【感想・ネタバレ】ピダハン――「言語本能」を超える文化と世界観のレビュー

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ピダハンの人々のエピソードが魅

2023年10月03日

人生をかけてピダハンの文化と言語の研究に取り組む言語学者の著作。読んでいるとジャングルの光景が目の前に広がる。言語が文化といかに密接に関係しているかが分かる。終章は特に示唆に富む。筆者の主張の根拠として各所に紹介されるピダハンの人々のエピソードも魅力的。信仰がなくなってしまったことも著者が非常にピダ...続きを読むハンを尊敬し彼らの生き方、考え方に影響されたことの裏返しなのだろう。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年01月15日

・ピダハン→ブラジルの先住民
・ピダハン語以外を使う気がない。
・赤ちゃん言葉がない→大人も子供も対等、メンバーとして責任を負う。
・抑うつ、疲労、不安、パニック障害等がない→心配という言葉がない。
・苦しみ、死が当たり前→悲しんでも誰も狩りを代わってくれない。
・未来より今を楽しむ→食料や道具の保...続きを読む存がない。
・自分で自分の人生の始末をつける。
・自分の住む土地に誇りを持っている、美しい土地、美味しい水。
・直接体験する事しか信じない→神を信じない、他に心配がない。

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Posted by ブクログ 2023年01月09日

同じ言語でもその人の見てきたものや置かれている環境によって、言葉に内包された意味やイメージは変わってくる。今まで経験した会話の中にも危ういものがないか反芻する機会を得た。定説を再考察する言語学として、また作者の冒険記として(どんでん返しあり)の読み応えもあった。

※追記
筆者がピダハンと共に過ごし...続きを読むたこれだけの時間も費やしても、人間同士の関係性は研究対象の域を越えれないのであれば、隣の人を理解することも到底困難であろう。
良い関係を築くために大事なことは、双方向で研究対象であり続けることなのかもしれない。

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Posted by ブクログ 2022年12月10日

左右の概念、数字の概念がない民族に興味を持ち読んでいたが、想像以上に興味深かった。ピダハンが重んじるのは現在の直接体験のみであり、見えないものやわからないものについてあれこれと心配をしない。その結果なのか鬱や自殺といった精神的な疾患が見られない、というのは興味深い。
過去や未来に捉われず、今見えてい...続きを読むるものに集中する、という考え方は仏教にも通じる考え方だと感じた。

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Posted by ブクログ 2022年05月05日

傑作だが何度も挫折した。冒険譚を期待していたので言語学の部分がミスマッチになっていたと思われる。とはいえ言語学の部分もめちゃくちゃ面白く、なぜ挫折するのか自分でも疑問だった。モチベーションの立て方を間違えなければすんなり読めただろうに。

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Posted by ブクログ 2022年02月11日

30年以上にわたってピダハンの村に出入りした経験にもとづいている。ライフワークを一冊の本に凝縮しているわけで読み応えあり。単純にちょっとした冒険譚・異文化見聞録としてすでに面白い。それに、われわれとかなり隔たった文化・価値観を持ったピダハンの人々についての深い観察が加わる。

もともと言語学者として...続きを読むはチョムスキーの系列に学んでいたようだが、ピダハンとの経験をもとに普遍文法の学説と袂を分かっている。そもそも普遍文法をよく理解できていないのだが、文化が言語に影響を与えるというアイデアのほうが素人には理解しやすい。

気になるのは、ピダハンのような文化が孤島的な例外なのか、それとも探せば普通にあるものなのか。本書の中で類似した文化・言語がありそうなことも示唆されるが、そこは掘り下げられていない。

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Posted by ブクログ 2022年02月02日

まず、この本が生まれたことに感謝。
日本語で読めることもありがたすぎる。
自分がいかに小さな世界で枠にとらわれて生きているか気付かされる。
より良く生きるとは、幸せとは…
素晴らしい体験だった。

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Posted by ブクログ 2021年12月11日

ゆる言語学ラジオの紹介から

未知の言語の理解のプロセス、その中で体得したピダハン文化への理解、他の言語論との衝突、衝撃の終章
まさに目から鱗の連続だった。
文明文化への適応が人の悩みの源泉ではという著者の指摘はすごく納得するけれど、おいそれとその枠から出る勇気のない自分にとっての解はどこにあるのか...続きを読む。。
ただ、この一冊からも著者がいろいろありつつもピダハン同様生き生きと暮らしている雰囲気を感じ、これが本の力になっているのだと思う。ピダハン同様、直接体験に裏打ちされた力強さ

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Posted by ブクログ 2020年10月15日

民族と言語とは切っても切れない関係がある。そして、その言語はその民族の文化と密接な関係がある。わかりきったことのようだが、筆者はそれを現地でピダハンたちと生活を共にする中で、一つ一つのピダハン語を採集する帰納的な方法論で、人類の言語本能論唱えるチョムスキーの演繹的理論に異を唱える。豊富な現地での体験...続きを読むに裏打ちされた提言は、いかにも説得力に富む。

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Posted by ブクログ 2019年11月09日

現代社会とはまた違う興味深い価値観や文化が描かれているのだけれど、筆者の書き方が非常にユーモラスで読みやすい。
好きな時に好きな分寝て、好きな時に食べ、好きな時に働くのいいな。
夢と現実に体験したことは同列というのもおもしろい。寝るのがより楽しくなりそう。

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Posted by ブクログ 2014年11月18日

ピダハンという全く想像できない書名が気になって手に取った。
異文化コミュニケーション関連の本を読み漁ろうとしていたのでちょうどよかった。でもこれ、多分ラスボス級の異文化度ですね。
自身を喪失せずに、相手を受け入れられる筆者がうらやましい。

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Posted by ブクログ 2023年02月06日

過去や将来を考えない。その日一日を生き延びていく生活。独立した一人でありながら、集団の中の仲間意識は強い。
美しくて、優しい自然と人に囲まれているから充足していて、神話も民話も必要がない。
だから、不安や心配はない。
必要のないものを無理に取り入れない。発展せず、程よいところで維持するということこそ...続きを読む幸せが続くコツなのかもしれない。

文化的なところに面白さを感じたので、言語学や旅行記的な部分より文化の比重がもっと重めだったらよかったな〜、と個人的には思う。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年09月18日

○ピダハンには左右を表す単語がない。位置は上流下流で表す。
○裏表紙のコメント読めば中身読まなくてもいいような気がする。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年01月31日

ゆる言語学ラジオで紹介された回がすごく面白かったので、本も読んでみた。
前半は、ピダハンの言葉や文化、筆者がピダハンの村に住んでいた時のエピソードが紹介されている。
後半は、ピダハン語から考える言語学について説明されている。
前半は面白かったが、後半はある程度の言語学の知識が求められ、私にとっては少...続きを読むし辛かった。

ゆる言語学ラジオで内容を知っていても、十分面白い作品だと思う。

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Posted by ブクログ 2021年08月17日

文化と言語によって自分(人間)の思考回路が作られているというのは感じていても、この本の中で何度も自分の言語に関する常識をひっくり返された。
「直接体験の原理」。ピダハンが未開の地の原住民族ではあっても、彼らを魅力的にするのは全てこの原理なんだって最後にストンと来るのはとても面白い。
言語学としても面...続きを読む白いし、前半のピダハンの文化も面白い。ずっと著者の話に爆笑させられながら読める。
まだ自分の言葉に落とし込めるほどこの本を理解しきれてないのだと思うけれど、信仰や文化などと言語の関係性など、自分の思考原理となる大部分を理解するヒントがこの本にあるって思ってるし何回も読みたい。

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Posted by ブクログ 2021年02月08日

ピダハンという少数民族のみが用いる言語の研究者の話.ピダハン語には直接体験の原理が有り,ピダハンが実際に見たものしか言語化することはなく,夢や精霊についてもその例外ではなく,彼らの世界は文字通りに見た世界でできている.このような言語に触れることによって著者は自らの信仰の欠点に気づいて,進行を捨てるこ...続きを読むとに鳴る.また,言語学における一大理論であるチョムスキー理論ではこの言語を説明することができていない.科学ではしばしば理論から外れる例外的な存在をそもそも存在しないものとみなしてしまうという事があると感じた.全体的には難しい言語学の比率は少なく,ピダハンの部落に滞在したときの冒険譚や,ノンフィクションとしてサクサク読めた.

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Posted by ブクログ 2021年01月11日

キリスト教であった著者が、ピダハンという民族に布教しに彼らの世界へ足を踏み入れた。彼らと共に生活していく中で、何にも縛られず、自然と共に共存する今を楽しむ生き方に惚れ込み、今まで生きかたの座標を与えてくれていた宗教を捨て、彼らと共に生きることを決断した。


私達が過ごしている文明社会は、元々人類が...続きを読む当たり前にしてきたもの、自然との共存であったり、
人間本来の力である自然治癒力などをわすれるように仕向けてしまう。元々ある自然ではなく
人間が作った決まりや抽象的なもの、会社や法律、お金などに価値がおかれ束縛されて生きている。それは集団生活を円滑に進める上でなくてはならないものであるが、人間を傲慢にしてしまった。自然日々感謝して生きることを忘れてはならない。
本来人間は自然の一部であったが、今は自然に
とって、害虫になってしまっていることを忘れてはならない。

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Posted by ブクログ 2018年07月08日

・再帰(リカージョン)がない。英語や日本語なら「ダンが買ってきた針を持ってきてくれ」というところ、ピダハン語では「針を持ってきてくれ。ダンがその針を買った。同じ針だ。」と言う。文章が入れ子構造にならないのだ。
・認知→文法 人間は生まれつき文法能力を持っている。文法は遺伝的なものである。(チョムスキ...続きを読むー)
文法→認知 文法が認知に影響を与える。言語はその言語の使用者の世界観に影響する。(サピアとウォーフ)
文化→文法 文化が文法に影響を与える。ピダハン語にその因果関係が見られる(ダニエル・エヴェレット)
・生命や死、病に対するピダハンの考え方は、わたしのような西洋人とは根本的に違うのだ。~ピダハンは赤ん坊が間違いなく死ぬとわかっていた。痛ましいほどに苦しんでいると感じていた。私が素晴らしい思い付きだと考えたミルクチューブは赤ん坊を傷つけ、苦しみを引き延ばしていると確信していた。だから赤ん坊を安楽死させた。
・ピダハンは文字通り、頭で精霊を見ている。掛値なしに精霊と話している。ピダハン以外の者たちがなんと思おうと、ピダハンは全員、自分たちは精霊をじかに体験しているというだろう。だからピダハンの精霊は、直接体験の法則の一例なのである。

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Posted by ブクログ 2018年05月29日

時間かかってしまったけど面白かった。ピダハンの考え方、特に他人を助けることに対しての自分にできること/できないことの割りきり方は心が救われる。それと、昔受けたチョムスキー大好き先生の言語学の授業を全然楽しめなかったモヤモヤがすっっきりした…
知らない人・会えない人に会う読書、という点で最高だった。

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Posted by ブクログ 2018年01月04日

言語と文化が密接に繋がっていることがよくわかる。言語を理解することは、その国や民族の文化を理解することだ。
伝道師の勧誘は人の悩みに訴えるので、悩みがなく、自分の目で見たものしか信じないピダハンには全く通用しないが、そもそも未来という概念がなければ悩みも存在しない。

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Posted by ブクログ 2017年01月05日

言語学を専攻して一番身にしみるのは、いかに自分の価値観を押し付けてものを考えているかということ。ピダハンが優れているとか劣っているということではなく、お互いの違いの中から何を得るかが求められる。

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Posted by ブクログ 2015年08月02日

面白かった。学術的なこともそんなには多くない。
言語と文化などについて、考えさせられた。
世界で一番幸せな、絶滅危惧種の人々。

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Posted by ブクログ 2014年12月31日

いゃあ 面白かった
「読書」の楽しみを満喫させてもらいました

地球上には
我々が
行ったことがない
逢ったこともない
見たこともない
聞いたこともない
触れたこともない
ものが
それはそれは どっさり
あることでしょう

私たちの文化というモノサシが
単なる 一つにすぎない
ということを
改めて ...続きを読む思い知らされました

それでも
「共感」してしまう部分があるところに
自分の中の 人類のDNAを感じてしまいます

それにしても
ウーギアーイ先生はたいしたものだ

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Posted by ブクログ 2023年11月10日

赤ちゃん言葉がなく子供も大人も対等に扱われ、親族が死にかけていてもそれが運命と助けることをせず、自分の目で見たものしか信じず、それでいて先進国の我々よりは精神的に豊かで幸せな民族。

常に進化や物質的な豊かさを追い求めることが本当の幸せかを考えさせられる。

ただし言語学的な考察がしっかりしている分...続きを読む、教養を求めて興味本位で読む一般人には辛い部分も多い。

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Posted by ブクログ 2022年11月10日

前半は作者のエッセイのような冒険記。後半は言語についてだった。
言語学者なのもすごいけど宣教師もすごいな…。作者の熱意とタフさにずっと感心していた。

面白い。ドキュメンタリーの方も見てみたいな。長期的な視野はなく今この瞬間を大事にしていて無理に人を助けない。死ぬべき人は死ぬべきという受け入れ方は世...続きを読む界的には珍しい。作者が異なる文化や価値観を下に見たりうけつけないからと拒否するような姿勢がなくてよかった。

ゆる言語ラジオから気になって読んでみたけど前から有名な本らしく最近の本でもないのに平積みされていたりメルカリでも価格が落ちていなかった。

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Posted by ブクログ 2022年10月30日

2/3はピダハンとの暮らしを綴ったもの。
残りは言語/文法/文化がそれぞれに与える影響の考察と、著者の考え(信仰の変化)について述べている。
若干冗長。

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Posted by ブクログ 2021年12月13日

著者を伝道師から無神論者へと変えることになったピダハンの人々は実に興味深い。
"西洋人であるわれわれが抱えているようなさまざまな不安こそ、じつは文化を原始的にしているとは言えないだろうか。そういう不安のない文化こそ、洗練の極みにあると言えないだろうか。"
言語学の説明の部分がち...続きを読むょっと難しすぎたかな。

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Posted by ブクログ 2019年09月30日

今日深く読んだ。後半はより言語学の話になっていくので難しかったが、特に前半はドキドキわくわくしながら読んだ。

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Posted by ブクログ 2018年10月04日

言語に未来形、過去形が存在しない、というキャッチーさから惹かれた民族、ピダパンについて長年言語学者が研究したところが記されている本。神話とうものもなく、食べ物も貯蓄しない。実在する、今見たものを信じる。能力がないわけではない。でも、とにかく、今日1日を、今を楽しむことに生きる意味を見出しているという...続きを読む。わたしには想像もできぬ価値観で生きる人間がいるんだなぁと新しい発見だった。ただ、いかんせん言語学中心なため、その分野に無知なわたしには少し難解なところもおおかったので…星3。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2017年12月22日

宣教師に棄教させる!
遠藤周作ならどう読むのだろう?
棄教した宣教師の記述するピダハンの世界。

そして、そのピダハンの世界はアルコールと生活習慣病で破壊されようとしているらしい。

神は居ないのか?
偏狭な神が支配しているのか?

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年07月31日

言語は、コミュニケーションにおける一つの手段でしかない。コミュニケーションには、相手の文化に対する知識が必要不可欠。

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