ハーラン エリスンのレビュー一覧

  • ヒトラーの描いた薔薇

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    1957年から87に書かれた作品が発表順に掲載されている。
    エリスンを読んだのは初めてだけれど、解説にあるように、どれも理不尽なものに対する怒りと絶望が伝わってくる。
    とりわけ古い作品にその傾向が強く、私はどちらかというと、そういった不条理さに満ちた最初の方の作品のほうが好きだ。

    特に、「恐怖の夜」は読んでいて痛く刺さりすぎて目をそむけたくなる激しい衝動に駆られた。
    けれど、こういう作品こそ、読まなければならないんだと思う。

    どれも、祝福や幸せからは程遠く、人間が犯してきた罪悪について書かれているように感じる。

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    2024年02月02日
  • 死の鳥

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     カッコいい小説てえのを知りきゃ、エリスンを読みな。
     まず、タイトルがいい。「『悔い改めよ,ハーレクィン」とチクタクマンは言った」。時間を守れない奴っているわな。それがハーレクインであり、ハーラン・エリスンなのであるが、そいつのせいで超管理社会を管理するチクタクマンまで調子が狂ってしまう話。
     「俺には口がない,それでも俺は叫ぶ」。遠未来、AIによって慰み者にされる人類。タイトル通りの話。
     「北緯38度54分、 西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中」、これも実に凝ったタイトルだが、『SFマガジン』初出時に読んだときには、ランゲルハンス島がおなかのなかにあるなんてことも知らなかっ

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    2017年11月24日
  • 死の鳥

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    どの作品も面白いのはいうまでもない。ただしそれは面白いの種類は作品ごとに異なる。単純に笑える作品はないが、生きていることの意味、人間の正体、人類を取り巻く環境など、様々な観点で読者の心を揺さぶる。個人的に気に入った作品は、『「悔い改めよ、ハーレクィン!」とチクタクマンはいった』『プリティ・マギー・マネーアイズ』『ジェフティは五つ 』『ソフト・モンキー』といったところ。

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    2017年06月22日
  • 死の鳥

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    ネタバレ

    エリスンの短編集です。
    読み応えのある作品が多数あります。
    ハードな内容のものも良いですが、ジェフティは五つのようなエモーショナルな作品が好きですね。

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    2017年06月05日
  • ヒトラーの描いた薔薇

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    ハーラン・エリスン=毒舌な批評家なイメージがあったのだが、いったいどこから入った記憶だったのか???

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    2017年05月05日
  • ヒトラーの描いた薔薇

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    作品全体を通して、風刺や皮肉、怒りや苦悩を感じさせる短編集。

    SFで有名なハーラン・エリスン作品なのだが、あまりSF感は無く、サスペンス色が強かったり、ダークファンタジー風だったりと、飽きさせない。

    特に「バシリスク」は理不尽で暴力的だが、不思議なカタルシスを感じた。

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    2024年10月15日
  • ヒトラーの描いた薔薇

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    60〜70年代の作品はエリスンの社会に対する怒りが強烈にぶつけられています。表題作「ヒトラーの描いた薔薇」では、主人公は理不尽に地獄に落とされ、神様に怒りをぶつけますがそんな中、ヒトラーは地獄の門に黙々とバラを美しく描き続けています。なかなか解釈が難しいですね。

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    2021年11月18日
  • 死の鳥

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    読中は圧倒的な悪夢におぼれるよう、読後は切ない寂寥感が残る。
    創世記をSF的別視点で書いた「死の鳥」、永遠に地獄が続く「おれには口がない」、文明の進歩を自問する「ジェフティは五つ」。
    重くて短編集の感じがしない。

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    2021年02月09日
  • 危険なヴィジョン〔完全版〕3

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    1,2よりも面白かった。
    『男がみんな兄弟なら、そのひとりに妹を嫁がせるか?』
    『代用品』
    『行け行け行けと鳥は言った』
    『幸福な種族』
    『政府印刷局より』
    『破壊試験』
    『カーシノーマ・エンジェルス』
    が印象に残った。

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    2020年01月12日
  • 危険なヴィジョン〔完全版〕 1

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    どんな本かって?
    日本で大森望が編んでるNOVAの様な本。
    米国で半世紀以上前に編まれたもんだけどねー

    曖昧な記憶の中ではエリスンは感じの悪い評論家だった。

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    2019年08月03日
  • ヒトラーの描いた薔薇

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    朝日新聞の書評に掲載されていた。ヒトラーということでドイツでの小説と想定していたら全く異なっていた。短編集の中でのひとつの小説である。最後の地獄の場面で、地獄に落ちたヒットラーが地獄の門にバラを描いているというだけであった。

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    2017年06月01日
  • ヒトラーの描いた薔薇

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    『世界の中心で愛を叫んだけもの』のタイトルがぱくられました!という事で変な風に名を馳せたハーラン・エリスンですが、SFファン、それもオールドSFファンには嬉しい短篇集。
    エリスンの小説はSFというにはちょっとテイストが違って、ロアルド・ダールなどの作品に近いようなところもあると思う。
    今回印象に残ったのは、まず冒頭にある『ロボット外科医』。雰囲気的にはレトロというか、ああ古いな、と思うところもあるけど、機械化による人間排除、それによる影響などが鋭く洞察されているのが面白い。エリスン作品にしては珍しく、ラストが爽快でもある。
    『バシリスク』はかなり痛い。ベトナム帰還兵問題を扱った作品で、この時期

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    2017年05月10日
  • 死の鳥

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    ワン・アンド・オンリーな孤高のSF作家、ハーラン・エリスンの日本独自編集短編集。
    日本人SF者として何が嬉しいかって、収録作全てが伊藤典夫氏の翻訳だということ。エリスンの作品は、全編これ暴力と狂気の世界です。猥雑で非情で容赦のないこの世界観を、悪趣味一歩手前のギリギリのラインで美しい言葉遣いでまとめる手練の技は、正に伊藤典夫氏の職人芸。

    10編の短編が収められていますが、「これSFじゃないでしょ」な作品も結構あります。でも、何だろうなぁ、SFというジャンル分けするのがもったいないような独特の存在感。
    ブラッドベリの妖艶さでもなく、ディレイニーのスタイリッシュさでもなく、正に「エリスン節」とし

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    2016年12月12日
  • 死の鳥

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    「悔い改めよ、ハーレクィン」とチクタクマンはいった、とか、おれには口がない、それでもおれは叫ぶ、とか、いやいやいや、邦題がww
    読んでいる間じゅう不吉さが低周波のように感じられるところが大好きなマルケスっぽいんだけれど、あの乾いた感じがなくてずっとぐじゅぐじゅしててきもちわるい。でもページをめくる手が止まらん、そんな作品。

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    2016年09月19日
  • 死の鳥

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    ネタバレ

    『ランゲルハンス島沖を漂流中』に挟まれる
    愛犬の感傷的エピソード、
    『ジェフティは五つ 』が突き付ける圧倒的ノスタルジー
    にもかかわらず絶対者による徹底的、無慈悲な暴力。
    それに抗う人や飲み込まれる人。
    甘く苦く切なく辛く、常識的で狂気もはらむ、
    いろいろな感情・感性を刺激させられる短編集。

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    2016年08月31日
  • 死の鳥

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    エリスンらしい詩的な文体にメタファーを感じさせる深みのある華やかな短編集。
    「ジェフティは5つ」はとても印象に残った。
    悲しくもあり必然でもある発想と展開に切なくなりました。

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    2025年09月23日
  • 死の鳥

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    ハーラン・エリスンの短編集。
    全体的に暗く、悲しい雰囲気に満たされており、良い意味で尖った作品ばかりだった。

    個人的には表題作「死の鳥」と「プリティ・マギー・マネーアイズ」、「ジェフティは五つ」、「ソフト・モンキー」の4篇が特に楽しく読み進めることが出来た。

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    2025年09月04日
  • 危険なヴィジョン〔完全版〕 2

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    収録作は以下のとおり。

    月へ二度行った男(ハワード・ロドマン)
    父祖の信仰(フィリップ・K・ディック)
    ジグソー・マン(ラリイ・ニーヴン)
    骨のダイスを転がそう(フリッツ・ライバー)
    わが子、主ランディ(ジョー・L・ヘンズリー)
    理想郷(ポール・アンダースン)
    モデランでのできごと(デイヴィッド・R・バンチ)
    逃亡(デイヴィッド・R・バンチ)
    ドールハウス(ジェイムズ・クロス)
    性器およびまたはミスター・モリスン(キャロル・エムシュウィラー)
    最後の審判(デーモン・ナイト)

    ハーラン・エリスンの伝説的アンソロジー「危険なヴィジョン」第二弾。刊行されてもう半世紀は過ぎているので、もはや危険と

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    2025年04月28日
  • 危険なヴィジョン〔完全版〕 2

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    SF。短編集。
    ニーヴン「ジグソー・マン」は再読。
    シリーズ1巻が期待外れだったことで期待値が下がっていたせいか、わりと満足。
    ディック「父祖の信仰」、ニーヴン「ジグソー・マン」、ジェイムズ・クロス「ドールハウス」の3作が特に好み。
    読みやすく、ホラーとして楽しめる「ドールハウス」が個人的ベスト。
    解説で絶賛されていたキャロル・エムシュウィラー「性器および/またはミスター・モリスン」は、面白さがいまいち分からず。奇抜さは伝わるんだけどね。
    3巻にはディレイニーの作品が収録されるらしいので、そちらも期待。

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    2023年11月25日
  • 死の鳥

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    勿論難しかった。特に死の鳥。ランゲルハンス島でやっと。まだ入り口。米国ノスタルジーは他国でもなんとなく理解できるけど、日本のノスタルジーは別世代の狂騒として温かい目で見てしまうの不思議。宣伝の力?

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    2023年05月13日