ドナ・タートのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
2014年度のピューリッツァー賞を受賞した傑作小説。ディケンズを読んでいるかのようにドラマティックかつスリリングなストーリーテリング。日本語版は全4冊という重厚長大な作品であるが、いざページを繰ればあっという間に読み終えてしまった、というのが実感。
物語はレンブラントの弟子であったカレル・ファブリティウスの傑作絵画「The Goldfinch(ごしきひわ)」から始まる。一匹の鳥が静かに佇む絵画を巡り、主人公の少年テオは母と共に訪れた美術館で爆発テロに遭遇し、命は助かるものの、最愛の母を亡くす。奇跡的に生還したテオは爆発によって息絶えようとしている謎の老人の指示に従って絵画を盗み出したところか -
Posted by ブクログ
*出版社様の太っ腹なご恵贈で全巻読みました。
全4巻に渡る長大な物語。
舞台はアムステルダム、ニューヨーク、ラスベガスにまたがる。
物語の主役は少年テオと、1枚の名画「ごしきひわ」(=ゴールドフィンチ)である。
冒頭はアムステルダム。若者テオはのっぴきならない状況の中、アムステルダムのホテルにいる。なぜこうなったのか。テオは回想し始める。
13歳のテオは、ニューヨークで、チャーミングな母と2人に住んでいた。ある日、2人は美術館の特別展に出かける。たまたま訪れたそこで、不運にも爆破テロに遭遇する。瀕死の見知らぬ老人から「ごしきひわ」を持ち出すように告げられたテオは、混乱の中、絵を外し、美術 -
購入済み
冗長か?
翻訳はキビキビとした短いセンテンスの日本語でうまくまとめられていると思う。しかし、原文の大変に丁寧で細かい事物の描写や心象の描写が、実に時代がかっている。19世紀以前のいわゆる文豪の時代の作品であれば、このような冗長な描き方が普通であったのだろうが、21世紀に入ってかなり経つ現代において、このような表現をしている作家がいることに驚いた。
-
Posted by ブクログ
主人公のテオの最後の物語、今度はニューヨーク
からの逃避行そして行き着いたのは、
アムステルダム!
悪友のボリスに連れられ、訳の分からないテオ
だがあの絵を取り戻す為に練られた計画
を又破天荒なボリスに聞きテオは新たな
危ない深みにはまっていく。
そして、計画は失敗しテオはマーティンと言う悪党
を偶然にもピストルで撃って殺してしまう。
後悔と錯乱で、テオの精神はカオスの様に
悪夢の様なアムステルダムでの出来事をへて
何とかしてニューヨーク帰還。
そして最後は1巻の冒頭へと繋がっていく。
最後まで主人公を導いたゴールドフィンチ、
その美しい姿は彼の母親や愛してやまないピッパ
てして、ハービーの正 -
Posted by ブクログ
とりあえず最後まで読んだ自分がエラいと思った(笑
一枚の名画に魅了されて翻弄されまくる人生を送る主人公。
主人公の少年期から青年期までをじっくり描いていて、NYからラスベガス行ったりオランダ行ったり、話のスケールがでかい。
個人的には前半の少年期の先が読めない感じは楽しかったし、
後半の、美術に対する著者の熱い思いが透けて見えるような作文(←もはや小説というより作文と呼びたくなってくる)も、まあ嫌いじゃない。感動して書き留めたくなる箇所もあった。だから決して読んだことは不満じゃないし、読んでよかった。
ただ、やっぱり長すぎると思う。
だらだらとしたイメージの羅列みたいのが多すぎる。
それが -
購入済み
辛すぎる
母親とテロに遭う所まで読みましたが、辛すぎて読み進められませんでした。
作者が巧みなのだと思いますが、悲惨な話が延々と続くのでもういいかなと思いました。
皆さんお気持ちが強くてすごいです