中野量太のレビュー一覧
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もし、一生にあと一枚しかシャッターを切れないとしたら、僕は、家族を撮る。
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写真家を目指す政志が卒業制作に選んだのは、家族の思い出をコスプレで再現すること。そこからほかの家族を被写体とするが、写真に迷いを感じ始め、さらに東日本大震災が起こる。
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ニノが映画やってたなと思い気になっていた作品。読みやすかった。風変わりな写真家は一見無頓着に感じるも家族思いで、それが新たな仕事に結びついて、さらにそこから辛い状況の中で人に希望を与える行動に繋がっていく。自分はこの仕事をしてていいのか、思いが揺れる中でも自分だからできる方法で誰かの笑顔に繋がっていて、諦めない気持ちや繋がりの大切さを感じた。
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Posted by ブクログ
ネタバレ映画はまだ未観でして、先に小説から入ってしまった、という所の作品なのですが、うむ。良かった。なんとも骨太な作品だなあ、という感想。そんなに分厚い小説ではないですし、文章も読みづらい感じでもないですし、サクサク読める作品だとは思うのです。でもそれが、決してお気楽極楽ポップだぜ、という訳では全然ない。内容は相当にヘヴィーにズッシリどっしり。うむむ、骨太。
作者の中野量太さんは、本業は、映画監督なのですね。そっちがメインだよ、という。で、自ら脚本も書いた映画作品を、これまた自らノベライズした、と。それがコレだぞ、と。うむむ、多才だ。映画も撮る。脚本も書く。小説化すら出来ちゃう。凄いですね。同じ日本 -
Posted by ブクログ
ネタバレ想像以上に深くて熱い愛情に圧倒された。
確かにこれ程の熱量なら湯もすぐに沸けるはずだ。
「お母ちゃんはこれからもあたしのお母ちゃんだ。みんなの中から、お母ちゃんが消えることは決してない」
その人の匂いを嗅ぐだけで安心できる。
幼い頃からの無意識の記憶がそうさせている。
それが母の凄さだと改めて思った。
愛しい娘を見守り、常に全身全霊でぶつかる母。
「少しの延命のために、自分の、生きる意味を失うのは絶対に嫌、私には、どうしてもやらなきゃいけない事が、まだある」
限られた時間の中、最後まで娘に自分の精一杯を差し出す母の潔さに泣けた。
同じく娘を持つ母の私には、ここまでの覚悟はまだ足りない、と反省