キケローのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
好きな本Top10のひとつ。
キケロが細平たい木の板で脛を思いっきり叩きにきます。痛いってば。嫌じゃないけど。
訳の分からない本や新聞、ネットニュースを読む時間と手間はこの本を繰り返し読む事にこそ費やすべき。そんな本のひとつ。
【日常生活で使えるサーカズム】
もし誰かが「若い時はこんなんじゃなかった。今では(筋肉が衰えて)死んだも同然だ」と嘆いたなら、「可哀想なクロトナのミローだね」と言う。(心の声 愚か者め。死んだも同然はお前の筋肉などではなくお前自身だ。お前が有名なのはお前のおかげでなく、若い頃の筋肉と体力のおかげだ。)美貌や知力でも使えそう。
屁理屈、生まれつきの性格によるなど、反 -
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p18「善く生きたという自負心と数多くの善行の思い出は無上の喜びとなるものだ」
p27「無謀は華やぐ青年の、知慮は春秋を重ねる老年の特性」
p36「力を適切に用い、各人がもてるかぎりの力で努力しさえすればいいのだ」「君たちの、その善きものを、それがある間は使えば良いし、ない時は求めてはいけない」「人生の走路は定まっており、自然の道は一本道で折返しがない。生涯のそれぞれの時期に、その時期にかなったものが与えられている」「それぞれに、その時期に収穫しなければならない自然の恵みとも言うべきものがあるのだ」
p40「常に孜々として携わって生きる者には、老年がいつ来たか分からない。そのような人生は、それ -
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セネカと同じく、一部の屍(老人)に鞭を打つようなフレーズにビビる本です
キケローが友人に向けた、書簡
「年取ることって悪くない」
「友達っていいものだね」 という2つのテーマで語る空想対話本です。
ギリシャ哲学と聞くとハードルが万里の長城クラスのようですが、対話篇になるとその高さはだいぶ下がります。
ただ話の流れを掴むのであれば(注釈まで読み込まないのであれば)ソクラテスの弁明や、生の短さについて、のように楽しみながら読むことができるでしょう。
40代で読んで良かった。そう言い切れる一冊です。
特にすきなフレーズはここ
「老化による愚痴?物忘れ、不健康?それのほとんどはその人の不摂生と -
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この本は、ユーチューブでアバタローさんが紹介している本だったので読んでみましたー。
まず、2000年前に書かれた本が読めるということに「すごいー❕」と思いました。
この本は、表題のとおり「老年について」書かれていますが「老年」について、とても前向きで「良いもの」として捉えており、「歳を取るってすばらしいことだよー❕」と教えてくれています。
2000年前の人も同じように「老年」について、不安に思っていたんでしょーねー。
「人の悩みって、いつの時代でも大差ないのかも!」っと思ってしまいました。
大昔の人も現代人も悩みは同じなのであれば、その答えは、誰かが本にしてくれてるはずだー!!
やっぱ -
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ネタバレ「人生の折り返し地点」という言葉も在るが、キケローはカトーにこう語らせる。「自然の道は一本で、しかも折り返しがない。そして人生の各部分にはそれぞれその時にふさわしい性質が与えられている」、と。
この作品では「老い」は十分に耐えうる価値あるものとして扱われる。私はカトーの語る考え方を気に入った。古代ローマには在ったかどうか知らないが、老いを退化に見立てる考え方を耳にしたことがある。人は、赤ん坊で生まれ、成長し、二十年ほどで人に成り、人生を全うするにせよしないにせよ、末期には心身共に衰えて目も耳も感じる力を失い、最低の状態に戻ってゆき死ぬ、その様が赤子に戻ってゆくようである、と言うのだ。寂しい発想 -
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キケローが直近の著名な人物に仮借し、その人物に語らせたタイプの著作のひとつ。
スピーキオーという友人を持ち、そしてその友を亡くしたラエリウスが、婿ふたりに対して友情というテーマについて語る。
ラエリウスは、友情に関して「正しい」事を述べるばかりでなく、誤った解釈が世間に広まっている事に苦言を述べ、あるいは人が陥りがちな過ちについて語る部分もたびたびある。
その内容は「友情とは実利に対する見返りがある時に与えられるべきだ」という説であるとか、「友情とは与えすぎてはならない、等価でなくてはならない」だとか、「いつか敵になりうるのであるから友情に重きを置いてはならない」という考えとかであるのだが、
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ネタバレ哲学者・政治家・詩人であったキケローの対話篇。「老年について」では老いることは徳のある人間にとっては悪いことではない、という話をし、「友情について」では徳に基づいた真の友情の素晴らしさ、友情の成り立ち、友情と政治の現実などを語る。
前者では老いに関連して死についてもけっこう触れていて、プラトンを思わせる霊魂不滅論、肉体からの霊魂の解放論を展開し、もしくは死すれば魂は消滅し何の感覚もなくなるのであればそれでも恐れることはなにもない、という二段構えの死への備えを論じていて面白い。
後者の友情は自分への愛から生まれたとか、友情は善き人々だけのものであるという話はあまりピンとこなかった。解説を読んで、