大変面白かったです。読書時間が通勤時がほとんどですが、駅を乗り越しそうになるほど、読みだすと止まらなくなりました。
刑務所からの釈放される一日前に脱獄したオーディ・パーマー。あと一日で自由の身になれるはずなのに、なぜそんな事をする必要があったのか?
読者は何も分からないままオーディの逃亡劇をまるで今
...続きを読むまさに目の前で起こっている出来事かのように、臨場感たっぷりの筆致で追っていく。
そしてこの脱獄劇の裏に隠された陰謀と愛など、予想だもしなかった意外な理由を知ることになる。
それにしてもオーディ・パーマーの半生とは何と過酷なものなんだろう。なんて強い人なんだろう。この人こそ今後はもっと幸せな人生を送るべきと思う。
物語の最初と終わりはともに水辺での場面。泳げないオーディが水面でもがく姿が象徴的だ。冒頭の回想場面でで父が語っていた言葉「崖でくすぐられている一本腕の男みたいにしがみつくんだ」が結末あたりにも登場してきたときにはフッと目頭が熱くなった。。。
スケールの大きな感動作、映画化されたらいいのになぁと思う。
そして続編も出たらいいなぁと、欲を言えばまた越前さんに翻訳していただければなぁと願う!
人生は短い。愛は果てしない。あすがないつもりで生きよ。