伊丹敬之のレビュー一覧
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■戦略とは何か
「誰に何を売るか」「売るためのインプットとしてのコストをどれだけ減らせるか」についての設計図
設計図については、競合他社や市場も含めた上でどのように競争に勝っていくのか盛り込む
短期的な視点だけではなく、長期的な視点で考える
→競争相手がすぐに追いつける戦略ではずっと勝てない
→将来なりたい姿のために短期的には捨てる部分があることを明確にしないと、実行する従業員も仕事に身が入らない
設計図には、何を武器にして競争に勝っていくのか(あるべき姿)
とそのためのシナリオを記載する
過去の延長線上の話は戦略ではない
ボトムアップで作る戦略は戦略ではない
■戦術とは何か
戦略 -
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ネタバレ【書評】
本書は日本型のあるべきコーポレートガバナンスを検討した書で、日本企業の従業員主権的なあり方が、決して閉鎖的で自己完結的なものではないと主張する。株式会社制度の歴史、日本社会の歴史、資本主義の多様性の観点を検討することで、日本型従業員主権企業の普遍性と合理性を理論的に考察した本である。
曰く、会社が社会構築物である以上、会社の仕組みや法制度は社会に根付かねばならない。日本がせねばならぬは、ただ欧米の型を導入するで無く、日本の歴史と株式会社制度の本質に根ざした改革であり、本書はそのためのたたき台となることを意図して書かれた意欲作である。
【まとめ】
従業員主権という慣行に基づ -
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経営学について読みやすくスゥッと入りやすい一冊。
たとえば、概念的な問いで、「なぜ会社で働くのか?」というと、
人は一人ではあまり大したことはできないことが多いから。
逆に言えば、人は人と協力して何かを成し得ることができる。
会社がその場を提供してくれているというわけです。
当たり前にあるものというミカタではなく、
その場所があることを、素直に、大切にしたいと思います。
人が一人で生きる場所はなく、もしも一人で生きていたら…と想像することもとても難しいことです。
そして、経営とは何か?
それは、人間の神経に該当する情報の流れ、人間の心に該当する感情の流れがうまく機能して、つまりそれ -
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入門ながら大著。ハードカバーで600ページ弱あるのでなかなかの重み。
レビューを見ている限りでは、なかなか評判のいいテキストだったので身銭を切って買うことにした。3000円。
というのは、バイトの経営学部のやつに、経営学部じゃなくせに何言ってんの、みたいな感じで見られたのが腹立たしかったからだ。まぁこれもいいきっかけだから経営学について勉強してみることにした。幸い一応バイトをしているので、少しくらいは実感を持って勉強できそうな気がしているのだ。
もうひとつ経営を勉強したいと思った理由があって、それはドラッカーの『マネジメント』を少し前に買って読んだのだが、いまいちピンと来なかったのが気持ち悪か -
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東京理科大学総合科学技術研究科教授、一橋大学名誉教授である伊丹敬之氏による「イノベーションを興す」。
本書で定義されているイノベーションのプロセスは「①筋の良い技術を育てる②市場への出口を作る③社会を動かす」であり、このプロセスでイノベーションを進めていくにはどうすれば良いかということが、順序立てて説明されている。
調査結果等に基づいて論理が展開されているというよりは、著者の考えが論理的に書かれている。
メーカーでのエンジニアの経験がある私としては、大学教授という立場にも関わらず、技術開発の現場を熟知していることに何度も驚かされながら読み進めていったが、社会人大学院の教授ということで、現 -
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・イノベーションの三段階プロセス
①筋のいい技術を見つける
・筋のよさとは
(ア)科学の原理に照らして原理的深さを持つ
(イ)社会のニーズの流れに照らして、人間の本質的ニーズに迫っている
(ウ)自分たちの得意技に照らして、付かず離れずの距離にある
・データもディテールもほどほどにして、原理の高みに上がって技術の俯 瞰図を描ける人が技術の目利き
・偶然は準備のある心の持ち主に微笑む。そして「準備ある心」と は、次の三つのステップへの努力と能力を備えた心
(ア)偶然が生まれる:偶然の現象が起きる確率を高める努力
A.意味のある偶然が起きやすいような活動領域・状況を設定する 努力
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伊丹さんのMOT関連の書籍の印象がよかったので購入してみました。サブタイトルに「入門」とある通り、経営に関する幅広いテーマについて平易な言葉で説明されています。その分、物足りなさもあるかもしれません。
それでも内容には、単なる既存のマネジメント論や戦略論の引き写しだけでなく、少し背伸びをさせてみて成長を促す「オーバーエクステンション」や階層型のマネジメントと対比させた「場のマネジメント」など、独自な視点も展開されています。ドライなものだけでなく、ウェットな部分も大事にしているという印象を受けます。
「人は性善なれど弱し」
なるほど、そうかもしれないですね。 -
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大学の教科書を流し読みしてみた。
時々、面白いエピソードもあるにはあるが、第4部までは地味な経営の基礎知識の解説。第5部から本質に迫る内容になっている。第5部に関しては非常に読み応えのある内容になっていた。
「つまり、ほどよいバランスを常にとってスムーズな成長経路を企業がたどっていくことはほとんどない。企業は振り子のようにゆれ動くのがふつうである、揺れながら、成長していく。そして、ゆれ動きながら、企業は長期的なバランス、ダイナミックなバランスを取っている。
もちろん、二つの極の間のバランスの取り方には、『つねに中庸を狙う』という方法もある。しかし、そのやり方には無理が多そうだ。バラン