その国の奥で

その国の奥で

20世紀初めの南アフリカ。人里離れた農場に暮らす孤独な娘と、若い黒人女を得た父の葛藤を激しく暴力的に描く傑作。植民地社会の矛盾とディスコミュニケーション。映画化。新訳決定版。

欲望、堕落、幻想を見極めようとする力作──オブザーバー紙
めくるめく緊迫感が最後までゆるまない筆致──デイリーテレグラフ紙

植民地支配の歴史を生きた者たちの、人種と性をめぐる抑圧と懊悩を、
ノーベル賞作家が鮮烈に描いた、濃密な、狂気の物語。
語りと思考のリズムを生かした新訳決定版!!!

「父さん、許して、そんなつもりじゃなかった、
愛してる、だからやったの」
20世紀初頭の南アフリカ。異人種間の結婚や性交が禁じられていた時代。白人と褐色の肌の人々が生きる隔絶された空間で事態は推移する。石と太陽で造られた屋敷の仄暗い廊下では、昼も夜も時計が時を刻む。孤独で不美人な未婚の娘マグダ、農場を支配する厳格な父、使用人ヘンドリックと美しく幼い花嫁、不在の兄。肩の上に一気に手斧が振りあげられ、ライフル銃の薬莢が足元で音を立てる。やがて屋敷の秩序は失われ、暴力と欲望が結びつく……。ノーベル賞作家が、検閲の網をかいくぐり、植民地社会の歴史と制度への批判をこめて織りあげた幻視的長篇。新訳決定版!!!

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その国の奥で のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    南アフリカの牧歌的な感じのスタート
    から 父親 若い妻 肌の色などの描写 そして手斧による殺人の描写
    カラードやアパルトヘイトを思い出させた 
    衝撃的な表現と文章の繋がりが不明で
    思わずあとがきを読んだ

    なるほどクッツェーの妄想作品
    そこを読んだら落ちついてきて
    つながりのあるような無いような

    0
    2025年03月14日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    クッツェーの第2作目で、若い時の作品とのこと。
    現実と妄想が混じり合って、何が現実に起こったことなのかわからないまま進んでいく。父親の死以降はストーリーがはっきりする気もするけど、それも本当なのかどうかわからない。奴隷にレイプされながら、愛されるために必死になる主人公が痛々しい。

    訳者の解説もピン

    0
    2025年05月12日

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