ダニエル・L・エヴェレットのレビュー一覧

  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観

    ピダハンの人々のエピソードが魅

    人生をかけてピダハンの文化と言語の研究に取り組む言語学者の著作。読んでいるとジャングルの光景が目の前に広がる。言語が文化といかに密接に関係しているかが分かる。終章は特に示唆に富む。筆者の主張の根拠として各所に紹介されるピダハンの人々のエピソードも魅力的。信仰がなくなってしまったことも著者が非常にピダ...続きを読む
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観
    ・ピダハン→ブラジルの先住民
    ・ピダハン語以外を使う気がない。
    ・赤ちゃん言葉がない→大人も子供も対等、メンバーとして責任を負う。
    ・抑うつ、疲労、不安、パニック障害等がない→心配という言葉がない。
    ・苦しみ、死が当たり前→悲しんでも誰も狩りを代わってくれない。
    ・未来より今を楽しむ→食料や道具の保...続きを読む
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観
    同じ言語でもその人の見てきたものや置かれている環境によって、言葉に内包された意味やイメージは変わってくる。今まで経験した会話の中にも危ういものがないか反芻する機会を得た。定説を再考察する言語学として、また作者の冒険記として(どんでん返しあり)の読み応えもあった。

    ※追記
    筆者がピダハンと共に過ごし...続きを読む
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観
    左右の概念、数字の概念がない民族に興味を持ち読んでいたが、想像以上に興味深かった。ピダハンが重んじるのは現在の直接体験のみであり、見えないものやわからないものについてあれこれと心配をしない。その結果なのか鬱や自殺といった精神的な疾患が見られない、というのは興味深い。
    過去や未来に捉われず、今見えてい...続きを読む
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観
    傑作だが何度も挫折した。冒険譚を期待していたので言語学の部分がミスマッチになっていたと思われる。とはいえ言語学の部分もめちゃくちゃ面白く、なぜ挫折するのか自分でも疑問だった。モチベーションの立て方を間違えなければすんなり読めただろうに。
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観
    30年以上にわたってピダハンの村に出入りした経験にもとづいている。ライフワークを一冊の本に凝縮しているわけで読み応えあり。単純にちょっとした冒険譚・異文化見聞録としてすでに面白い。それに、われわれとかなり隔たった文化・価値観を持ったピダハンの人々についての深い観察が加わる。

    もともと言語学者として...続きを読む
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観
    まず、この本が生まれたことに感謝。
    日本語で読めることもありがたすぎる。
    自分がいかに小さな世界で枠にとらわれて生きているか気付かされる。
    より良く生きるとは、幸せとは…
    素晴らしい体験だった。
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観
    ゆる言語学ラジオの紹介から

    未知の言語の理解のプロセス、その中で体得したピダハン文化への理解、他の言語論との衝突、衝撃の終章
    まさに目から鱗の連続だった。
    文明文化への適応が人の悩みの源泉ではという著者の指摘はすごく納得するけれど、おいそれとその枠から出る勇気のない自分にとっての解はどこにあるのか...続きを読む
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観
    民族と言語とは切っても切れない関係がある。そして、その言語はその民族の文化と密接な関係がある。わかりきったことのようだが、筆者はそれを現地でピダハンたちと生活を共にする中で、一つ一つのピダハン語を採集する帰納的な方法論で、人類の言語本能論唱えるチョムスキーの演繹的理論に異を唱える。豊富な現地での体験...続きを読む
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観
    現代社会とはまた違う興味深い価値観や文化が描かれているのだけれど、筆者の書き方が非常にユーモラスで読みやすい。
    好きな時に好きな分寝て、好きな時に食べ、好きな時に働くのいいな。
    夢と現実に体験したことは同列というのもおもしろい。寝るのがより楽しくなりそう。
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観
    ピダハンという全く想像できない書名が気になって手に取った。
    異文化コミュニケーション関連の本を読み漁ろうとしていたのでちょうどよかった。でもこれ、多分ラスボス級の異文化度ですね。
    自身を喪失せずに、相手を受け入れられる筆者がうらやましい。
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観
    過去や将来を考えない。その日一日を生き延びていく生活。独立した一人でありながら、集団の中の仲間意識は強い。
    美しくて、優しい自然と人に囲まれているから充足していて、神話も民話も必要がない。
    だから、不安や心配はない。
    必要のないものを無理に取り入れない。発展せず、程よいところで維持するということこそ...続きを読む
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観
    ○ピダハンには左右を表す単語がない。位置は上流下流で表す。
    ○裏表紙のコメント読めば中身読まなくてもいいような気がする。
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観
    ゆる言語学ラジオで紹介された回がすごく面白かったので、本も読んでみた。
    前半は、ピダハンの言葉や文化、筆者がピダハンの村に住んでいた時のエピソードが紹介されている。
    後半は、ピダハン語から考える言語学について説明されている。
    前半は面白かったが、後半はある程度の言語学の知識が求められ、私にとっては少...続きを読む
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観
    文化と言語によって自分(人間)の思考回路が作られているというのは感じていても、この本の中で何度も自分の言語に関する常識をひっくり返された。
    「直接体験の原理」。ピダハンが未開の地の原住民族ではあっても、彼らを魅力的にするのは全てこの原理なんだって最後にストンと来るのはとても面白い。
    言語学としても面...続きを読む
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観
    ピダハンという少数民族のみが用いる言語の研究者の話.ピダハン語には直接体験の原理が有り,ピダハンが実際に見たものしか言語化することはなく,夢や精霊についてもその例外ではなく,彼らの世界は文字通りに見た世界でできている.このような言語に触れることによって著者は自らの信仰の欠点に気づいて,進行を捨てるこ...続きを読む
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観
    キリスト教であった著者が、ピダハンという民族に布教しに彼らの世界へ足を踏み入れた。彼らと共に生活していく中で、何にも縛られず、自然と共に共存する今を楽しむ生き方に惚れ込み、今まで生きかたの座標を与えてくれていた宗教を捨て、彼らと共に生きることを決断した。


    私達が過ごしている文明社会は、元々人類が...続きを読む
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観
    ・再帰(リカージョン)がない。英語や日本語なら「ダンが買ってきた針を持ってきてくれ」というところ、ピダハン語では「針を持ってきてくれ。ダンがその針を買った。同じ針だ。」と言う。文章が入れ子構造にならないのだ。
    ・認知→文法 人間は生まれつき文法能力を持っている。文法は遺伝的なものである。(チョムスキ...続きを読む
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観
    時間かかってしまったけど面白かった。ピダハンの考え方、特に他人を助けることに対しての自分にできること/できないことの割りきり方は心が救われる。それと、昔受けたチョムスキー大好き先生の言語学の授業を全然楽しめなかったモヤモヤがすっっきりした…
    知らない人・会えない人に会う読書、という点で最高だった。
  • ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観
    言語と文化が密接に繋がっていることがよくわかる。言語を理解することは、その国や民族の文化を理解することだ。
    伝道師の勧誘は人の悩みに訴えるので、悩みがなく、自分の目で見たものしか信じないピダハンには全く通用しないが、そもそも未来という概念がなければ悩みも存在しない。