、現在の自分のいる場所に違和感を持つ女たち。とても自立しているようで寂しい人。
  • なにかが首のまわりに
    アフリカ関係の本は、滝田明日香さん以来。(そうえいばキリマンジャロ登山の本とバッタの本は読んだ!)
    滝田さんが繰り広げるエピソードは、私の知らない世界であり、わくわくしながら読んだことを覚えている。

    本書の、チママンダさんは、世界的に活動されている。
    本の評価が高いことは知っていたけれど、活動拠点...続きを読む
  • パープル・ハイビスカス
    「発掘王への道#5」はチママンダ・ンゴズィ・アディーチェの『パープル・ハイビスカス』です

    海外作品も発掘します
    王ってそういうことですから
    苦手分野ないのが王ですから

    まずは作者紹介から!
    訳者あとがきから抜粋!(一部省略)
    1977年生まれ。ナイジェリア南部のエヌグで、イボ人(ナイジェリアの民...続きを読む
  • 男も女もみんなフェミニストでなきゃ
    男性優位の世界を見てここがおかしいと言う本。女性差別あるあるだよね、ということが穏やかな口調で満遍なく書かれているのでフェミニズムに目覚めていない人向け。
    「ジェンダーについて話すのは居心地の悪いこと。現状改革は面倒だから。なんでフェミニストって語を使うの?という話もあるが、それは「人権」という大き...続きを読む
  • 男も女もみんなフェミニストでなきゃ
    読みやすい!
    語りベースだからなのかもしれないけど、とっつきにくくない
    めちゃくちゃいい言葉たくさんあって、あとで読み返したい
  • なにかが首のまわりに
    アメリカーナが面白かったので、こちらも読んでみた。
    一つ一つがとても短い話なのに、一話終わるたびに感じる余韻がすごい。本書で描かれている、ナイジェリアとアメリカの空気、それぞれの女性たちの感受性や生きる力などに触れ、視界が開けるように感じた。世界は広い。
  • 男も女もみんなフェミニストでなきゃ
    文化的な背景知識などがないためにやはり一部わかりにくい表現や理解しきれていないと感じる場面があったのが残念だった(完全に個人の問題)

    アフリカでは(日本とはまた違う)フェミニズムもその他の人権問題もまだまだ山積みで、一見フェミニズムはそれらよりも軽んじられている印象があったけれど、それはアフリカで...続きを読む
  • 男も女もみんなフェミニストでなきゃ
    広いフェミニストの定義を教えてくれる。あ、私もフェミニストかも、そんな発見がある。
    私は、ジェンダーフリー
    の立場で男性、女性気にしないでやっていこうぜ
    と考えることが多かったけど、その姿勢じゃ女性であることで発生している問題を覆い隠すことになると再認識させられた。
    そうなった時に男性とは何か。女性...続きを読む
  • パープル・ハイビスカス
    ナイジェリア南部の町エヌグの大きな屋敷に住む、15歳の少女・カンビリ視点で描かれる物語。
    物語、と読んでいいのか悩むほどに生々しい部分もある。
    身一つで会社を起こし、世間では敬われているカンビリの父は、敬虔すぎるまでのカトリック教徒であり、腐敗したナイジェリア政権を批判し立て直すべく、政権批判の新聞...続きを読む
  • 男も女もみんなフェミニストでなきゃ
    そうとは知らずに読んだが前に見たことがある「シングルストーリーの危険性」のTEDのアディーチェさんだった。

    断定的ではなく、それぞれ意見があるテーマだと思うが、寄り添う礼儀正しい筆者の姿勢のおかけで気持ちよく読むことができて、面白かった。

    なにより自分の意見を文字にしてここまで人を動かせたり、共...続きを読む