イバン・レピラのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
兄弟が深い穴に落ちている。
彼らはそこから脱出しようと、生き延びようともがく。
言ってしまえばそれだけの話を、淡々とした筆致で描きます。不合理で危機的な状況をふたり協力して脱出する話かという予想は、序盤の方で霧散します。強圧的な兄、黙々と従う弟。見る見るうちに悪化していく状況、狂っていく弟。
速やかな悪循環が、童話を語るような筆致でなめらかに描かれ、読む側までもが蟻地獄に引きずり込まれたかのようにただこの酷い顛末を追うばかりでした。
そうして、ぱっとわかる真実と結果を残し、するりと物語は収束します。どこかあっけなく、軽やかに。幾重にもくるまれた寓意や仄めかしに明確な答えを導けないもどかし -
Posted by ブクログ
ネタバレ題名のとおり、深い穴の中に落ちてしまった兄弟のサバイバルな物語。
内容は暗く、緊迫していて、とにかく恐ろしいが、文体にはおとぎ話のような雰囲気があり二人の対照的なキャラクターも相まってどこか安心して読める余地もある。さまざまな寓意が巧みに組み合わされ、1回目ではよくわからなかったことが2回、3回と読むにつれわかるようになるのが面白い。
母親を権力者、兄弟を底辺にいる人を暗に示しているようで、暗号を解読してみるとどうやら政治的なメッセージが込められた作品のようだととれるが、それだけではない重厚さを感じられた。
良質な考察系インディゲームを楽しんだ後のような満足感。 -
Posted by ブクログ
正直難解すぎた気がする。
これは日本語で読んでいるからこう感じるのか、それとも原書でもこの印象なのか。
なんとも形容しがたいジャンルである。
言いたいことはわかるような気もするし、
本当にこれで合っているのかと不安になる。
意図が汲み取れていなくても感じたままでいいと言われても、
本当にそれでいいのかなぁとおもってしまう。
せめて読んだ後に解説がついてたらいいのにと思ってしまうけれど、
それじゃあつまらないのかなぁ。
平和な日本で生活してる自分としては多分このヒエラルキーのようなものをありありと実感し理解することは難しいのだと思う。
でも、その平和ボケがいつ崩れ去るのかもわからないし、
こうい