八木敏雄のレビュー一覧

  • 白鯨 上

    Posted by ブクログ

    この作品は語り手、イシュメールによる物語の部分と、鯨学など学術的な部分、そして劇の部分に分かれています。それが見事に融合して、白鯨という得体の知れない海の怪物を追う者たちの姿が見事に描かれているのです。白鯨への復讐に全身全霊をこめるエイハブ船長、それを引き止めようとするスターバック(スターバックスコーヒーは彼の名前からきています) 荒くれ者だけどロマンチストな面もあるスタッブ、勇敢で心優しい人食い人種のクイークェグ。あらゆるキャラクターが一つの船に乗っていて楽しい。

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    2009年10月04日
  • 白鯨 下

    Posted by ブクログ

    先日の海底二万里もそうだったが、150年前(明治維新前!)の小説ということで、見事に古びてしまっている小説。
    いまさら鯨について語られても新味はないし、開陳される知識も古びているし、こうなりゃ物語としての面白さを味わうしかないのだが、特に波乱万丈の物語というわけでもない。
    子供向けにリライトされて短い物語にしてくれたものの方がよほど出来がいいように思えるのだが、どうだろう。

    ただ、今回、読み通してみて驚いたことが一つ。
    私の記憶では、エイハブ船長は自ら白鯨に放った銛につながった縄に絡まり、モービィ・ディックに磔になったまま溺れ死んでしまう。そしてモービィ・ディックが海上に姿を現すと、まるで生

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    2009年10月04日