安田喜憲のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
メソポタミアに始まるいくつもの文明が、森林を収奪することによって成り立ち、森林資源が失われる度に衰退を繰り返してきたことを、花粉分析の結果から明らかにしている。
都市の形成による支配階級の誕生、金属の精錬や砂糖の生産のための薪の需要、一神教の普及による人間の自然支配の概念などが森林破壊と森林資源をめぐる争いを招き、資源の枯渇や、土壌流出と湿地拡大による疫病の蔓延などによって衰退していった。
一方で、温暖湿潤な気候に恵まれた日本では、森の恵みを享受し、自然と共存した生活を続けることができていた。西洋的な文明だけが発展ではないにも関わらず、世界全体が西洋化しつつある現代に疑問を投げかける。
今日直面している地球環境問題も、自然保護といった断片的な問題なのではなく、文明のあり方そのものが問われていることが理解でき、とても示唆に富んだ内容の書である。 -
Posted by ブクログ
やっと。読んだのだ。
安田喜憲の本としては シンプルになっていていい。
仮説が 仮説でなくなる部分もあって たのしい。
龍が ヘビではなく ブタ、シカ、ウマの龍がある
というのは、なんとなく、間抜けな感じがある。
ブタ龍 って、滑稽すぎる。
それが 母系性から 父権性に変化していく過程で
権力の象徴としての 龍として羽ばたく。
それが 7000年前のこと。
苗族が 長江文明をささえた。
太陽 鳳凰 そして ヘビ。多神教。
鳳凰も想像上の動物である。
太陽を運ぶ 鳥。まさに 手塚治虫の世界である。
寒冷化がおこることで、5000年前に龍の勢力が南下して
太陽と鳳凰は 雲南へ。もしくは日本へ。
しかし、天皇は 龍の紋章ではなく キクの紋章となっている。
なぜ キクの紋章なのだろうか?
大理の三塔から 大鵬金翅鳥が発見される。
この鳥は 大龍を1匹 小龍を8匹食べると言う。
龍を恐れない鳥である。
イザナギとイザナミが 国をつくる。
子孫 アマテラスとスサノオが 高天原神話。
アマテラスの子孫が ニニギノミコトとなっている。
アマテラスは 太陽神。
スサノオは 森の神。
ニニギノミコトは、長江下流から、九州の南端に流れ着いた。
コノハナサクヤヒメと結婚する。ヤマサチとウミサチがうまれる。
ヤマサチと結婚するトヨタマヒメは ワニだった。
ヤマサチとトヨタマヒメの孫が 神武天皇。
天皇神話に ふかく 長江文明がかかわってくるのだ。 -
Posted by ブクログ
本の編集は うまいなぁ。
青森県 三内丸山遺跡から発見された目が大きな縄文土偶。
なぜ目が大きいのか?
シリアで、大地母神イシュタルの像
ギリシャ神話からローマ時代へのメドゥーサ。
巨像モアイ
5000年前 長江文明 神獣人面文様
四川省成都 三星堆遺跡
『人は死ぬとまず目に力がなくなる。古代の人々はその目の不思議な力に畏敬の念を抱いた。目は命の源泉であり、人間の命の窓だった。生命の再生と循環を司る目は、森の心の窓でもあった。』
目から 突然 森に飛躍するところが、安田喜憲らしい。
次は 蛇を テーマにして 語る。
蛇巫女 そして 蛇とのまぐあい。
日本書紀 モモソヒメとバチカン博物館の蛇巫女。
常陸国風土記 ヌカビコとヌカビメ。
しめ縄が蛇のまぐあっている姿だと言う。
ツノのあるヘビ。
ヘビは 農耕文化に深い関係がある。
森がなくなることで文明が衰退する。
そういう歴史が繰り返された。
温暖化時期に 旱魃と風水害 がおこった。
最澄と空海は 温暖化時期に生きていた。
人間が生きること。それは森を破壊することである。
砂漠で キリスト教が生まれ
森で 仏教がうまれた。森は基本的には 多神教である。
なぜ 神道と仏教が融合できるのか?
そこは 森の民だからだ。
『こだわり』と『いいとこどり』の文化
環境破壊の時代に 森の心を持って立ち向かうことが
大切なのかもしれない。
と思うほど、安田喜憲のアジテーションが効いている。 -
Posted by ブクログ
6000年前の遼寧省や内モンゴルで発展した紅山文化の遺跡から猪龍がいくつも発見されており、龍は畑作牧畜民の文化として猪や馬をモデルにして誕生したと考えられる。アジアモンスーンが南へ後退して乾燥したため、紅山文化は5000年前から衰退しはじめ、4000年前に完全に崩壊した。
一方、長江中流域では太陽と鳥が信仰されていた。遺跡は5000年前から城壁が大型化して人口が増加しており、玉や龍の信仰が顕著になってくる。4000年前になると、中原起源の三足土器が出現している。気候の寒冷・乾燥期に、北方の人々が南下したことが推測できる。
日本列島への稲の伝搬は、稲のDNAの研究からは東シナ海を越えて直接九州南部に上陸した可能性が考えられる(佐藤洋一郎)。これは、古事記においてニニギノミコトが薩摩半島西岸の笠沙に天下ったとしていることと呼応する。
気候変動によって文明が崩壊したり、人々の移動を促したことはあっただろう。歴史の大きなダイナミズムとしてはおもしろい。紅山文化の土器と縄文土器との類似性から、紅山文化の人々が日本列島に渡った可能性についても指摘されているが、本書だけでは説得力は感じられない。