松本礼二のレビュー一覧

  • アメリカのデモクラシー 第二巻(下)

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    最終巻。

    デモクラシーと中央集権、専制についての警告が現代にも通じるところがあるように思えた。

    地域共同体などの中間団体がなくなることの危険性やそれらをどんどん無くそうとしてしまう民主的人民の傾向についての分析はいまも変わらないのではないかと思った。

    政治活動というと選挙と投票くらいのものしか思い浮かばなくなっている私なんかはトクヴィルからみたらナンセンスなんだろうと思う。

    またデモクラシーの時代こそ、仕事や生活は忙しくなるが精神的な変化は停滞するという分析もハッとさせられた。

    確かに世論が強くなるにつれて、一度抱いた誤った信念などは中々変化しないように思える。


    1巻と2巻長かっ

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    2025年07月07日
  • アメリカのデモクラシー 第二巻(上)

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    デモクラシーの時代に訪れる恵みや危険について色々と分析しており面白かった。


    一般観念という概念自体を問うことに衝撃があった。
    境遇の平等が進んで私たち人間という意識が生まれなければ人間一般とかの概念で語ることはなかったという分析。
    さらに平等という概念を擬人化して語ることも許されるようになったと言ってる。
    貴族制の時代では個別具体的な話を細かくすることはあっても人間存在一般という観念が語られることはなかったという分析で面白かった。

    トクヴィルはデモクラシーの時代において宗教が重要であると何度も説いているのが印象的だった。
    これは平等の時代における個人主義化の加速や何でも自分の理性で考える

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    2025年07月05日
  • アメリカのデモクラシー 第一巻(下)

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    私の読解力が低いので、下巻のアメリカの国民を分析している章を読んでようやく、本全体はアメリカに根付いたデモクラシーを分析していたことに気づいた。

    それはともかく、第10章の当時のアメリカ自体の分析は面白かった。
    ネイティブアメリカンやアフリカ系アメリカ人に対するイギリス系アメリカ人の扱いを外国人の視点だからか容赦なく冷静に分析していた。
    もちろん当時なりの差別意識や文明人が優越しているみたいな意識はあるので無批判に受け入れられないこともある。
    ただ、奴隷制度などの問題に対する分析は鋭いと思う。
    法制度の問題ではなく習俗の問題になっているから、奴隷を解放しても問題は無くならないという分析には驚

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    2025年07月01日
  • アメリカのデモクラシー 第一巻(上)

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    難しかった。

    アメリカにおける民主主義の制度や人々の特徴についてさまざまに書かれている本。

    意外だったのは著者が人々の同質性をなんどもとりあげていた点。
    資産状況のみならず、知識などにおいても同質な人々が集まっていたからデモクラシーが成立していると分析しているようだった。
    また、地方自治の重要性やそれを支える制度と地域共同体の強さについても強調されていたことは勉強になった。

    民主主義というと一人一票とか選挙にいくことの重要性ばかり重要視されるが、そもそもの人々が平等でなければならず、自主的に地域の事柄に取り組む精神がなければならないのだということを考えさせられた。

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    2025年06月29日
  • アメリカのデモクラシー 第一巻(上)

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    もうすぐ大統領選挙なので。アメリカの選挙制度その他、どうしてこんな風になってんのかな?との疑問の一端が晴れた感じがしています。
    あくまで二百年前のフランス人から見たアメリカ像なので、社会の安定という点に物凄く力点が置かれており、安全装置がバランスよく働いているとの評価に繋がっていると感じました。その反面、現在のアメリカが置かれている不安定な状況をみるにつけ、どこで何が損なわれたのか、疑問は尽きません。

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    2024年10月31日
  • アメリカのデモクラシー 第一巻(上)

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    まとまり。弱肉強食の国際情勢。生まれたばかりの中堅国アメリカ。各州ばらばらだと、足並みの乱れを突かれて、列強の餌食になる。連邦政府の強化と、州の主権の廃棄が必要だ。アメリカ人は同じ祖先・言語・宗教・統治原則を持っている。よく似た習俗と慣習を持っている。ただし連邦政府を強化しても個人の自由は守られるべきだ▼多数派による専制を防ぎたい。直接民主政は多数派による少数派への圧政につながる。個人の生命や財産が守れない。そこで代議制を採用し、優れた人間に統治を任せる▼立法部(議会)の暴走を防ぎたい。大統領に拒否権を与えて、議会に対抗する力を持たせる。裁判所に違憲審査権を与えて、議会の暴走を防止。互いに権力

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    2025年04月26日
  • アメリカのデモクラシー 第一巻(上)

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    先日拝聴したライフネット生命の出口治明会長の講演の中で、『縦と横に見る視点が重要』とおっしゃっていた。先に読んだ、ちきりん著「自分のアタマで考えよう」の中でも、同じことに触れており、「『縦=時系列比較=歴史的な観点でものごとを見ること』と『横=他者比較=国際的な視点でものごとをみること』とのことですから、やはり比較といえばこの二種類を覚えておくべし」と言っている。そういう意味で本書は、現代の民主主義を考える上での「タテとヨコ」の決定版である。ちなみに本書も出口会長のお薦め本。
    本書は、フランスの政治思想家トクヴィルが1800年代前半にアメリカに渡り実際の見聞を著したものである。(著者が初めてア

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    2021年08月08日
  • アメリカのデモクラシー 第一巻(下)

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    金言の数々がちりばめられている。重い。またゆっくり読み直したいと思った。

    上巻に続き、参考箇所。一つ一つが考えさせられる一節である。
    「普通選挙こそよい政治家を選ぶ保証だと考える者が完全な幻想に囚われていることは、私にははっきり証明された。」
    「二段階選挙こそ人民のあらゆる階級に政治的自由の行使を可能にする唯一の手段だと思う」
    「その本性あるいは構造が悪法の一時的弊害に耐えられるようにできている社会、法の一般的傾向の帰結が現れるまで滅びずに待っていられるような社会を想像していただきたい。民主政治はその欠陥にもかかわらず、このような社会を繁栄させるにはやはり最適の政治であることはお分かりであろ

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    2021年08月08日
  • アメリカのデモクラシー 第一巻(下)

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    下巻は、市民社会と習俗に焦点を当てると伴に、貴族社会と民主社会の比較から、(当時)将来来るべく民主社会の課題や有るべき姿を述べ、民主社会における中央集権化、独裁主義化への懸念を見事に予想している。
    貴族社会には主権者である国王が民衆に直接支配力を及ぼすことができないクッション(貴族)があったとし、米国では、それを地方自治の仕組みに取り入れ、中央集権化、独裁主義化へ向かわない仕組みを内在化させたとする。

    なぜ、アメリカ人は産業に向かわせるのか、民主化された社会で客観的な物差しは金でしかない等、現在の米国社会を示す考察をこの時点で為し得ている。

    以下引用~
    ・(アメリカの)国民にあって怖れるべ

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    2015年04月06日
  • アメリカのデモクラシー 第一巻(上)

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    1800年代にフランスの政治家トクヴィルが米国に渡り、米国社会の仕組み、米国人行動をつぶさに分析した結果を「米国論」として纏めたもの。
    米国を表わす最も適当なコンセプトが民主的(デモクラシー)ということになる。
    当時、欧州からみると米国は壮大な実験の場であり、また将来の自らを占う国として大きな関心が持たれていたのだと思う。本著は古典の部類に入るのかもしれないが、現在の米国社会を考える上でも参考になる考察が数多く見出すことができ、大いに参考になった。

    国は人間の成長と同じだという。子供の頃からの成長の過程を見ることで、今の自分を判断できるように、”米国は、一大国民の出発点を明瞭に認識することの

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    2015年03月08日
  • アメリカのデモクラシー 第一巻(上)

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    アメリカという国を、もう一度作ろうと思っても、もう作れない。アメリカはこの世界が一度だけ作ることのできた宝石だと思う。人間というのがいかにすごいのか、歴史書を読んでいるとなぜか自分が人間より上の種族になったような気がするが、それにしても人間という生き物はすごいなあ、と上から目線で、いやあすごい本当にすごい、と飛び切りお気に入りの本でも見つけたみたいに何度も色々な場面から見て見たくなってしまう。アメリカというシステム、アメリカという人間たち。アメリカという蒸気、ただ機関車を動かしている、そのしくみ。

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    2015年02月03日
  • アメリカのデモクラシー 第二巻(上)

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    本書では、民主制がいかにアメリカ人に影響を及ぼしているかが考察の対象とされており、第一部では、民主制の「知的運動」、第二部では「感情」に及ぼす影響が検討されている。第一部によれば、民主制は、アメリカ人に物理的享楽を大胆に志向させており、彼らは、一般性・無形式性・実用性を好んでいる。彼らの宗教には来世への関心が比較的弱い。とはいえ、その宗教は、秩序を破壊するものではなく、利益を求める上でも有効に機能している。第二部によれば、アメリカ人には、個人主義があるが、同時に結社を志向する態度がある。また、アメリカ人は、宗教の効用ゆえに物質的享楽への愛着が行き過ぎてはいない。

    トクヴィルは、アメリカ人に精

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    2018年02月20日
  • アメリカのデモクラシー 第一巻(下)

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    トクヴィルは序文で、アメリカでは人民の権力が制度や形式を思うままに破壊ないし修正していると指摘し、その本能と情熱は何か、それを推し進め、あるいは抑制する仕掛けは何か、その将来の帰結は何かを本書で明らかにすると論じている。

    1章によれば、アメリカでは、人民が直接その代表を任命し、議員は、人民に従属しているが、代議制が採用されている。2章によれば、アメリカには、もはや大きな目標を持つ「偉大な」政党はない。政治的信念のない「矮小な」政党があるにすぎない。3章では、アメリカには出版の自由があり、新聞の独立があるという。4章によれば、アメリカには政治結社が無数にあり、社会的権威には疑いの念を抱いている

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    2018年02月20日
  • アメリカのデモクラシー 第一巻(上)

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    トクヴィルは、民主制は(ヨーロッパでも)不可避的という見通しの下に、アメリカの民主制の制度的あり方やその成立条件を検討している。

    彼は第1章で北アメリカの地形を概観した後、第2章では国民の起源ないし形成期にすでに国民間の優劣がなく、かつ、「民主的共和制」と不可分のピューリタニズムがあったことを指摘している。その「社会状態」は、第3章によれば、市民の平等と知識の平等が著しい状態であった。第4章では、アメリカのイギリス系植民地に人民主権が原理として根づいており、革命後はそれが自治体から政府へと波及したと論じられている。第5章では、個々の州の事情が検討されている。その特徴は、例えば、ニューイングラ

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    2018年02月20日
  • アメリカのデモクラシー 第二巻(下)

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    第1巻を刊行した1835年の5年後に、トクヴィルはこの第2巻を出した。
    アメリカ合衆国のイメージは彼の中で煮詰まり、この巻では「自由」「平等」などの概念をめぐって延々と思索が続く。
    特に「平等」概念を、ヨーロッパ文化にとっても重大な歴史的転回点としてとらえており、単に賞賛するのではなく、その危険性をも含めて考えを深めている。
    19世紀前半のトクヴィルの思考は、ただちに現在の「民主社会」に適用できるわけでもなく、彼の予測は外れている面もある。それでも、「民主主義とは何か」を考える上で、本書は多くの示唆を含んでいる。
    しかしこの本の要点を抜き出し、その思想の骨格を明確にする作業は、一読しただけでは

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    2013年03月23日
  • アメリカのデモクラシー 第一巻(下)

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    民主主義というテーマにおいては有名で重要な本らしいので、読んでおくことにした。
    第1巻の出版は1835年で、南北戦争前である。主にイギリスの出身者たちがつぎつぎと北米に入植し、開拓し、社会を築き上げていく黎明期を描き、分析している。トクヴィルはフランス人なので、フランスの君主制との違いが、折に触れて指摘される。
    トクヴィルによると、北米は入植によって生まれた当初から「民主的」であり、住民間に階級差はなく(黒人奴隷やインディアンを除く)、自然発生的な共同体「タウン」において、自治的に倫理や法が築かれていったという。キリスト教をベースにし、そこからタウンみずからが、<掟>を制定していったのである。

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    2013年03月17日
  • アメリカのデモクラシー 第一巻(上)

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    ネタバレ

    1830年代にフランスの政治思想家トクヴィルが、アメリカ社会を観察するとともにその民主政治の成り立ちや統治機構の特徴を考察したもの。

    著者は、当時民主政治について最も進んだアメリカを研究することで、革命の時にあったフランス(ヨーロッパ)にも訪れつつある民主政治をより有益なものする方法を知ろうとしたが、その観察眼や洞察力から導かれた鋭い考察により、現代の民主主義を考えるにあたっても読み直すべき古典的名著とされている。
    この1上巻では、アメリカ建国時にまで遡ってイギリス系アメリカ人の性格、宗教観やそれが政治に与えた影響、連邦や州といった統治機構の性格や特徴などが論じられている。

    興味深かったの

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    2012年10月18日
  • アメリカのデモクラシー 第一巻(下)

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    アメリカの国の成り立ちを理解するための最適書。奴隷制度から国の分裂までを予言するトクビルの観察眼に感嘆。南北戦争は予見しなかったものの、国家の持続困難性は見事に指摘している。

    アメリカが今ほど中央集権でなかったときの、アメリカの本質を学んでおくことは、アメリカ在住にあたっても必須であるように思う。

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    2011年08月24日
  • アメリカのデモクラシー 第一巻(上)

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    アメリカという国が如何にして成り立っているかをまとめた好著。国と州の関係について深く考えさせられる。アメリカに短期間滞在しただけで、ここまでアメリカの民主主義の本質を見抜いたトクヴィルは出色。

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    2011年07月08日
  • アメリカのデモクラシー 第一巻(上)

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    トクヴィルは、米国が他国と一線を画して理想郷であるのは、小ささ(タウン)を維持しながら、同時に大きくも居られるという、連邦制という特異な制度に由来すると主張する。米国は実態としてのタウン、州を挟んで連邦政府として成立しているのが革命的なのである。

    小さくありつつ、同時に大きくもある。これによってどのように互いのメリットを活かし、デメリットを補い合っているか。

    小ささのメリットは先述の通りである。つまり、自由民主主義にとって小ささはこの上ない推進力になる。

    では小さいことによるデメリットは何か。当然のことながら、戦争を含む大国との付き合い方は小国の憂慮すべき永遠のテーマである。

    そしてこ

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    2026年01月30日