くぼたのぞみのレビュー一覧

  • アメリカーナ 下

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    去年『なにかが首のまわりに』で初めてアディーチェという作家を知り、この『アメリカーナ』で彼女の著作を二作読んだことになります。

    そして思うのは、この人の視点とそれを表現する感性はとても瑞々しくて、読めば読むほど自分の中に新しい風を吹き込んでくれるということです。

    『なにかが首のまわりに』『アメリカーナ』ともに、黒人差別が物語の大きなテーマとなります。黒人差別を描いた小説や映画は、自分も今までいくつか触れてきました。

    そして思うのは、それらの作品は人種差別の悲劇や苦しみや怒り、あるいはそれを乗り越える人間の強さというものを、表現していたということです。

    そうした作品ももちろん素晴らしいの

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    2020年02月07日
  • マイケル・K

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    道に 迷ったり
    雑念で 自分を見失いそうになったとき
    きっと 自分を洗い出してくれる 一冊

    極限ハングリーに自由に生きてみること
    農場での溢れるような行動力
    よわっちい現代人の私は見習う点 多々でした

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    2019年09月14日
  • マイケル・K

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    これほど読むのが苦しい本は久しぶりだった。それでもこの苦しさはいったい何なんだ。という思いが高まり続けて、高まったまま読み終わった。
    しかし最後まで読んでも全然、釈然としなくてまだ悶々としてしまう。
    ひとつだけはっきりしているのは、私は、小説を読むということを、あるいは生きるということそのものについて、狭く捉えすぎていたのではないか、前提を取り違えていたのではないか、と思い始めさせられたということ。

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    2019年06月15日
  • マイケル・K

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    身体的にも、家庭的にも、生きている地域としても恵まれてはいない主人公が、ごくあたりまえに自由な生活を目指す。難民キャンプでは毎日労働に出ていくのが当たり前とされているが、自分は働きたい時だけ働く、と。脱走。主人公の頭の中は特段変人とは思えず共感できるのだが、自由に暮らすために孤独を極めていく。

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    2018年09月25日
  • マイケル・K

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    ネタバレ

    本書が書かれた80年代の南アといえば、アパルトヘイト政策に対する非難による国際的な孤立と内戦という、国民にとっては大変厳しい時代だったのだろうと想像する。本書にも随所に戦争が色濃く表現されているけれども、主人公が直接戦争に関わっているという訳ではない。主人公は兵士でなく通常の市民だが、そこに描かれているのは主人公の闘いであり、主人公が求めているのはごく普通の自由なのだ。しかしどうしても自由を得ることができない主人公は衰弱していく。それでも、死ぬ自由さえ得ることができないのだ。このような主人公の姿が気高く、美しく感じられるのは何故なのだろうか。

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    2015年12月06日
  • 鉄の時代

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    ネタバレ

    南アフリカに住む母親が、アメリカにいる娘に宛てた手紙の形式で物語は進む。南アフリカの環境と娘が住む環境、自身の立場と、貧困にあえぐ人々の立場。その違いが彼女を苦しめもする。(彼女自身の病気もあるが)全体的に暗いトーンで、そのトーンからくすんだ彼女の気持ちや、南アフリカの抱えていた問題が感じ取れる。

    わたしの肉の肉、わたしの血の血(p93)など印象的なフレーズがいくつもあった。

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    2026年07月20日
  • 曇る眼鏡を拭きながら

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    斎藤真理子さん曰く「編集は世界を作ること、翻訳は世界を歩くこと」。他人の世界を丁寧に歩いてこられたお二人だからこそ、言葉の扱い方/拾い上げ方、お互いの書簡の読み取り方が、とんでもなく細やかで心地よい。

    「塩食いの会」「ヴィーヴァ!藤本和子ルネサンス、ヴィーヴァ!」などのパワーワードが頻出する、藤本和子とリチャード・ブローティガン(わたしは文字のタトゥーを入れるとしたら、『アメリカの鱒釣り』の一節にしようと思っているので)の話を筆頭に、各々が担当された作家やお二人の育児話など、読み応えがありすぎる。

    あと、わかってはいたけれど、読みたくなる本の話題がドカドカ出てきて、リストがパンクしそう。

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    2026年04月03日
  • アメリカーナ 下

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    下巻は、上巻に続いてオビンゼのイギリスでの不法移民としての暮らし、アメリカにいるイフェルメの黒人恋人との暮らし、イフェルメがナイジェリアに帰国したことに伴う出来事が続く。
    帰国後の一連の流れはグダグダしていてもう少し良い描き方がなかったのか、という気もしている。エンディングもちょっと唐突感があった。イフェルメがアメリカナイズされていたことはコミカルな感じがして面白かったが。
    小説の前半は大河ドラマ的な一代記、後半は女版村上春樹というかナヨナヨした展開が続いた印象。

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    2026年02月08日
  • アメリカーナ 上

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    アメリカに渡って13年経つイフェルメと、ナイジェリアに残った学生時代の恋人オビンゼ。出だしはイフェルメがアメリカの美容院で回想するところから始まり、ナイジェリア時代へ時を遡る。2人の馴れ初めからイフェルメのアメリカへの渡航、アメリカでの移民としての苦労と成功が様々な登場人物を交えながら、時にコミカルに時にシリアスに描かれている。
    アメリカにおける人種問題やアフリカからの移民の扱いなど、日本人には見えにくいことが執拗に描かれていて、その部分は新鮮だった。

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    2026年02月08日
  • なにかが首のまわりに

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    ナイジェリアの女性たちを主題にした短編集。表題と同じ短編では、完璧なアメリカ人の恋人(すごくいい人)とのちょっとしたやりとりに、「オレは君と君のバックグラウンドを理解しているしそんな君をそのまま受け入れてるよ」が透けて見えてしまい、違和感とかすかな苛立ちを覚えるあたりにとても共感。どんなに素晴らしい人でも、「わかってる」感を出した途端にちょっとムッとくるよね。彼だってまだ若くて未熟だし、今現在の彼の背景を考えれば、十分過ぎるほど寄り添ってくれてるのに、どうしてもひっかかってしまうのが切ない。全編に渡って、言語化できない思いや感情を、そのままの空気を吸い込むように感じさせる話運びが素晴らしい。最

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    2025年11月08日
  • なにかが首のまわりに

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    ナイジェリアの女性作家の短編集。様々な世代、立場のアフリカ人(イボ人)女性の心理、アメリカとアフリカの対比がわかりやすく描かれているので、現代アフリカ文学の入門としてオススメ。
    ストーリーの作り方がうまい。アフリカの人名に慣れていないせいで、出だしは入りにくいけれど、最後は「この先が読みたい」(しかし短編なので終わってしまう)と思う作品が多い。

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    2025年06月08日
  • なにかが首のまわりに

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    ナイジェリアで生まれ育った著者が、男女、民族、貧富、宗教など異なる世界を持つ人が交わるときに生まれるささやかな違和感を穏やかに描いた短編12編。


    自分たちの国を民族を文化をまったく理解していない人に人生の舵を取られる屈辱。『象牙製品のようにエキゾチックな戦利品のように品定めされる』感覚。傲慢な西欧化の波にさらわれる戸惑い。

    アフリカが辿ってきた歴史を思うととても同列に語ることなんてできないけれど、女性として、アジア人として、少し心当たりのある感覚でもあります。

    自分の中にある無知と傲慢について考える機会になりました。出会えてよかった本。
    「なにかが首のまわりに」
    チママンダ・ンゴズィ・

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    2025年01月21日
  • マイケル・K

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    クッツェーの作品は、いつも読後に何かが残る。
    長いわけでも、読みにくいわけでもないのに、読むのに時間がかかった。意味の理解できない一文で立ち止まったり、見たことのない南アフリカの砂漠の風景を思い浮かべたりしながら少しずつ進んだ。
    一人で野菜を育てながら、時間の感覚を失って段々と夢と現実が混ざり合っていくシーンが印象的だった。

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    2024年11月10日
  • なにかが首のまわりに

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    この感想を書いてるのは読んでから1年以上経ってからのことです。
    12の短編全てを思い出すことは出来ないので12タイトルは他の方の読書感想からコピペしてきた。
    おそらく多くの方のベストは「ジャンピングモンキーヒル」か表題の「なにかが首のまわりに」もしくは「震え」とかでしょうか。
    私も読んだ直後はそうだったかも知れない。でも思い出せない。
    今は「イミテーション」のあらすじだけが残ってる。
    不思議。

    セル・ワン
    イミテーション
    ひそかな経験
    ゴースト
    先週の月曜日に
    ジャンピング・モンキー・ヒル
    なにかが首のまわりに
    アメリカ大使館
    震え
    結婚の世話人
    明日は遠すぎて
    がんこな歴史家

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    2024年05月12日
  • アメリカーナ 下

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    ナイジェリアに住んでいるイフェメルとオビンゼの夢は、英米に留学すること。そんな二人は高校生時代からの恋人同士だが、イフェメルだけがアメリカに留学することになると二人の中にも溝ができて…。イフェメルはアメリカに留学してからというもの日々カルチャーショックに見舞われていく。その最大とも言えるのが、人種のるつぼとも言えるアメリカで自分が「黒人」であるということを発見していくことだった。やがてイフェメルは「非アメリカ系」黒人として、自分の思いをブログに綴っていく。オビンゼとの関係も断絶し、恋人もでき、順風満帆に見えた時、イフェメルは突然恋人を捨てナイジェリアに帰る決意をする。昔の恋人オビンゼに会うため

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    2024年04月12日
  • なにかが首のまわりに

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    読んでて私は、異邦人の女の人の話が好きだと思った
    国を出た、居場所がない、親しい男、家族になじめない等の、現在の自分のいる場所に違和感を持つ女たち。とても自立しているようで寂しい人。

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    2023年11月13日
  • なにかが首のまわりに

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    アフリカ関係の本は、滝田明日香さん以来。(そうえいばキリマンジャロ登山の本とバッタの本は読んだ!)
    滝田さんが繰り広げるエピソードは、私の知らない世界であり、わくわくしながら読んだことを覚えている。

    本書の、チママンダさんは、世界的に活動されている。
    本の評価が高いことは知っていたけれど、活動拠点はアフリカではなくアメリカ。来日もしていて、松たか子さんが朗読???
    なんとも驚くものがある。

    アフリカに私は行ったことなく、はっきり言って知らない世界である。
    それをいいことにアフリカのイメージが作られてきた感がある。
    それを証明するものが、FACTFULNESSのチンパンジーアンケートである。

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    2023年10月02日
  • パープル・ハイビスカス

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    「発掘王への道#5」はチママンダ・ンゴズィ・アディーチェの『パープル・ハイビスカス』です

    海外作品も発掘します
    王ってそういうことですから
    苦手分野ないのが王ですから

    まずは作者紹介から!
    訳者あとがきから抜粋!(一部省略)
    1977年生まれ。ナイジェリア南部のエヌグで、イボ人(ナイジェリアの民族の一つ)の両親の六人の子どもの五番目として生まれた。父親はナイジェリア初の統計学教授でナイジェリア大学の副学長を務めた人。
    ナイジェリア大学で薬学と医学を学び始めたが、十九歳で米国にわたり、コミュニケーション学と政治学を学び、その頃から作品を書き始めました
    本作は作者の第一長編で、ハーストン/ライ

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    2023年09月16日
  • なにかが首のまわりに

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    アメリカーナが面白かったので、こちらも読んでみた。
    一つ一つがとても短い話なのに、一話終わるたびに感じる余韻がすごい。本書で描かれている、ナイジェリアとアメリカの空気、それぞれの女性たちの感受性や生きる力などに触れ、視界が開けるように感じた。世界は広い。

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    2023年04月02日
  • パープル・ハイビスカス

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    ナイジェリア南部の町エヌグの大きな屋敷に住む、15歳の少女・カンビリ視点で描かれる物語。
    物語、と読んでいいのか悩むほどに生々しい部分もある。
    身一つで会社を起こし、世間では敬われているカンビリの父は、敬虔すぎるまでのカトリック教徒であり、腐敗したナイジェリア政権を批判し立て直すべく、政権批判の新聞社にも多大な協力をする人だ。
    しかし尊敬される反面、過度に偏った思想と信仰心を持つ父親は、カンビリやカンビリの兄ジャジャには常に学校で一番でいることや、敬虔なカトリック教徒であることを強要し、家族が罪を犯したと認識した時には母親や子どもたちに酷い暴力と暴言を何度も何度も振るった。
    異教徒である実の父

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    2022年10月02日