J・M・クッツェーの作品一覧

「J・M・クッツェー」の「その国の奥で」「鉄の時代」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • その国の奥で
    3.0
    1巻3,190円 (税込)
    20世紀初めの南アフリカ。人里離れた農場に暮らす孤独な娘と、若い黒人女を得た父の葛藤を激しく暴力的に描く傑作。植民地社会の矛盾とディスコミュニケーション。映画化。新訳決定版。 欲望、堕落、幻想を見極めようとする力作──オブザーバー紙 めくるめく緊迫感が最後までゆるまない筆致──デイリーテレグラフ紙 植民地支配の歴史を生きた者たちの、人種と性をめぐる抑圧と懊悩を、 ノーベル賞作家が鮮烈に描いた、濃密な、狂気の物語。 語りと思考のリズムを生かした新訳決定版!!! 「父さん、許して、そんなつもりじゃなかった、 愛してる、だからやったの」 20世紀初頭の南アフリカ。異人種間の結婚や性交が禁じられていた時代。白人と褐色の肌の人々が生きる隔絶された空間で事態は推移する。石と太陽で造られた屋敷の仄暗い廊下では、昼も夜も時計が時を刻む。孤独で不美人な未婚の娘マグダ、農場を支配する厳格な父、使用人ヘンドリックと美しく幼い花嫁、不在の兄。肩の上に一気に手斧が振りあげられ、ライフル銃の薬莢が足元で音を立てる。やがて屋敷の秩序は失われ、暴力と欲望が結びつく……。ノーベル賞作家が、検閲の網をかいくぐり、植民地社会の歴史と制度への批判をこめて織りあげた幻視的長篇。新訳決定版!!!
  • 鉄の時代
    4.5
    1巻1,320円 (税込)
    反アパルトヘイトの嵐が吹き荒れる南アフリカ。末期ガンの70歳の女性カレンは、庭先に住み着いたホームレスの男と心を通わせていく。差別、暴力、遠方の娘への愛。ノーベル賞作家が描く苛酷な現実。

ユーザーレビュー

  • 鉄の時代

    Posted by ブクログ

    アパルトヘイト末期の南ア。末期ガンの70歳女性が娘に綴る手紙。恥や真実のない鉄の時代で幻の絆の為に死ぬ子どもたちを救えぬ絶望、娘に会えない孤独感。刺さることばに漂う内に迎える最後の場面。鉄の時代の足音が聞こえる現代に読むべき傑作

    0
    2025年09月05日
  • 鉄の時代

    Posted by ブクログ

    アパルトヘイト時代の南アフリカを舞台にしているから、アパルトヘイトの実態を告発し批判する意図ももちろんあるのだろうが、それだけにとどまらず、受け入れられない状況の中でいかに生きるのか、いかに引き裂かれるのか、について問うているのだと思う。なぜ、ガンを告げられ余命いくばくもない主人公が祖国を捨てた娘に残した手紙は、主人公の家に住み着いたホームレスであるファーカイルに託されるのだろうか。新しい世代から拒絶される旧世代の過ち、恥をファーカイルに託しているようにも思う。

    0
    2021年10月17日
  • その国の奥で

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    クッツェーの第2作目で、若い時の作品とのこと。
    現実と妄想が混じり合って、何が現実に起こったことなのかわからないまま進んでいく。父親の死以降はストーリーがはっきりする気もするけど、それも本当なのかどうかわからない。奴隷にレイプされながら、愛されるために必死になる主人公が痛々しい。

    訳者の解説もピンとこなかった。アフリカの農場の風景が具体的に想像できないせいか、「自然を描く筆遣いに…荒削りな詩情が感じられる」が私にはよくわからないのと、作品の背景にある言語の多様性みたいなものが、全部日本語なので感じとりにくいのが残念。

    次はもっと後期の作品を読んでみたいかな。

    0
    2025年05月12日
  • その国の奥で

    Posted by ブクログ

    南アフリカの牧歌的な感じのスタート
    から 父親 若い妻 肌の色などの描写 そして手斧による殺人の描写
    カラードやアパルトヘイトを思い出させた 
    衝撃的な表現と文章の繋がりが不明で
    思わずあとがきを読んだ

    なるほどクッツェーの妄想作品
    そこを読んだら落ちついてきて
    つながりのあるような無いような
    センテンスも何とか読めた

    支配者として君臨する父親
    母親は早く亡くなり うまく話が出来ない娘 帰らない兄
    荒涼とした牧場での孤独な暮らし
    なんとも言えない作品
    狂気か  読むのが辛かった

    0
    2025年03月14日

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