作品一覧
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3.0サブプライム金融危機を境に銀行の公的管理や市場の規制が強まり、市場原理主義は金融社会主義へと大転換した。その事実と背景を冷厳な目で分析し、将来像を描き出す。 【主な内容】 第1章 人間のおごりに対する神の怒り──金融の退化は防げるか / 第2章 世界同時恐慌の不安 / 第3章 資源高に見られる実体経済と金融の垣根の低下 / 第4章 サブプライム問題で米国はどう変わるか / 第5章 崩壊の危機に瀕した市場型金融モデル / 第6章 日本版市場型間接金融へのインパクト / 第7章 公的サポートを強めた金融ユーティリティモデル / 第8章 金融業界における今後30年の展望
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
「世界国債暴落」というややセンセーショナルなタイトルだが、中身は真面目で丁寧な世界国債の現状分析になっている。ギリシアの実質デフォルトや世界的に財政赤字が拡大している環境のなかで、日本や世界の国債市場をどうみればよいかが書かれており、非常にタイムリーな出版だと思う。
個人的には第7章の「ソブリン格付けは信じられるのか」がおもしろかった。ムーディーズの「ソブリン格付け」の考え方が分かりやすく整理してある。簡単に言うと、(1)利払い能力、'(2)借り換え能力、'(3)財政均衡能力。それを踏まえて「バランスシート調整下のソブリン格付けの考え方」が述べられている。
2002 -
Posted by ブクログ
ネタバレ日本の財政は危機的状況にあるものの、そう簡単には国債が暴落するようなことにはならないという趣旨の本。一斉にキャピタルフライトが起こり、短期間で金利が数pt上昇というようなシナリオは対外経常収支が赤字で国外債権者がマジョリティの発展途上国型のインフレだという。日本の場合は、暴落リスクは否定しないものの、租税負担率が先進国では30%台中盤以降が当たり前である中で、依然23%程度であり、国の資産を差し引いた超過債務部分をまかなうにはこれを28%に上昇させると帳消しにできるということ、すなわち増税余地の現在価値が暗に織り込まれているということから、依然として国債が買われているのである。要するに、日本国