ハーラン エリスンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
カッコいい小説てえのを知りきゃ、エリスンを読みな。
まず、タイトルがいい。「『悔い改めよ,ハーレクィン」とチクタクマンは言った」。時間を守れない奴っているわな。それがハーレクインであり、ハーラン・エリスンなのであるが、そいつのせいで超管理社会を管理するチクタクマンまで調子が狂ってしまう話。
「俺には口がない,それでも俺は叫ぶ」。遠未来、AIによって慰み者にされる人類。タイトル通りの話。
「北緯38度54分、 西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中」、これも実に凝ったタイトルだが、『SFマガジン』初出時に読んだときには、ランゲルハンス島がおなかのなかにあるなんてことも知らなかっ -
Posted by ブクログ
『世界の中心で愛を叫んだけもの』のタイトルがぱくられました!という事で変な風に名を馳せたハーラン・エリスンですが、SFファン、それもオールドSFファンには嬉しい短篇集。
エリスンの小説はSFというにはちょっとテイストが違って、ロアルド・ダールなどの作品に近いようなところもあると思う。
今回印象に残ったのは、まず冒頭にある『ロボット外科医』。雰囲気的にはレトロというか、ああ古いな、と思うところもあるけど、機械化による人間排除、それによる影響などが鋭く洞察されているのが面白い。エリスン作品にしては珍しく、ラストが爽快でもある。
『バシリスク』はかなり痛い。ベトナム帰還兵問題を扱った作品で、この時期 -
Posted by ブクログ
ワン・アンド・オンリーな孤高のSF作家、ハーラン・エリスンの日本独自編集短編集。
日本人SF者として何が嬉しいかって、収録作全てが伊藤典夫氏の翻訳だということ。エリスンの作品は、全編これ暴力と狂気の世界です。猥雑で非情で容赦のないこの世界観を、悪趣味一歩手前のギリギリのラインで美しい言葉遣いでまとめる手練の技は、正に伊藤典夫氏の職人芸。
10編の短編が収められていますが、「これSFじゃないでしょ」な作品も結構あります。でも、何だろうなぁ、SFというジャンル分けするのがもったいないような独特の存在感。
ブラッドベリの妖艶さでもなく、ディレイニーのスタイリッシュさでもなく、正に「エリスン節」とし -
Posted by ブクログ
収録作は以下のとおり。
月へ二度行った男(ハワード・ロドマン)
父祖の信仰(フィリップ・K・ディック)
ジグソー・マン(ラリイ・ニーヴン)
骨のダイスを転がそう(フリッツ・ライバー)
わが子、主ランディ(ジョー・L・ヘンズリー)
理想郷(ポール・アンダースン)
モデランでのできごと(デイヴィッド・R・バンチ)
逃亡(デイヴィッド・R・バンチ)
ドールハウス(ジェイムズ・クロス)
性器およびまたはミスター・モリスン(キャロル・エムシュウィラー)
最後の審判(デーモン・ナイト)
ハーラン・エリスンの伝説的アンソロジー「危険なヴィジョン」第二弾。刊行されてもう半世紀は過ぎているので、もはや危険と