大野裕之のレビュー一覧
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エンタメ界に2つの巨星。ディズニーとチャップリン。
この2人の関係性は、想像以上に濃く、そしてドラマチックだった。
全世界で知らない人はほとんどいないだろうという放浪紳士チャーリーとミッキーマウス。
まさか、ミッキーマウスが目指していたものがチャーリーだったとは。
ディズニーの伝記も読んだけど、そこにはそこまでチャップリンに対する事は書かれていなかった気がする。
ディズニーが著作権については恐ろしいほど厳しい、というのは様々な都市伝説とともに一般の人でも知っている。まさかその根源がチャップリンだったとは。
「著作権は絶対に渡しちゃダメだ」という教えを守ったからこそ、今のディズニーがある。
そ -
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“私は独裁者たちの人生についての喜劇映画を作る。それが、世界中にとても健康的な笑いを生み出すだろうことを望んでいる。”(p.125)チャールズ・チャップリン
わずか4日違いで生まれた、喜劇王チャップリンと独裁者ヒトラー。一見全く違う2人にはある共通点があった。特徴的なちょび髭と、メディアを自在に操る天才的な力である。
チャップリンは全体主義の危険性を、それが形成されつつある初期の段階から見抜いていた。全体主義化に警鐘を鳴らすべく製作に取り掛かった『独裁者』だが、
反ナチス、反ファシズムを題材にした映画の製作に対し、ドイツの同盟国をはじめ多くの国から反対の声が上がる。
そのような状況で自ら -
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大変面白かった!
今年読んで良かった本ベスト5に入りそう
チャップリンと言えば、言わずとしれた喜劇役者。
でも自分はそれ以上のことを知らない…
この本を読めば、彼がどんな人物だったのか、本当によく分かる
チャップリンというのは単なる喜劇役者ではなかった。
それはあくまで一つの顔。
彼は映画会社を設立し、黒字経営を果たし続けた。
EUの共通通貨に関する提言を、論文という形で表した。
ユダヤ人なのかと問われ、それを答えること自体がナチスの術中にハマっていると答えた。
彼は優れたビジネスマンであり、経済論者であり、人権家だった。
それに、一つ一つのエピソードがとにかくすごい。
75歳で自 -
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20世紀のエンターテインメントを代表する巨匠二人には実は親交があった。二人のエンタメビジネスを振り返る、チャップリン研究の第一人者の作品。
俳優を目指しチャップリンに憧れたウォルト・ディズニー。アニメ映画界で名を挙げ初めてチャップリンと話した時のチャップリンの助言。
「自分の作品の著作権は他人の手に渡しちゃだめだ」
都市伝説になるぐらいディズニーの著作権への執着は知られているが、その原点がチャップリンにあったとは。
パントマイムの喜劇とアニメの共通点に気づきトーキー映画、ミュージカル、カラー映画など時代の最先端を行くウォルト・ディズニー。
第二次世界大戦時の政府に対する対象的な二人の -
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ネタバレ録画したまま放置していたNHK歴史秘話ヒストリア「五・一五事件 チャップリン暗殺計画」を視る。コメントを述べる大野裕之氏の背後に本書の背表紙が見える。俄然 読みたくなる。
長らくチャップリンはユダヤ人だと誤解していた。それは異父兄シドニーの方で、彼本人はロマ系だった。
もう一つ、ヒトラーは小柄だと思い込んでいた。少し前にフランコと並んだ写真を見て、意外に長身だと思っていた。175センチだから、欧米人なら普通の部類だろう。
上記二つの誤解は一にかかって「チャップリンの独裁者」に拠るものだ。
他の大野氏の著書などで、我らが黒澤明をしのぐチャップリンの完全主義に接していたが、改めて思い知る -
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最近、軽めの本ばかり読んでいましたが、こちらはいろんな意味で、ずっしりと読み応えがありました。何度も確認しながら、ゆっくりと読みました。
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ヒトラーとチャップリン。
恥ずかしながらわたくし、どちらもほとんど知りません(恥)。
ヒトラーは学生時代、授業で習ったっけ???というほど(テストに出る歴史的事実以外は)知らない。(恥。涙)。
手塚治虫の「アドルフに告ぐ」のヒトラーのイメージでしかありません。
チャップリンは、大学1年生、とある教授のゼミにお邪魔したとき、話しの流れで、映画を見せていただいたことがあります(多分「モダン・タイムズ。」)近代化の光と闇、みたいな話でした。
・・・た -
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『独裁者』をそのアイデアの始まりから、台本の成立過程、さらにはコールシート等で撮影の進行を辿りつつ、その都度メディアや当時の英米独政府の神経質な対応を挟み込んでいるので、まことに臨場感あふれたドキュメンタリーとなっている。チャップリンは大戦後、アメリカのレッドパージで国外追放されたが、その種はすでにこの『独裁者』制作の時点で撒かれていたのがよく分る。
それにしても日本公開が1960年だったという事実には驚かされた。当時、筆者は小学生で、3学年ぐらいがまとまって映画館にこの映画を見に行った記憶があるが、それは初公開のときだったようである。地球儀のダンスが飛びぬけて面白く、最後の演説がずいぶん -
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イソップの「北風と太陽」を
思った
今でも
ドイツ、フランス、ポーーランド、イタリア
の 国々から
第二次世界大戦をテーマとする映画が
産み出されている
つい先日も
「パリよ、永遠に」(独、仏 共同製作)を
観たばかりだ
反戦 とか
非戦 とか
むろん みんな いわずもがな
のことである
声高に叫ぶのではなく
淡々とその抵抗の事実を学ぶ
その 手法に 学びたい
ユーモアという戦争に対する
最大の武器を見事に
その人生の一部に織り込んだ
チャップリンに
あらためて敬意を表したい
こんなすてきな作品を
著した大野さんにも
むろん 敬意を表したい -
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