イバン・レピラのレビュー一覧

  • 深い穴に落ちてしまった

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    ネタバレ

    映像でみるのは憚られそうな過酷な話だった。

    これが権力者とそれに屈せざるを得ない弱者のいる現実世界を反映していると思うと、やるせない気持ちになる。

    筋トレを続けたり、食糧分配比を決めた兄を思うと、当初から弟を助けるつもりだったんだなと思う。

    負の感情をぶつけ合いながらも、お互いを想い合う姿に温かいものを感じたりもした。

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    2022年05月24日
  • 深い穴に落ちてしまった

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    ネタバレ

    題名のとおり、深い穴の中に落ちてしまった兄弟のサバイバルな物語。
    内容は暗く、緊迫していて、とにかく恐ろしいが、文体にはおとぎ話のような雰囲気があり二人の対照的なキャラクターも相まってどこか安心して読める余地もある。さまざまな寓意が巧みに組み合わされ、1回目ではよくわからなかったことが2回、3回と読むにつれわかるようになるのが面白い。
    母親を権力者、兄弟を底辺にいる人を暗に示しているようで、暗号を解読してみるとどうやら政治的なメッセージが込められた作品のようだととれるが、それだけではない重厚さを感じられた。
    良質な考察系インディゲームを楽しんだ後のような満足感。

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    2021年09月14日
  • 深い穴に落ちてしまった

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    暗くて重い。なのに、割とすらすらと読めてしまう。
    終盤に明かされる袋の意味にぞくりとしたものを感じた。母親も、なんかの例えなんだろうな。
    あとがきで触れられていた暗号は、思っていたよりも直球なメッセージで、かつ、この本の最も伝えたかったことなんだろう。

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    2020年06月13日
  • 深い穴に落ちてしまった

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    正直難解すぎた気がする。
    これは日本語で読んでいるからこう感じるのか、それとも原書でもこの印象なのか。
    なんとも形容しがたいジャンルである。
    言いたいことはわかるような気もするし、
    本当にこれで合っているのかと不安になる。
    意図が汲み取れていなくても感じたままでいいと言われても、
    本当にそれでいいのかなぁとおもってしまう。
    せめて読んだ後に解説がついてたらいいのにと思ってしまうけれど、
    それじゃあつまらないのかなぁ。
    平和な日本で生活してる自分としては多分このヒエラルキーのようなものをありありと実感し理解することは難しいのだと思う。
    でも、その平和ボケがいつ崩れ去るのかもわからないし、
    こうい

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    2017年08月17日
  • 深い穴に落ちてしまった

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    深い。大人の童話。何度も読んでその度に違う何かを感じられるであろう作品。今日の私はそのメッセージのほとんどを理解できていないのだろう。でも不思議な余韻に包まれて思慮を巡らす夜になりそう。また、何度も読み返したい。

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    2017年02月11日
  • 深い穴に落ちてしまった

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    残念ながら私の好きなタイプの寓話ではありませんでした。読後感は、「星の王子さま」とはだいぶ違うものであった。理不尽、ひもじい、苦しい、つらい…。たまたま最近読んだ「年月日」「太陽と痛み」併せて、さしずめ”ひもじい寓話”3点セット。でも同じ時代に、中国とスペインでこのようなひもじい寓話が出てくるってことは、やはり世界の暗黒を暗示しているのだろうか。。。

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    2017年02月07日