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Posted by ブクログ
自分にとって取り返しのつかないことが起きて、その傷は「修復」出来るかどうかも分からない。
何か優しいもの、明るいものを求める根底に、塞ぎようのない闇があるんだなぁ……。
何でそっちに行ってしまうんだろう、とか、取り返しようはあったんじゃないかとか。
これはホービー的な意見で、一見正しい。
でも、『ゴールドフィンチ』を持つことで彼の生き方は成り立っていて、それは正しいとか正しくないではきっと表せないものがある。
テオは、自分と同じように傷付いたモノを、純粋に探して、探して、より深みに嵌っていく。
だけど、大いなるモノと出逢ってしまったら、それに相応しい物語を演じるしかないのではないか。
それは、『ゴールドフィンチ』であり、美術館爆破テロでもあり、それに出逢ったことで、テオは主人公に「ならざるを得なかった」のだと思う。
勿論、この小説は誰かが書いたもので、そこには自然現象ではない故意や思惑がある。
裏返すと、私たちが目にしている世界の醜悪なニュース達だって、誰かの故意や思惑がある日待ち受けているものだとも言える。
どちらも非常によく似た構造で。
だから、この物語が終わりを迎えることに少し安心をしている自分がいる。
テオが歩んだから、テオには『ゴールドフィンチ』以外に持つべきものを手に入れたとも言える。
Posted by ブクログ
テオは、絵画を取り戻すためにボリスとオランダへ。一時奪還に成功するが、襲撃に合いまた奪われてしまう。
その際、銃で相手を殺めてしまったことを苦悩するテオ。パスポートもなく、異国の地で脱出もできずに自殺を図った。死にきれずに目を覚ますと、ボリスが大金を携えて現れた。絵画を盗んだ奴らを追跡し、美術警察に通報。他にも大量の盗難絵画が発見され、報奨金をたんまりと手に入れた。テオは、ゴシキヒワの絵画を取り戻すことではなく、無事な状態に返すことが目的だったため、結果的にその目的が果たされることになった。
テオはニューヨークへ帰り、ポッパーにこれまでのことを打ち明ける。
ようやく読み切ったというのが、素直な感想。後半に行けば行くほどテンポ良く話が進んだのは良かった。
現代の都会に生きる、ヒーローにはなれないが普通ではない人の一代記といった感じだろうか。母親の死、父からの愛情不足、精神疾患など、様々なハンディを抱え、テオの今後の人生もそこまで順調とは言えないだろう。ただ、最後で、ボリスやポッパーから、テオの状態を客観視するような意見が出ていたのは、少しだが彼の人生に対して晴れやかな印象を与えていたような気がした。
Posted by ブクログ
2014年度のピューリッツァー賞を受賞した傑作小説。ディケンズを読んでいるかのようにドラマティックかつスリリングなストーリーテリング。日本語版は全4冊という重厚長大な作品であるが、いざページを繰ればあっという間に読み終えてしまった、というのが実感。
物語はレンブラントの弟子であったカレル・ファブリティウスの傑作絵画「The Goldfinch(ごしきひわ)」から始まる。一匹の鳥が静かに佇む絵画を巡り、主人公の少年テオは母と共に訪れた美術館で爆発テロに遭遇し、命は助かるものの、最愛の母を亡くす。奇跡的に生還したテオは爆発によって息絶えようとしている謎の老人の指示に従って絵画を盗み出したところから、歯車は急速に回り出し・・・。
主人公であるテオの成長に従って、極めて魅力的な周辺人物が現れ、物語の舞台もニューヨーク、ラスベガス、アムステルダムと緊張感を増しながら様々に移り変わっていき、一時も読者を飽きさせない。作品のメッセージが何か、という形而上学的な問題はさておき、脳に直結するようなフィジカルなストーリーテリングの面白さが味わえる文学作品はそうそうない。
Posted by ブクログ
主人公のテオの最後の物語、今度はニューヨーク
からの逃避行そして行き着いたのは、
アムステルダム!
悪友のボリスに連れられ、訳の分からないテオ
だがあの絵を取り戻す為に練られた計画
を又破天荒なボリスに聞きテオは新たな
危ない深みにはまっていく。
そして、計画は失敗しテオはマーティンと言う悪党
を偶然にもピストルで撃って殺してしまう。
後悔と錯乱で、テオの精神はカオスの様に
悪夢の様なアムステルダムでの出来事をへて
何とかしてニューヨーク帰還。
そして最後は1巻の冒頭へと繋がっていく。
最後まで主人公を導いたゴールドフィンチ、
その美しい姿は彼の母親や愛してやまないピッパ
てして、ハービーの正直な生き方こそ
テオが生涯追い求めた美しい者たち、芸術、愛
なのだと思った。
Posted by ブクログ
とりあえず最後まで読んだ自分がエラいと思った(笑
一枚の名画に魅了されて翻弄されまくる人生を送る主人公。
主人公の少年期から青年期までをじっくり描いていて、NYからラスベガス行ったりオランダ行ったり、話のスケールがでかい。
個人的には前半の少年期の先が読めない感じは楽しかったし、
後半の、美術に対する著者の熱い思いが透けて見えるような作文(←もはや小説というより作文と呼びたくなってくる)も、まあ嫌いじゃない。感動して書き留めたくなる箇所もあった。だから決して読んだことは不満じゃないし、読んでよかった。
ただ、やっぱり長すぎると思う。
だらだらとしたイメージの羅列みたいのが多すぎる。
それが良い、っていう人もいるんだろうけど
例えばジュンパ・ラヒリは長編を書いても全ての文章が美しいと思えるし、全文しっかり目を通す価値があると思えるけれど、この人のは速読で読んでも事足りるんじゃないかと思うような、飛ばし読み可のページがけっこうあったと思う。感性の違いといえばそれまでだけど。
美術やアンティークやら何やらの蘊蓄だけでなく、現代のカルチャー(日本のオタクカルチャーにもたびたび言及)もふんだんに盛り込み、とにかく調べたこと全部書きたかったのね、、、と感じた(苦笑)。男性の作家の方がそういうタイプ多いけど。
10年に一回出すくらいでちょうどいい作家さんなんじゃないかと思いました。この人自分をわかってる!!
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