九鬼周造のレビュー一覧

  • 九鬼周造「いきの構造」 ビギナーズ 日本の思想

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    読んでいて途中、「何を大仰なことを今更!」と思ってしまったが、イキという日本人独自の感覚をここまで論理的に言語化した人もめずらしいなと感心してしまった。

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    2017年04月10日
  • 「いき」の構造 他二篇

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    大正~昭和時代の哲学者・九鬼周造(1888~1941年)の代表的著作。
    著者は1921~29年に欧州に留学し、パリの哲学界で若い俊秀として認められ、ハイデッガーやベルクソンからも評価を受けていたという。
    著者は、「「いき」は欧洲語としては単に類似の語を有するのみで全然同価値の語は見出し得ない。したがって「いき」とは東洋文化の、否、大和民族の特殊の存在様態の顕著な自己表明の一つであると考えて差支ない」と、ソシュールの言語学的アプローチから、「いき」を「わが民族に独自な「生き」かたの一つ」と述べている。
    そして、その日本人の生き方の美意識の基本的構造を、古典的ヨーロッパ哲学の論法で分析したのである

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    2016年01月11日
  • 「いき」の構造 他二篇

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    二元論をベースに対立項間の緊張関係に注目する思想。おおむね面白かったけど、「自由な芸術的表現」を論じる第4章の論理は強引すぎて引いた。

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    2015年09月29日
  • 「いき」の構造 他二篇

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    「いき」という日本人(主に江戸時代の江戸の人)独特の感覚についての解説本。著者によると「諦め」と「媚態」と「意気地」である。著者はパリに10年以上滞在しているが、そこで日本人の特徴をアピールするのに「いき」を使ったというのは「いき」である。

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    2015年06月13日
  • 「いき」の構造 他二篇

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    最初は、そのものすごく論文的な文体に若干の疎ましさと、なんとも、言えない違和感を感じながらの読書だった。
    おそらく、自分の中で予想していた、「いき」というものを論じるリズムや語彙、文体とあまりにもかけ離れていたからだと思う。

    でも、しばらく読み進むうちに、だんだん、面白くなって来た。
    何が面白いかというと、「いき」というある種情緒的な内容を、それとは全く異なるような次元での論調との二元性に可笑しみを感じたのだ。

    書いている内容はとてもわかりすく、興味深い。
    でも、その語彙や文体が、それを自虐的に妨げる節もある。

    と、こうしてレビューを、まとめていて、あることに気づいた。
    著者が、あらゆる

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    2014年08月03日
  • 「いき」の構造 他二篇

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    20世紀の日本哲学者である九鬼周造による本著書には、「いき」について、内包的構造、外延的構造、自然的表現、芸術的表現の切り口で、哲学的に丁寧に説明されている。

    「いき」とは、大和民族の特殊の存在様態の顕著な自己表明の一つであると考える。

    意気、渋み、甘味、野暮、上品、地味、派手、下品の点軸を定義した上で、さび、乙、きざ、雅、味、いろっぽさという面が存在するとの説明。事例として、抜き衣紋、首、素足、手、縦縞、色(灰色、茶色、青系統色)、建築、音楽についても興味深い。

    日本民族に独自の美意識をあらわす語「いき(粋)」とは何か。「運命によって<諦め>を得た<媚態>が<意気地>の自由に生きるのが

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    2014年01月19日
  • 「いき」の構造 他二篇

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    ネタバレ

    「いき」ということがらの「本質」ではなく「存在そのもの」のありようを、「媚態」「意気」そして「諦念」として分析してみせながら、さりとてそのような分析的な手法では捉えようのないものであると結論づける。
    六面体の構造モデルの提案は、「どうこれ?うまくはまってるでしょ?」という嬉しさが伝わってきて微笑ましい。

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    2013年12月23日
  • 「いき」の構造 他二篇

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    九鬼周造の『いきの構造』は 学生時代に 少し読んだが
    あまりにもつまらないというかよくわからないので、すぐに捨てた。

    そして、今頃になって 
    何か、気になり、読み始めた。

    言葉というのは 時代とともに 風化していくものである。
    そうであるがゆえに
    古い言葉、古典的な言葉、失われつつある言葉を
    蘇生させる作業が必要なのかもしれない。
    そのひとつに 『風流』 という言葉がありそうだと思う。
    それは、生活スタイルである。
    今で言う 『ロハスな生活』というアメリカから来た
    言葉を ありがたがるよりも 『風流な生活』のほうが
    よっぽどよさそうである。

    九鬼は言う
    風流とは 『世俗』を断ち切り、『離

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    2013年01月13日
  • 九鬼周造「いきの構造」 ビギナーズ 日本の思想

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    「いき」という言葉のもつ世界観を教えてくれた.「いき」と二元性をなす対のことばは「野暮」となる。これら関連の言葉「渋味」ー「甘味」、「上品」ー「下品」、「派手」ー「地味」を「美意識の六面体」としての表現にとても興味を持った.この「いき」という言葉は、日本独特のものらしい.英語では、raffine, chicが近い言葉として例示され、「美意識の六面体」のどの辺りを表すかを立体的に説明している。言葉の意味の持つ空間性にとても新鮮さを覚えた.作者「九鬼周造」の経歴も波乱に富み、彼の母は、岡倉天心との不倫によって離婚し、幼少期から岡倉天心を伯父さんとして、身近に接する.自信も女性癖のため、離婚する.意

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    2012年11月02日