原田伊織のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレまず、内容の濃さに圧倒されます。
賛否両論はありますが、この内容が事実だとすれば、明治維新はテロリストたちによるクーデターという姿になります。
さらに、彼らが主張した尊王攘夷の尊王とは、天皇という名前を利用するだけの単なる玉(手段)であり、攘夷とは、武器商人と裏でつながる見せかけのスローガンだったことになります。
となれば、学校教科書は書き直さなければいけませんし、100円紙幣になった板垣退助や500円紙幣となった岩倉具視たちの再評価も必要です。
では、具体的な本書の主張をみておきましょう。(一部意訳あり)
明治維新が創り出したものは、「国民」ではなく「皇民」である。(P131)
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Posted by ブクログ
新聞広告等で最近やたらと目にするので気にはなってたんですが
単行本で買うほどのものでも無かろうと思ってたところ
文庫で”完全増補版”が出ていたので購入。
政権の宣伝している「維新百五十年記念」には胡散臭さも感じますが、
この書の「明治維新断罪」にも頷けないところが多いです。
もちろん多様な見方があって面白い。
本書にも少し触れてあるように末期幕府もかなり優秀で頑張っていた事、
長州側もかなりヒドかった事等はもう少し認識されて良い事だと思います。
その意味でもキチンとした冷静な専門家の研究・反論を待ちたい(著者も言ってる)
読み物としてはこの作家のシリーズ、文庫本辺りでならもう少し追っかけてみ -
Posted by ブクログ
ネタバレう~ん。。。。
恥ずかしながら日本史には全く疎い身であっても
幕末薩長の非道ぶりについては、会津関連の読み物をいくつか読んできてある程度の理解はあった。
筆者の言う「維新志士=成功したテロリスト」論も、なるほど確かに納得もいく。
薩長が中心となって為された御一新であるためその後の歴史教育は必然的に“官軍教育”でしかない・・・という筆者の主張も、なるほどなと思う部分は多々あった。
しかし!
しかし、いかんせん、論調が激しすぎやしまいか?
薩長土肥を悉くテロリストだの逆賊だの、維新志士と呼ばれてきた者たちをならず者だの出自は身分の卑しい者だの・・・。
主張の大筋(方向性)が -
Posted by ブクログ
著者の原田伊織氏は、京都に生まれ、大阪外大を卒業し、広告代理店勤務、編集ライター等を経て、2005年に私小説『夏が逝く瞬間』で作家デビューした。本書は、2012年に発刊、2015年の改訂増補版がベストセラーとなり、2017年に文庫化されたもの。本作品発表後、幕末維新をテーマにした多数の本を執筆している。
本作品は、著者によれば、「私たちが子供の頃から教えられ、学んできた幕末維新に関わる歴史とは、「長州・薩摩の書いた歴史」である・・・本書は、「長州・薩摩の書いた歴史」のポイントには触れるものの、それを改めて克明になぞろうとするものではない。読者諸兄は、学校教育やその後に接した著作物などを通してそ