忍野メメの姪『扇』との出逢いから広がるストーリー。
サブタイは、扇フォーミュラ、そだちリドル、そだちロストと対象者は老倉育。
学級裁判の犯人探し、数学に偏重した訳、母親失踪の謎。
怪異が絡まりようもなくミステリになってはいるが面白い。
起きた過去の因果を解明するだけだが、最後がリドルになっていたか
...続きを読むら『そだちリドル』が適しているのかもしれない。
『人間強度が下がるから』の因果も掘り下げられる。
忘却と謎を主題にした話は面白かった。
NHKのアブダクション話思い出す。
自己暗示から入る偽の記憶を真実の記憶としてしまう物語を。
記憶なんて捏造されることはしばしばあるものだが、聞かされる方にとって矛盾を聞いた日には堪らないこともある。
偽の記憶というより嘘だと思わざるを得ない事柄。
過去の話というのは過大に話がちだから気を付けてはいるが、オレ自身の側面でしか捉えていない真実もある。
この話でもあった。
過去への責任に囚われ続けることで未来に得られるものはあるかと。
向き合ってこそ未来が拓かれると。
森見登美彦を引用すれば...
『ただでさえ三つ子の魂百までと言うのに、当年とって二十と一つ、やがてこの世に生をうけて四半世紀になんなんとする立派な青年が、いまさら己の人格を変貌させようとむくつけき努力を重ねたところで何となろう。
すでにこちこちになって虚空に屹立している人格を無理にねじ曲げようとすれば、ぼっぎり折れるのが関の山だ。』
粉々に折れ曲がってるけどw
新しい人格育てるしかないのかな…ペルソナ。