柴崎健のレビュー一覧

  • 世界国債暴落 世界を蝕む日本化現象

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    「世界国債暴落」というややセンセーショナルなタイトルだが、中身は真面目で丁寧な世界国債の現状分析になっている。ギリシアの実質デフォルトや世界的に財政赤字が拡大している環境のなかで、日本や世界の国債市場をどうみればよいかが書かれており、非常にタイムリーな出版だと思う。
     個人的には第7章の「ソブリン格付けは信じられるのか」がおもしろかった。ムーディーズの「ソブリン格付け」の考え方が分かりやすく整理してある。簡単に言うと、(1)利払い能力、'(2)借り換え能力、'(3)財政均衡能力。それを踏まえて「バランスシート調整下のソブリン格付けの考え方」が述べられている。
     2002

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    2011年03月06日
  • 2020年 消える金融--しのびよる超緩和の副作用

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    既に2020年を過ぎ、本書の内容ほどまで金融機関が落ちぶれてはいませんが、時間の問題ではあるでしょう。
    アベノミクス前後の解説は専門的な知見で書かれており参考になりました。

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    2023年09月27日
  • 金融社会主義 クラッシュに続く混乱と清算の30年

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    2009年リーマン・ショック後の金融再生論
    マネーから実物への回帰を提案
    「商社機能」を新しいビジネスとして構想している
    2020年の現在 むしろ金融の肥大化が進む
    コロナ対策は金融緩和を更に進め、収束は全く見えない
    コロナ戦争の敗戦者がババを引き受けされる

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    2020年12月20日
  • 2020年 消える金融--しのびよる超緩和の副作用

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    アベノミクス金融政策の長期化に警鐘
    金融機関の収益・財務が持たない
    新しい事業として「地域商社」を提案

    「商社」機能の必要性は従来からのもの
    特に地方創生に有効・不可欠といわれる
    しかしビジネスにするのは難しい
    IT化の中で「ビジネスの中抜け」
    商社=流通の付加価値は縮小している

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    2020年12月20日
  • 世界国債暴落 世界を蝕む日本化現象

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    ネタバレ

    日本の財政は危機的状況にあるものの、そう簡単には国債が暴落するようなことにはならないという趣旨の本。一斉にキャピタルフライトが起こり、短期間で金利が数pt上昇というようなシナリオは対外経常収支が赤字で国外債権者がマジョリティの発展途上国型のインフレだという。日本の場合は、暴落リスクは否定しないものの、租税負担率が先進国では30%台中盤以降が当たり前である中で、依然23%程度であり、国の資産を差し引いた超過債務部分をまかなうにはこれを28%に上昇させると帳消しにできるということ、すなわち増税余地の現在価値が暗に織り込まれているということから、依然として国債が買われているのである。要するに、日本国

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    2012年01月05日