【感想・ネタバレ】老年についてのレビュー

あらすじ

古代ローマ第一の学者にして政治家・弁論家キケロー(前106―前43)が人としての生き方を語り、老年を謳い上げた対話篇。84歳になる古代ローマの政治家・文人大カトーが文武に秀でた二人の若者を屋敷に迎えて、自らの到達した境地から老いと死と生について語る、という構想のもとに進められる。悲観的に、ではなく積極的に老いを語った永遠の古典の新訳。

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Posted by ブクログ

この本は、ユーチューブでアバタローさんが紹介している本だったので読んでみましたー。

まず、2000年前に書かれた本が読めるということに「すごいー❕」と思いました。

この本は、表題のとおり「老年について」書かれていますが「老年」について、とても前向きで「良いもの」として捉えており、「歳を取るってすばらしいことだよー❕」と教えてくれています。

2000年前の人も同じように「老年」について、不安に思っていたんでしょーねー。
「人の悩みって、いつの時代でも大差ないのかも!」っと思ってしまいました。

大昔の人も現代人も悩みは同じなのであれば、その答えは、誰かが本にしてくれてるはずだー!!
やっぱり読書はいいですねー!

ぜひぜひ読んでみて下さい

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2021年11月16日

Posted by ブクログ

年代それぞれに自然に与えられる恵みを活用し謳歌すれば、それは生きることを活かすことになる。 ないものを求めればそれが手に入ったとしてもまたないものを求めるが、今あるものの中で最大限活用して日々を生きれば、老年は重荷ではない。

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2018年01月07日

Posted by ブクログ

現代でも高齢化社会のなかで「老後の幸福」論の類の本はよく見かけるが、古代ローマのキケローの『老年について』はそのような本の原点にあるものと言えるかもしれない。

キケローの考えのの土台にあるものは、ギリシアから続く「魂の不死」の思想である。
そのような人生というものを広く観た観点から「老年」にスポットが当てられているのではないか。

若干二十歳の私にとっては、老年を考えることは同時に「今」を照射することのように思えた。

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2012年10月24日

Posted by ブクログ

老いると言うことについて、ローマの政治家大カトーの口から語らせる形式をとった哲学書。死を恐れず、勉学に励み、快楽に身を委ねられない身を悦びとせよと言う内容。
理想的な生き方ではあるが、若い頃の生き方からこの心構えを頭の中に入れておく必要があり実践はなかなか難しい。故に「老年について」というタイトルとは裏腹に若いうちに読んでおくべき本だろう。

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2024年05月31日

Posted by ブクログ

老年になっても依然として敬意を払われる人は、青年の時に成すべきことを成していると聞いて身が引き締まる思いだ。

ランプに油を継ぎ足す要領で、精神・肉体ともにメンテナンスをしなければならないとも書いてある。長く幸せに過ごす基礎・基盤は紀元前でも現代でも同じなのだ。

また死ぬということは人も自然の一部であるということで美しいことなのだと思った。

『友情について』よりも、個人的には納得しやすかった。

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2021年10月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「人生の折り返し地点」という言葉も在るが、キケローはカトーにこう語らせる。「自然の道は一本で、しかも折り返しがない。そして人生の各部分にはそれぞれその時にふさわしい性質が与えられている」、と。
この作品では「老い」は十分に耐えうる価値あるものとして扱われる。私はカトーの語る考え方を気に入った。古代ローマには在ったかどうか知らないが、老いを退化に見立てる考え方を耳にしたことがある。人は、赤ん坊で生まれ、成長し、二十年ほどで人に成り、人生を全うするにせよしないにせよ、末期には心身共に衰えて目も耳も感じる力を失い、最低の状態に戻ってゆき死ぬ、その様が赤子に戻ってゆくようである、と言うのだ。寂しい発想ではあるが、これには言い当てているところが在るように感じる。人生の最高のときと聞いて、私には幼年も老年も早一番即座には想起されない。キケローの生きた当時も、老年を扱った作品にはその発想同様、老年を暗く捉えたものが多かったそうだ。人間の最大の関心ごとのひとつは死であり、老いには常に死の影が付きまとうのだから、老いを人が気がかりにするのは当然だ。青年の死と老年の死の対比でカトーは老年の死をある種の善いものと捉えた。その〈71〉の下りも大変気に入った。

論理展開も整っていて、読みやすかった。

訳者による解説も読み応え在った。アッティクスの死に様をおもう。

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2015年02月18日

Posted by ブクログ

今も昔も老いに対する感覚は変わらないってことか。現実の大カトーがこの本と違うことやらかしてるのも一興。

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2012年04月11日

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久しぶりにローマ人の文章を読んでみる。主題の提示、老いが嫌われる理由の提示とそれに対する反駁、そして結論という明快な構成は非常に読みやすい。ギリシア・ローマの人生論の鍵となる「徳」という概念を知る上での一つの手がかりとなろう。

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2012年03月18日

Posted by ブクログ


開始:2023/2/10
終了:2023/2/11

感想
穏やかな老いを迎えるために。若いうちから徳を養うことが必要。欲情の炎に身を焦がすことなく、凪の心を持つ。自分にはもう少しかかりそう。

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2023年02月11日

Posted by ブクログ

                            1.この本を一言で表すと?
老いは惨めではないと言うことを主張した本。

2.よかった点を3~5つ
・老年には体力が欠けているか?いや、老年に体力は要求もされない。だからわしらの年輩は法律と制度によって、体力なしでは支えきれない義務からは免れているし、できない事はもとより、できるほどのことでも強制はされないのだ。(p38)
→必要とされる役割を意識して、その役割を果たして活躍すべきということだと思う。

・わしがこの談話全体をとおして褒めているのは、青年期の基礎の上に打ち建てられた老年だということだ。そこからまた、これは以前にも述べて大いに皆人の賛同を得たことだが、言葉で自己弁護をしなければならぬような老年は惨めだ、ということになる。白髪も皺もにわかに権威に摑みかかることはできぬ。まっとうに生きた前半生は、最期に至って権威という果実を摘むのだ。(p60)
→幸せな老後は、青年期を真面目にしっかり生きることによって成り立っていると言うことだと思う。

・農業の楽しみについての記載(p51〜)
→若い頃からのコツコツとした積み重ねが老後を豊かにしてくれると言うことだと思う。

・青年が死ぬのは盛んな炎が多量の水で沈められるようなもの、一方老人が死ぬのは燃え尽きた火が何の力も加えずともひとりでに消えていくようなもの(p66)
→的確な表現だと思う。人間誰もがいつかは死ぬと言うことだと思う。


2.参考にならなかった所(つっこみ所)
・自分は立派な生き方をしてきたんだと言う著者の自慢のようにも聞こえる。

3.実践してみようとおもうこと


5.全体の感想・その他
・著書は一応論理的な説明をしているが、なんとなく自己弁護しているような印象を得た。

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2022年02月13日

Posted by ブクログ

古代ローマの時代に書かれたエッセイであるが、たいへんに読みやすい。
キケローも、老いては農事を事とするよう勧めていた。自然に近いところで生きていくことは、人間にとって大切なことなのだと思う。

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2014年02月02日

Posted by ブクログ

2000年前からあんまり人って変わっていないんだな・・・とつくづく思った。セネカの方が読みやすかったな。内容的な感動というか、納得感もセネカの方があったような・・・訳の問題なのか??それとも、キケローとセネカの違い?

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2013年03月30日

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