あらすじ
ディズニーの生涯の野心は「もう一人のチャップリンになること」だった。俳優の道を諦めた代わりに、彼は「もう一人のチャップリン」をアニメーションの世界で創った。それがミッキーマウスだ。――固い友情と時代に翻弄された離別。知られざる二人の師弟関係を豊富な資料で明らかに! エンタメビジネス創世記としても読める一冊。
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Posted by ブクログ
めちゃくちゃおもしろかったです。チャップリンとディズニー、どちらも超メジャーな人物なのに、知らない話ばかりでした。
それぞれに似ているところもあり、対称的なところもあって、現在の作品の残り方もそれに合った形になっています(チャップリンは著作権をすべて持っていて、配信されていない。ディズニーは黎明期からテレビに目をつけて、今では配信で多くの利益を得ている)。
子どもの時に観て以来、観ていない作品(特にチャップリン)を観たくなりました。
Posted by ブクログ
エンタメ界に2つの巨星。ディズニーとチャップリン。
この2人の関係性は、想像以上に濃く、そしてドラマチックだった。
全世界で知らない人はほとんどいないだろうという放浪紳士チャーリーとミッキーマウス。
まさか、ミッキーマウスが目指していたものがチャーリーだったとは。
ディズニーの伝記も読んだけど、そこにはそこまでチャップリンに対する事は書かれていなかった気がする。
ディズニーが著作権については恐ろしいほど厳しい、というのは様々な都市伝説とともに一般の人でも知っている。まさかその根源がチャップリンだったとは。
「著作権は絶対に渡しちゃダメだ」という教えを守ったからこそ、今のディズニーがある。
そんな2人を引き裂いたのは、第二次世界大戦。
「独裁者」を作り、平和を訴え続けたチャップリン。
時代の流れに乗り、アニメを軍需産業として危機を乗り切ったディズニー。
ここから両者が実際に交わることは無くなってしまう。
ただ、きっと時代がそうさせたというだけで2人ともお互いの作品を認めないなんてことは絶対になかっただろう。
「チャーリーは私に、最上のコメディにおいて、人は主人公に同情しなければならないということを教えてくれた。主人公の行いに笑う前に、主人公のために涙を流さなくてはいけない、と」
ディズニーがチャップリンから受けたこのアドバイスに、ディズニー作品の真髄が詰まっていると感じ、自分は最も感激した。
この2人の魂は、今も様々な映像の中で生き続けている。
熱い本でした。
Posted by ブクログ
「教養としてのーー」を読み終えた身からすると
ディズニー個人への思い入れもそれほどでなく、改めてチャップリン本として読む必要がどれほどあるのか疑問符が湧いていたが
それで触れられていた2人の繋がりが、思った以上に根深いものであること
そして一部では似通いながら接近しつつも、個性的なエピソードで別の違った側面が合わられる2人の対比、そして時代の流れから袂を分かつことになったその結末にいたるまで
チャップリンという存在の脳内的な肉付けは改めて充実するものであったとともに、ディズニー個人への人物的な興味も増す内容であった。
Posted by ブクログ
20世紀のエンターテインメントを代表する巨匠二人には実は親交があった。二人のエンタメビジネスを振り返る、チャップリン研究の第一人者の作品。
俳優を目指しチャップリンに憧れたウォルト・ディズニー。アニメ映画界で名を挙げ初めてチャップリンと話した時のチャップリンの助言。
「自分の作品の著作権は他人の手に渡しちゃだめだ」
都市伝説になるぐらいディズニーの著作権への執着は知られているが、その原点がチャップリンにあったとは。
パントマイムの喜劇とアニメの共通点に気づきトーキー映画、ミュージカル、カラー映画など時代の最先端を行くウォルト・ディズニー。
第二次世界大戦時の政府に対する対象的な二人の姿勢。
チャップリンについては評伝、自伝など読んだことがあったが、ビジネスとしてプロデューサーとしてのウォルト・ディズニーに関して、得るところの多い一冊でした。
Posted by ブクログ
皆が知ってるあのミッキーマウスは実は喜劇王チャップリンから影響を受けていたって知っていましたか?
時に師匠と弟子、時に親しい友人のようにお互い切磋琢磨していったチャーリー・チャップリンとウォルト・ディズニーの意外な接点の数々。
そしてキャラクターと著作権の重要性に早々に気付いていた2人のビジネス視点等を学べる、エンタメ好き必読の1冊がコチラ
Posted by ブクログ
チャップリンに詳しい方には、彼の偉大さがよく伝わる本だと思うが、私はチャップリンの映画をほとんど知らなかったためあまりよくわからなかった。ディズニーは結構好きなので、戦争との関わり方や思っていたウォルトディズニーと実際のディズニーはやや乖離があった(ストライキへの対応や映画ビジネスへの関わり方)点について興味深かった。