藤澤志穂子のレビュー一覧
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地方の駅を中心に「ご当地駅メロディー」に詰まったエピソードや歴史、人々の思いを詳細に取材・レポしている。
この手の本は、音鉄さん(駅メロ好き)の方が書かれることが多いのだが、この本は街作りや地域活性という面を主軸に描いており、鉄道に関心が無い人にこそ読んで欲しい1冊だ。
有名なアーティストや作詞・曲家などの地元への思い、町おこしに一役買いたいといった熱意に触れることができ、胸が熱くなった。
コロナ禍で少しご当地メロディの採用も下火になっていた。ただ、最近、清瀬駅での中森明菜氏の楽曲の採用といった街作りでの活用、池袋駅のビックカメラなど新しい広告としての活用も見られる。駅メロ文化のさらなる発展と、「駅メロものがたり」の続編も期待だ。 -
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最近再評価されるマンガ家。秋田県の山村に生まれ地方銀行員から上京しマンガ家に。故郷への思いとマンガの地位向上や原画の保管に捧げた人生。
リアルタイムで存在は知っていたマンガ家であるが、最近初めて読み始めた作家。ヤマケイ文庫で再販され売上げも好調なようだ。
代表作「釣りキチ三平」で知られるように、自然と人との戦いや共存を主に主題とした数々の作品。
自分は完全に都会育ち、だが両親は田舎からの上京組。田舎暮らしの経験がなくとも矢口高雄作品にはどこかノスタルジックなものを感じる。縄文の時代から日本人の遺伝子に組み込まれた何かが私の中にも存在しているのかもしれない。
本評伝は何年にもわたり、本人に取材を重ねている。残念ながらギリギリ間に合わず出版直前に本人は亡くなる。だが関係者への取材も含め本書のようなカタチで一人のマンガ家の生涯が残ったことは素晴らしいことであろう。
本書を機に他の矢口高雄作品にもっともっと触れてみたいと思う。
地道な取材を重ねた末の質の高い評伝でした。 -
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駅メロとは、列車の発着時に流れる曲のことである。わが町の新幹線の駅でも流されている。駅で発車ベル等が流されるのは日本だけらしい。
本書によると駅メロは、仙台駅で流されたさとう宗幸の「青葉城恋歌」が始まりとのこと。当時はJRになる前の国鉄の時代で、この曲のヒットのきっかけとなったのが仙台駅の駅メロだった。そして、仙台のご当地ソングとなる。
駅メロに採用されるのは、歌手や作者が当地の出身といった縁のある曲が採用されている。町おこしとか地域おこしが目的となることが多いから当然だろう。
本書においては、駅メロの由来や採用を働きかけた人々だけでなく、その曲の歌手や作者にも丁寧に取材している。ここは嬉しいところだ。 -
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ネタバレ矢口高雄氏逝去後すぐにタイムリーに刊行されたジャーナリストによるドキュメンタリーだが、取材期間は5年以上と長く付け焼刃的な内容ではなく濃くしっかりとした評伝だった。
もともと私は「マタギ」のファンで1970年代に購入してからずっと大切に今も愛読書として持っている。
矢口氏逝去後、「僕の蛍雪時代」「奥の細道」ほか「ボクの先生は山と川」など自伝エッセイや自伝漫画をいくつか読ませてもらった。
時代と境遇と自分の人生にまっすぐに向き合った人だったという印象。子供時代は貧しい農家で自然と農業と向き合い、学生生活は遠路を通学しながらクラブ活動に勉学にいそしみ、銀行員になってからは行員として一生懸命働き、転じてからも漫画家として精進しつづけ、漫画文化の保存発展にも最後まで尽くした。ひとつひとつの人生を一生懸命に丁寧に生きてきたひとだからこそ次の人生の転機にステップアップできたのだと思う。一本筋の通った人生を歩まれた方。
自分の人生と照らしてみて、自分はその時その時を真剣に生きてきただろうかと反芻すると矢口氏ほど真剣に生きてはこなかった気がする。自分の人生はあきらめることが多すぎた気が。
どの漫画家さんに言わせても「自然描写が素晴らしい」。
私も同感だ。秋田の田舎で自然と対峙しながら生きてきたひとでなければ描けない自然がそこにあり都会生まれ都会育ちの私ではとうてい描けない世界が矢口高雄作品の魅力の源泉だと思う。
ガロの長井さんに「絵がヘタ」と言われたのは意外。基本的に絵がうまい人だと思うのだが?
気づいたときは少年マガジンで「釣りキチ三平」を描かれていたのでガロ出身の漫画家さんとは知らず。でも「マタギ」は確かにガロ的かも。
この方の人生のキーマンとしてお母様(アバ)と奥様の存在が大きい。奥様の語る矢口高雄伝も読みたいものだ。どこかの出版社さん企画してくれないかな?
満足度★★★★ -
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電車の発車時にかかるメロディ。これは日本独自のものらしい。駅にゆかりがあったり、「ご当地ソング」的に取り入れたり、古い名曲もあればここ数年の人気曲まで様々。それらの曲が採用された経緯を取材した本。
採用に至るまでは、駅長の果たす役割はかなり大きい。駅長の想いの強さから粘り強く交渉を続けた例が多い。また、地元を盛り上げようという運動から選ばれた曲もある。いずれの例も、原曲の作者と駅や地元の人達の熱量の高さが伺える。
普段電車を使っている時には「移動中」でしかなく、つい何となく聞き流してしまっている。でも駅メロ聴きたさにその駅を訪れる人もいる。たまにはゆっくりと移動自体を楽しんで、駅メロに耳を傾けてみたい。 -
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日本各地の「駅メロ」。
どんな経緯で設定されたのかをさぐった本だった。
駅メロといえば、向谷実さんを思い出すのだが…
向谷さんのラジオ番組のように、どういう曲を選ぶか、どういうアレンジをするかといったことに触れているかと思ったのだが、本書はそういう方向ではない。
また、扱われるのは駅メロ専用に作曲された曲ではなく、それ以前から有名な曲。
筆者は元産経新聞の記者さん。
土地のゆかりの音楽家、楽曲をその土地の文化資産として、どう町おこしに生かしているかということが中心になっている。
また、音楽家自身や、駅メロ実現に向けて尽力した人たちの逸話もたくさん紹介されていた。
たとえば、呉駅の駅メロ、宇宙戦艦ヤマトの章。
作曲した宮川泰の当時の状況を、息子で作曲家の彬良に取材する。
大人の鑑賞に堪えるアニメをと、製作者の熱量が高かったのだが、なんと裏番組が「アルプスの少女ハイジ」。
このため、途中で打ち切りになったとか。
宮川家でも、家のテレビは彬良さん妹が見るハイジが映っていたそうだ。
たしかに、こういうエピソードは、さすが手数をかけて取材した記者さんならではのものだと思った。 -
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眞子さんの結婚騒動に対し、こういった種類の人たちがどのように考えているのか興味を持って読んだが、はじめに書いてある「学習院の魅力が広く知られることを期待」のとおり、いかに学習院がステキか、という内容がメインの印象を受けた。特に、美智子様や雅子様は皇后であっても同窓会には入れない、などと書いてあったが、おふた方はおふた方自身の卒業校に誇りを持っていて学んでもない学校の同窓会に入りたいなど夢にも思わないのでは??と、ちょっと感覚が違うんだなという印象を受けた。素晴らしい学校、環境に素晴らしい卒業生たち!という自負をお持ちなのは素晴らしいけれど、こういうのは同窓会の中でやられては、、などと感じてしまった。学習院がダントツの一番、という感じに反発心が働いたからなのかもしれない。とはいえ、歴史や女性活躍に興味がある私としては、教科書には載っていない生の感想などが読めてその点はおもしろかった。
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矢口先生のインタビュー本。
前半は先生に聞いた話などもあるが、後半以降矢口先生の著書紹介や、関係者の名前の羅列で終わることが多く、昭和三部作を読んでいればあまり真新しいことはないなと感じた。
唯一の例外が、増田まんが美術館についてで、自分の名前を冠すると没後に廃れる、漫画は海外に通じる美術品に相当する、原画保存のための電子化、など先生の思いが強く出ていて、ページが結構割かれていた。
安定した人生を捨ててまんが家になった人なので、目標や論点がハッキリしているが、先生自身の著書がかなりわかりやすいので、それらを読み終わってからでよかったかなーと思った。