深谷忠記のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
主人公の小説家は39年前の事件目撃者であり、両親が当事者。
一方、4年前の事件にかかわることになり、その重要な証拠が目撃者という二重の目撃に焦点を当てた話である。
4年前の事件の犯人とされる女性は無実を訴えていたが、目撃者の証人もおり一審で有罪、そして上告した。その弁護士を務めるのが主人公の大学時代の同級生。その弁護士からの依頼も有り、アドバイスをしていくうちに人間の記憶の曖昧さがわかってくる。実は39年前の自分の目撃証言によって母親を死にいたらしめたと思っており、ずっと心に秘めていた。
4年前の事件の真相がはっきりしていくうちに、自分が目撃した39年前の出来事にも疑問をもつようになり、真相を -
Posted by ブクログ
ほんの数分の隙をついて誘拐された三歳の女児・美菜。
犯人からの要求もなく、美菜の安否も確認できないまま時間だけが過ぎていく。
なかなか進展しない捜査が続くなか、ひとつの目撃情報が犯人とおぼしき男の容疑をより色濃くしていく。
男は18年前に起きた連続幼女誘拐殺人事件の容疑をかけられ、アリバイ成立でリストから外された男だった。
裁判で有罪が確定しなくても、たとえ不起訴となっても、世間は有罪の烙印を押す。
本当のことなどわからなくても、マスコミや噂に踊らされていく。
犯人かもしれない人は、いつしか犯人だという断定へと変わっていく。
そして、一度有罪の烙印を押されたら、真犯人が逮捕されるまでけっして消 -
Posted by ブクログ
夫を毒殺した容疑で収監された関山夏美。目撃証言から逮捕に至ったのだが、夏美は犯行を頑なに拒否し、その時間は現場から遠く離れたラブホテルに行きずりの男と一緒にいたのだと言い張る。しかし裁判では圧倒的に不利になると感じた夏美は、助けを求めて『蒼の構図』の著者・曽我に手紙を出す。強い正義をもっていると感じて夏美はコンタクトをとったのだが、実は曽我自身も事件に巻き込まれた過去があった。母親が父親を刺し殺したのだが、なんと目撃者は曽我自身。そして、曽我の目撃証言により母親が逮捕後自殺してしまったのだ。
この中では2つの事件が扱われているのだが、その繋げ方がかなり強引で、そこまでして一緒にする必要が