あらすじ
忘れ去られし≪古きものども≫。その名は──…。時代の交差点で紡がれる、少女と先生の幻獣医療譚。
※重複していた文章を削除しました。最後の「魔術師」の血筋である少女・ツィスカは獣医師見習い。獣医師・ニコに師事している中、とある往診を依頼される。それは吹雪く雪山の中、人間をも襲う化け物…。「巨大な何か」に傷つけられた手負いのグライフの治療だった。善も悪もない。ただ目の前に在る命を救うためだけに──…。これは消えゆく幻獣たちと、それを救う、少女と先生の物語。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
私の中でストーカー疑惑が深まりつつあったヨハネスだけど、その正体が意外なほど尊い立場であったことに驚き
本作って多数の幻獣生物が登場してきたけど、『彼ら』もきちんと存在しているんだね……
そんな存在に目をつけられ、試練のようなものを与えられたツィスカの来歴も気になってしまうけど
手負いのグライフの前まで連れてきてツィスカの行動を見極めようとしたヨハネスが投げ掛ける幾つもの問い
グライフは馬を襲い人を襲った。人間を中心に物事を考えるならば、このような存在は駆除しなければならない
だというのに、グライフがこれまでにした暴力もこれからする暴力も無視して治療を優先したツィスカ。
もしかしたらそれは思考停止の判断かもしれないけれど、医療従事者として絶対的に譲ってはいけない信念は守った判断
どうやらこの判断はヨハネスにとって合格ラインを超えていたようで。だとしても、試しの意味合いが強かったとはいえ、騙すようにして雪山までツィスカを連れて行くなんてやっぱりヨハネスはあんまり信用できそうにないなぁ(笑)
おまけにその後はニコの診療所に入り浸っているようだし、この珍妙なる隣人はこれにてレギュラー入りですか
一方でヨハネスの加入は幻獣診療に面白い方向性を持ち込んでいるね
ニコは医療科学を、ツィスカは医療魔術を用いて診療にあたってきた。ここに直感的に幻獣の生態を理解するヨハネスが加わったことで正体不明な幻獣であっても、彼らへの理解を深めていくことで診療するというスタンスが可能になったようだね
それにしても、オムレツが好みの幻獣とか初めて聞いたなぁ
迫りつつあるという東の方から来る何か
通常であれば驚異として扱うそれ。けれど、本作の場合は医療的側面からそれに対処することになるのかな?
Posted by ブクログ
(01)謎の男ヨハネスの正体がわかる。前々巻で彼と思われる人物と話してた人物の正体も。
(02)人間にとって危険性が高く結局殺すことになるかもしれない幻獣を救う必要があるか?
(03)もっと強力な何ものかが近づいてきているのかもしれない?
■ツィスカとニコについての簡単な単語集
【アイゼンフート】薬草。ヴァイデより強い鎮痛効果を持つ。錯乱や呼吸異常をもたらすこともある。
【アイトワラス】雄鶏が産んだ? オムレツ好き。
【アニ】カミルの弟子。俺っ娘。十六歳。
【アルラウネ】薬草。モルヒネやエーテルが出てきて用途は減った。葉っぱの生えたモグラとか動物の姿をした幻獣のアルラウネもいる。
【医師】先生《だが、お前は自分の力を過信し 他人に相談するという大事な選択肢を自分で捨てた 命が一つかかっているのに、だ 医者として、絶対にしてはいけないことだ わかるか》第一巻p.36
【ヴァイデ】薬草。鎮痛効果を持つ。
【ヴォルパーティンガー】翼のある兎のような幻獣。肉食で凶暴。
【エリーザ】カーバンクルのシャッツを飼っている娘。
【ガーゴイル】銅の像に魂が宿った幻獣。酸性雨のせいで不調。
【カーバンクル】額に宝石っぽい石がついている小型の幻獣。
【科学技術】現象が、それを扱う者の能力に依存しない固定されたものとして現れるようになること。幻獣はファンタジー世界の生物に過ぎなくなります一般の人には見えなくなっている。
【カミル】先生いわくガラクタ屋。
【グライフ】幻獣。鷲の頭部と翼に獅子の胴体。好物は馬。
【幻獣】超自然的な存在で人間の科学技術とは相性が悪い。その傷を治すためにはファンタジー的な何かが必要。
【サラマンダー】カミルが手に入れたが弱っていた幻獣。両生類の一種かもしれない。
【シャッツ】エリーザの飼っているカーバンクル。
【先生】獣医。カミルはニコと呼んでいた。科学技術により医療を施す人物だがいまだ幻獣を見ることもできる。
【ツィスカ】魔術師の血を引く少女。十三歳。魔女の薬を作ることができるが能力は弱まっている。
【胴の長い猫】アニが出会った。ネーミング的には『魔法陣グルグル』。本当はタッツェルヴルム(意味は足のある虫)。毒を持つ。
【ニコ】→先生
【化け物】ヨハネス《人間はさ 得体の知れない何かを感じた時 すぐに〝化け物〟って云うんだ でもそれって、呪いの言葉だよね》第4巻p.20
【バルドリアン】僕らの世界のマタタビっぽい効果がある。キャットニップより強力。
【プーク】小さな、羽のあるトカゲみたいな幻獣。どの話にも一匹ずつ隠れているらしい。縁起がいいらしい。
【ホレ】ホレばあさん。ライ麦畑を護り綿毛で雪を降らす精霊。ライ麦狼は眷属なので大事にしてくれたニコには好意的。ヨハネス絡みの事件で助けてくれた。麦畑、狼ときたら『狼と香辛料』のホロ様を想起するがオマージュとかそうのかどうかは不明。麦畑を護るホレ婆さんの伝説自体はドイツあたりにあるらしくグリム兄弟あたりが採取してるようだが。
【ミア】ダミアンさんの猫。お得意様。
【ヨハネス】怪しい男。ツィスカに興味あり? 正体はリューベツァール(カブ数えという意味らしい)、山神。山と嵐と薬草の神様。正体のイメージ的には『魔法使いの嫁』のエリアスの激昂バージョンみたいな?
【リンドリウム】竜の仔。流星の幻獣。物語スタート時登場の最初の患者。ツィスカが見つけた。人間の狩りに巻き込まれたのか銃創があり弱っていた。
【ライ麦狼】六本足の狼。ライ麦畑から出られない。