火事屋のレビュー一覧
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無料版購入済み
雰囲気ある漫画
現実には存在しない、珍しい動物や植物がたくさん出てきます。医療とは何か、どうあるべきか、という話も出てきて、考えさせられます。ファンタジー好きな人は好きだと思います。
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Posted by ブクログ
この巻で完結ですか。自分としては消化不良な部分があったので、もう少し続けて欲しい気持ちがあったのだけど……
「東から来る何か」、そしてタッツェルヴルムと併せてそもそも幻獣とは何か、そして幻獣と人間の関係性とは何か、そういった考察が中心となって描かれているね
幻獣の正体については序盤から言及されていた部分ではあるのだけど、突き詰めていく事で魔術の時代から科学の時代へと移り変わっていく転換期なのだと改めて思い知らされる内容になっている
タッツェルヴルムは前巻の時点で見る者によって姿が変わる幻獣と紹介されていたけど、本作ではその理由を上手く料理しているね
タッツェルヴルムによる高山病を酸欠だと理解しているニコ、それを毒だと理解していたツィスカ。
自然現象が姿を変えたものが幻獣であるならば、自然現象への理解が深まれば幻獣が生きる隙はなくなっていく。ニコが知識によってタッツェルヴルムの毒が効かず、知識を身に着けたアニがタッツェルヴルムと接することが出来たように
幻獣を診療するツィスカ達は治療のために幻獣を理解する必要があるけれど、理解を深めれば深めるほど幻獣が生きる隙を無くしてしまうというのは皮肉な話
そういった人の理解が幻獣の有り様に影響するという現象を端的に現していたのが今回登場した「東から来る何か」となったわけだね
理解が及ばぬモノへの恐怖が「化け物」を作り出してしまう。人間の理解が幻獣に影響を及ぼし過ぎてしまう
けれど、ツィスカが幻獣を助けるためにはやっぱり幻獣を理解しなければいけないんだよね
まるで探偵のように「何か」への理解を深めようとするツィスカ。これはツィスカが科学と魔術の境目の時代にいるからこそ出来る行為。そして理解の先に「何か」を病気を取り除く方法が存在していたわけで
「東から来る何か」という驚異に対して医療従事者としての対処を全うしたその姿は、時代が変わり幻獣が生きる隙が減ろうと変わらぬ診療をし続けるのだろうと思えるものだったね -
Posted by ブクログ
私の中でストーカー疑惑が深まりつつあったヨハネスだけど、その正体が意外なほど尊い立場であったことに驚き
本作って多数の幻獣生物が登場してきたけど、『彼ら』もきちんと存在しているんだね……
そんな存在に目をつけられ、試練のようなものを与えられたツィスカの来歴も気になってしまうけど
手負いのグライフの前まで連れてきてツィスカの行動を見極めようとしたヨハネスが投げ掛ける幾つもの問い
グライフは馬を襲い人を襲った。人間を中心に物事を考えるならば、このような存在は駆除しなければならない
だというのに、グライフがこれまでにした暴力もこれからする暴力も無視して治療を優先したツィスカ。
もしかしたらそれは思考停止の判断かもしれないけれど、医療従事者として絶対的に譲ってはいけない信念は守った判断
どうやらこの判断はヨハネスにとって合格ラインを超えていたようで。だとしても、試しの意味合いが強かったとはいえ、騙すようにして雪山までツィスカを連れて行くなんてやっぱりヨハネスはあんまり信用できそうにないなぁ(笑)
おまけにその後はニコの診療所に入り浸っているようだし、この珍妙なる隣人はこれにてレギュラー入りですか
一方でヨハネスの加入は幻獣診療に面白い方向性を持ち込んでいるね
ニコは医療科学を、ツィスカは医療魔術を用いて診療にあたってきた。ここに直感的に幻獣の生態を理解するヨハネスが加わったことで正体不明な幻獣であっても、彼らへの理解を深めていくことで診療するというスタンスが可能になったようだね
それにしても、オムレツが好みの幻獣とか初めて聞いたなぁ
迫りつつあるという東の方から来る何か
通常であれば驚異として扱うそれ。けれど、本作の場合は医療的側面からそれに対処することになるのかな? -
Posted by ブクログ
魔術が仕えるツィスカと医療技術を持つニコ
二人はいわば相棒のような間柄なのだけれど、かといって相棒モノにありがちな衝突ばかりとか凸凹コンビという訳ではなくて、もっと単純に得意分野が似ているけれど異なるというタイプ
それにより互いの目指す医療の形に理解が有るし、治療現場では非常に息の合った連携を見せる
特に第6録においてツィスカが魔術的側面からではなく、ケルピーをよく観察して医療従事者としてすべき事を躊躇しなかったシーンは良いなぁ。
現場を見てすぐに「良い判断だよ」と褒めたニコの様子からも二人の信頼を存分に感じられた
そしてこの巻のメインと言えるのは第9録から始まるニコの過去に纏わる一連のエピソード
彼は魔術について知識を持ちつつも魔術を使えない。また科学の時代へと移り変わっていくと知りつつも魔術の尊さにも気付いている
魔術と科学に対して非常に微妙なバランスの感覚を持ちっている点が不思議な在り方をしていたのだけど、このエピソードを見て彼の人となりが随分見えてきた気がする
科学では救い方が存在しないライ麦狼。幼少の頃は無力で無知であったために救えなかったと考えていた彼は獣医となり多くの知識を身に付けた。だというのに彼の力ではライ麦狼を畑から出せないとは……。
知識だけでは幻獣を救えない。ニコには嫌というほど現実が突きつけられる。このエピソードほど彼が科学の側に立つ人間なのだと感じさせる描写はなかったよ
だからあの状況でライ麦狼を救うためにはそれこそ奇跡の力が必要なわけで
変わりゆく時代に翻弄されるツィスカには魔術は使えても精霊の在り方をひっくり返すような奇跡は起こせないと思われた。こちらもある意味現実を突きつけられている
でも、ツィスカは突き付けられた分だけ自分の力とは何かを見つめ直すことが出来た
ニコはツィスカが知らない知識を多く持ち医療技術も高い。一方でツィスカはニコが使えない魔術を行使できる。二人はぶつかり合うのではなく、足りないものを補い合う相棒
まだまだ医療助手の立場のツィスカだけど、ニコに出来ない部分を突き詰めていけば科学では助けられない命を助けることだって出来るのだろうね
出来ることが異なる二人の関係とはどういうものか、とても判りやすくそして感動的なエピソードに仕上がっていたね -
Posted by ブクログ
(01)謎の男ヨハネスの正体がわかる。前々巻で彼と思われる人物と話してた人物の正体も。
(02)人間にとって危険性が高く結局殺すことになるかもしれない幻獣を救う必要があるか?
(03)もっと強力な何ものかが近づいてきているのかもしれない?
■ツィスカとニコについての簡単な単語集
【アイゼンフート】薬草。ヴァイデより強い鎮痛効果を持つ。錯乱や呼吸異常をもたらすこともある。
【アイトワラス】雄鶏が産んだ? オムレツ好き。
【アニ】カミルの弟子。俺っ娘。十六歳。
【アルラウネ】薬草。モルヒネやエーテルが出てきて用途は減った。葉っぱの生えたモグラとか動物の姿をした幻獣のアルラウネもいる。
【医師】先生《だが、お前は自分の力を過信し 他人に相談するという大事な選択肢を自分で捨てた 命が一つかかっているのに、だ 医者として、絶対にしてはいけないことだ わかるか》第一巻p.36
【ヴァイデ】薬草。鎮痛効果を持つ。
【ヴォルパーティンガー】翼のある兎のような幻獣。肉食で凶暴。
【エリーザ】カーバンクルのシャッツを飼っている娘。
【ガーゴイル】銅の像に魂が宿った幻獣。酸性雨のせいで不調。
【カーバンクル】額に宝石っぽい石がついている小型の幻獣。
【科学技術】現象が、それを扱う者の能力に依存しない固定されたものとして現れるようになること。幻獣はファンタジー世界の生物に過ぎなくなります一般の人には見えなくなっている。
【カミル】先生いわくガラクタ屋。
【グライフ】幻獣。鷲の頭部と翼に獅子の胴体。好物は馬。
【幻獣】超自然的な存在で人間の科学技術とは相性が悪い。その傷を治すためにはファンタジー的な何かが必要。
【サラマンダー】カミルが手に入れたが弱っていた幻獣。両生類の一種かもしれない。
【シャッツ】エリーザの飼っているカーバンクル。
【先生】獣医。カミルはニコと呼んでいた。科学技術により医療を施す人物だがいまだ幻獣を見ることもできる。
【ツィスカ】魔術師の血を引く少女。十三歳。魔女の薬を作ることができるが能力は弱まっている。
【胴の長い猫】アニが出会った。ネーミング的には『魔法陣グルグル』。本当はタッツェルヴルム(意味は足のある虫)。毒を持つ。
【ニコ】→先生
【化け物】ヨハネス《人間はさ 得体の知れない何かを感じた時 すぐに〝化け物〟って云うんだ でもそれって、呪いの言葉だよね》第4巻p.20
【バルドリアン】僕らの世界のマタタビっぽい効果がある。キャットニップより強力。
【プーク】小さな、羽のあるトカゲみたいな幻獣。どの話にも一匹ずつ隠れているらしい。縁起がいいらしい。
【ホレ】ホレばあさん。ライ麦畑を護り綿毛で雪を降らす精霊。ライ麦狼は眷属なので大事にしてくれたニコには好意的。ヨハネス絡みの事件で助けてくれた。麦畑、狼ときたら『狼と香辛料』のホロ様を想起するがオマージュとかそうのかどうかは不明。麦畑を護るホレ婆さんの伝説自体はドイツあたりにあるらしくグリム兄弟あたりが採取してるようだが。
【ミア】ダミアンさんの猫。お得意様。
【ヨハネス】怪しい男。ツィスカに興味あり? 正体はリューベツァール(カブ数えという意味らしい)、山神。山と嵐と薬草の神様。正体のイメージ的には『魔法使いの嫁』のエリアスの激昂バージョンみたいな?
【リンドリウム】竜の仔。流星の幻獣。物語スタート時登場の最初の患者。ツィスカが見つけた。人間の狩りに巻き込まれたのか銃創があり弱っていた。
【ライ麦狼】六本足の狼。ライ麦畑から出られない。 -
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導入部
1話目はほんとに導入部で、
タイトル通り子育てが始まるのかなというところまででした。
主人公のドラゴンは結構人間のことを知っているようです。どのようなギャップを感じながら子育てすることになるのでしょうか。 -
Posted by ブクログ
2巻ラストで意味深に登場した謎の男性が遂にツィスカに接触!……なのだけれど、この巻だけで3回も接触しておまけに遠方に連れ去るものだからストーカーか何かかな?と見えかねない状況に
というかよくよく読み直せばツィスカが寝てる時に侵入までやらかしてるのか。これは相当ヤバいタイプですね……
さておき本編は前巻で科学と魔術が曖昧に交わる話がニコの過去話を以て一区切りついた事もあってか、この巻は落ち着いた印象を受ける話が多かったような
第12、13録
幻獣や魔術が存在する世界だけど、幽霊となると別枠なのか
ガーゴイルが幽霊と見間違われたのは暗い屋敷を飛び回っていたからというのも有るけれど、それ以上にその屋敷に人の気配が無かったというのが大きな理由なのだろうな
建物の守護者たるガーゴイルが幽霊と見間違われるほどに荒廃した屋敷。それを孤独に守り続ける姿には寂しさを感じてしまうし、だからこそ緑青と屋根を与え、更には時々遊びに来るようになったツィスカ達の優しさから来る温かさを感じられるエピソードだった
第14、15録
翼のように見える皮膚を持つ猫。この導入を見た時はてっきり以前のようにツィスカの手に拠って幻獣生物にすることで治療とするのかと思っていたけど……。いやはや、予想外の展開になりましたね
ニコとツィスカは皮膚無力症の猫に対して懸命に科学的な治療を施している。一応、美容の魔術なんてものを用いてはいるが今回の二人のアプローチはどちらかといえば科学寄り
対してヨハネスはひっそりと家に忍び込んだ行為やその用いた魔術が正体不明である点などはかなり幻想寄りなアプローチ
彼が言い放った「願い」という言葉。それを思うとどうやらヨハネスは魔術の使い手の中でもかなり魔術的要素の強い人物なのだろうか?
人を襲うグライフの元までツィスカを連れてきたヨハネス。彼の狙いは何なのだろうね?
彼に拠ってツィスカはこれまでとは違う幻獣の姿を見ることになるのか、それとも医療従事者としての信念に従ってこれまで通りグライフを助けようとするのか、どちらだろう?