マイケル ロボサムのレビュー一覧
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ネタバレ「哀惜」の後ろの広告で見て。
どうして人は、特殊な才能を持つ人間に引き付けられるのだろう。
ミレニアムのリスベットしかり、
「ストーンサークルの殺人」のティリーしかり。
いや、キャロル・オコンネルのマロリーや
ジェフリー・ディーヴァーのキャサリン・ダンスには、
それほど惹かれないので、
この作品のイーヴィの魅力はそれだけではないらしい。
イーヴィは嘘を見破る少女。
ある民家の隠し部屋に隠れていたのを発見され、
エンジェル・フェイスと名付けられた。
いろいろな調査にもかかわらず、身元は特定できず、
問題のある子供たちの養護施設で自称18歳を迎えようとしていた。
もう一人の主人公のサイラスも -
Posted by ブクログ
人を溺れさせる仕組み
「金と権力」。この物語は検事、警察、FBIが結託し、現金輸送強奪襲撃事件の真相証拠書類を改竄、不利となる確たる証拠を隠滅させ莫大な金を奪い取ったミステリー事件だ。その裏には大金を隠し持ったという嘘を仕立てられ犠牲者(犯罪者)となり10年の投獄を科せらる。だが、最後の日の前日に脱獄する。背景には家族と金が絡む。人は時代が変わっても「金と権力」には弱い。現代、世を創る、守る側がその一端に加担するケースが多く、世間に告発する者がいない限り闇の中だ。政治家を含め暗黒の世界に足を入れた者は永遠に安楽な夢は見ることができないだろう。 -
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あまり日本では翻訳されていないのだが、どの作品も外れなし。オーストリア人だがイギリス在住経験もある著者ロボサムは、北欧ミステリーにも似たキャラクター中心の決め細かさを備えた文句なしにおススメ作家である。このレベルで安定して走り抜けている作家なので、本来もっと読まれる需要はあるはず。未訳作品の日本市場での販促は本邦の出版社一同に、是非とも加速化して頂きたい。
さて本書は前作『天使の嘘』シリーズの続編である。前作では特異極まりないヒロイン。嘘を見破る特殊な能力を持つイーヴィ。死体と一緒の塒で生き残っていたのを幼児の時に発見された出生不明の少女イーヴィーの魅力と謎の部分は、本作である程度解明さ -
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あまり日本では翻訳されていないのだが、どの作品も外れなし。オーストリア人だがイギリス在住経験もある著者ロボサムは、北欧ミステリーにも似たキャラクター中心の決め細かさを備えた文句なしにおススメ作家である。このレベルで安定して走り抜けている作家なので、本来もっと読まれる需要はあるはず。未訳作品の日本市場での販促は本邦の出版社一同に、是非とも加速化して頂きたい。
さて本書は前作『天使の嘘』シリーズの続編である。前作では特異極まりないヒロイン。嘘を見破る特殊な能力を持つイーヴィ。死体と一緒の塒で生き残っていたのを幼児の時に発見された出生不明の少女イーヴィーの魅力と謎の部分は、本作である程度解明さ -
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実力派作家にも拘わらず日本での翻訳は不遇をかこつ実力派作家、マイケル・ロボサムの新訳が、魅力的なキャラクター・コンビを引き連れて登場した。
嘘を見抜く能力を持つ少女、イーヴィ・コーマック。拷問を受けて殺された謎の人物テリーの死体とともに発見された少女、新聞ではエンジェル・フェイスの呼び名で知られた少女。
本書では、少女スケーターが殺害された事件がメイン・ストーリーである。証拠を遺した性犯罪者がすぐに容疑者として逮捕されるが、家族や親族間という狭い世界で未成年の男女たちが複雑に絡む謎多い事件として、臨床心理士のサイラス・ヘイヴンが真相究明に乗り出す。
サイラスもまた凄惨な過去の記憶 -
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実力派作家にも拘わらず日本での翻訳は不遇をかこつ実力派作家、マイケル・ロボサムの新訳が、魅力的なキャラクター・コンビを引き連れて登場した。
嘘を見抜く能力を持つ少女、イーヴィ・コーマック。拷問を受けて殺された謎の人物テリーの死体とともに発見された少女、新聞ではエンジェル・フェイスの呼び名で知られた少女。
本書では、少女スケーターが殺害された事件がメイン・ストーリーである。証拠を遺した性犯罪者がすぐに容疑者として逮捕されるが、家族や親族間という狭い世界で未成年の男女たちが複雑に絡む謎多い事件として、臨床心理士のサイラス・ヘイヴンが真相究明に乗り出す。
サイラスもまた凄惨な過去の記憶 -
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ニュージーランドの作家ベン・サンダースが地元ニュージーランドのシリーズから離れ、アメリカを舞台にした作品『アメリカン・ブラッド』でブレイクしたと同様に、オーストラリア生まれの作家マイケル・ロボサムは、永く住んだイギリスを舞台にしたシリーズから離れ、アメリカを舞台にしたこの作品で何ともはや、ゴールド・ダガー賞(英国推理作家協会賞)を勝ち得てしまった。
二冊の外国人によるアメリカの小説を立て続けに読んでしまったために、ぼくの中で混乱が起きているのは、どちらも三人の目線を主として書かれた小説であり、その一人は女性刑事、どちらも正悪入り乱れ、バイオレンスとサスペンスに満ちた伏線だらけの作品である -
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ネタバレ10年の刑に服してた男が出所日の前日に脱獄、何故?
この掴みで一気に物語に引き付けられる。主人公、主人公を追うために出所させられた同房の男、事件を追うFBI職員、この3人の視点で物語が多角的に描かれる。
それも現在の逃亡劇だけでなく、過去主人公が起こしたとされる現金強奪事件の真相を徐々に明らかにしていく展開は見事で、後半一気に謎が解けラストになだれ込む緊迫感の盛り上げ方はうまい。
さらには、横糸となる主人公と最愛の女性、その息子、逃亡中に知り合う女性と娘との関わりなど、ドラマ部分もしっかり出来ているので感情も移入できる。
文章も描きこみがしっかり出来ていて、マイケル・ロブサムという人は初めて読