ダニエル・L・エヴェレットのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ピダハンが教えてくれたこと、それは「生きる」とは何か、「幸せ」とは何か、ということ。
言語学研究にとって貴重な進展をもたらしてくれたこと、のみならず人間としての在り方についても教えてくれた。
まず、本書ではピダハン語の研究によって、チョムスキーが提唱した普遍文法の説を否定している。
普遍文法説とは、すべての言語が普遍的な文法で説明でき、それは私たちの脳、遺伝子にあらかじめそのようにインプットされているからで、わたしたちは育った環境に応じて最低限のルールに従って(英語や日本語)言語を発話しているというもの。
どの言語にも共通の品詞があるなどの共通のルールがあることや、リカージョンといわれる -
-
-
- カート
-
試し読み
-
-
-
Posted by ブクログ
自分自身がクリスチャンとして、伝道師である著者が無神論者になった経緯と影響を与えたピダハンについて詳しく知りたくて本書を手に取った。
文化人類学は学生の頃の専門分野だったので読むだけでドキドキワクワクが止まらなかった。彼らの価値観や文化は実に興味深いものだった。
また、著者が最後に無神論者になった経緯を書いていたが相当の葛藤があった事が目に浮かんだ。自分自身も信仰に揺らぐ事もあるので生まれた場所・価値観・文化でイエスを受け入れてなかったかもしれない。信仰とはなんなのか、改めて考えていきたい。
そしてこれを機にまた文化人類学系の本を手に取っていきたいと思った。 -
購入済み
ピダハンの人々のエピソードが魅
人生をかけてピダハンの文化と言語の研究に取り組む言語学者の著作。読んでいるとジャングルの光景が目の前に広がる。言語が文化といかに密接に関係しているかが分かる。終章は特に示唆に富む。筆者の主張の根拠として各所に紹介されるピダハンの人々のエピソードも魅力的。信仰がなくなってしまったことも著者が非常にピダハンを尊敬し彼らの生き方、考え方に影響されたことの裏返しなのだろう。
-
-
-
-
-
Posted by ブクログ
30年以上にわたってピダハンの村に出入りした経験にもとづいている。ライフワークを一冊の本に凝縮しているわけで読み応えあり。単純にちょっとした冒険譚・異文化見聞録としてすでに面白い。それに、われわれとかなり隔たった文化・価値観を持ったピダハンの人々についての深い観察が加わる。
もともと言語学者としてはチョムスキーの系列に学んでいたようだが、ピダハンとの経験をもとに普遍文法の学説と袂を分かっている。そもそも普遍文法をよく理解できていないのだが、文化が言語に影響を与えるというアイデアのほうが素人には理解しやすい。
気になるのは、ピダハンのような文化が孤島的な例外なのか、それとも探せば普通にあるも -
-
-
-
-
-
Posted by ブクログ
ピダハンは直接体験と観察しか信じない。
ピダハン語には心配するという語彙がない。知らないことは心配しない。
ピダハンは自分たちの環境に順応しきった人々である。
ピダハンは慌てない。有用な実用性に踏みとどまる。
ピダハンにとって真実とは、魚を獲ること、カヌーをこぐこと、子どもと笑い合うこと、兄弟を愛すること、マラリアで死ぬこと。
ピダハンとは一度に一日ずつ生きること大切さを独自に発見している人々。
ピダハンは自分の後始末は自分でつける。人の手など借りずとも、自分のことは自分で守れるし守りたいと思う。
ピダハンは物事をあるがままに受け入れ、死への恐怖もない。彼らが信じるのは自分自身だ。
2025 -