作品一覧

  • 地球文明の寿命 人類はいつまで「発展」を享受できるか
    3.0
    1巻1,600円 (税込)
    21世紀、文明の課題は「環境問題」である。自然を破壊し地球資源を浪費して繁栄する現代文明は、エネルギー収支から換算すると、百年持たないという。本書では、人類文明誕生以来の「自然と人間の関わり方」を読み解き、そこから人間が生き残るための文明のあり方を考える。著者は文明を、エネルギー活用の違いから「フロー依存型とストック依存型」に分類する。フローとは太陽光や風や水などで、ストックとは石油や鉄鉱石など埋物資源である。古代文明のうち、フローに依存したエジプト文明、縄文文明は長寿だったが、ストックに頼り自然を積極的に加工したメソポタミア文明は急速に滅んでいく。そして現代文明はストックに頼りすぎ、発展を得るために大規模な自然破壊を繰り返している。地球史始まって以来の凄い状況である。人類存続への最後の手段として「生き方の思想」を大転換させ、フロー依存型文明に変わる事を解く、警世の対論。
  • 森を守る文明・支配する文明
    4.5
    1巻720円 (税込)
    森は洋の東西を問わず、人類の命脈だった。縄文以来、日本人は森を崇め「森の文化」を継承してきた。しかし現代文明は次々と森を破壊し、ついに、地球環境を破壊寸前までおとしめた。人類は、いつから森の神々への畏敬の念を失い、森を支配しはじめたのか? その結果、人類を襲ったものは何だったのか? 「環境考古学」の確立者である著者が、古代の気候変動のデータをもとに、自然環境と文明興亡の深遠なる関係を解き明かす。
  • 水の恵みと生命文明
    -
    環境考古学者・安田喜憲、待望の「代表的講演集」。深刻さを増す世界の「水危機」――。人類を救う可能性を秘めた日本の伝統と英知。森里海、そして山を大切にし、生命の「水」の循環を守る文明へ――。稲作漁撈文明の発見や、富士山の世界遺産登録への道、蛇のイメージの変遷、古代文明は四大文明だけだったのか等、豊富な話題を通して、ライフスタイル変革の必要性を訴える。
  • 人類一万年の文明論―環境考古学からの警鐘
    -
    1巻2,640円 (税込)
    森を破壊する西洋型文明から、生命の水と森を守る日本型文明へ 日本の環境考古学の権威で環境史観の提唱者による文明論の集大成 いつしか世界は自然を一方的に収奪・搾取し、お金儲けすることが最高だとする経済学に支配され、自然と共生する歴史観・文明史観は古いタイプのものとしてさげすまれてきた。だが、このまま自然収奪・搾取型の文明で突き進んでいけば、人類は西暦2050年頃に危機を迎えることになる。日本人は自然と持続的に生き続ける歴史観・文明史観とライフスタイルを、縄文時代以来とり続けてきた。日本人が大切にしてきた、(1)生命の水の循環を維持し、(2)自然への畏敬の念を持ち、(3)他者の幸せを願い、(4)資源の循環的利用を考える文明社会を構築してこそ、人類はこの美しい地球で千年も万年も生き延びることが可能になるかもしれない。(「本文より要約抜粋」) 【主な内容】 ・地球の王者の食/・年縞に秘められた謎/・地球の大いなる誤算/・イエスの年縞/・中世温暖期の平氏と源氏/・環太平洋文明圏/・コロンビアの熊野古道/・熱帯林は緑の魔境ではない/・サルスベリの花の記憶/みちのくの未来/・森の長城作戦/・環太平洋の災害と文明/・富士山と三保松原が世界文化遺産になった/・ポスト3・11は生命文明の時代/・日本文明のエートスを世界へ
  • 山は市場原理主義と闘っている―森を守る文明と壊す文明との対立
    3.0
    1巻2,640円 (税込)
    「森林」「環境」をキーワードに太古からの文明の衰亡を検証。米国・中国の影響力が大きくなる世界システムに対し、文明論の立場から警鐘を鳴らす。
  • 森と文明の物語 ――環境考古学は語る
    5.0
    1巻660円 (税込)
    地中海に広がる古代遺跡から北ヨーロッパ、そしてアメリカ大陸に至る森林調査の旅の記録をもとに、花粉分析と先端考古学の成果を駆使して森と文明との関わりを考察した、もう一つの世界史。
  • 龍の文明・太陽の文明
    3.3
    北方を起源とし、覇権主義的な性格を持っていた龍の文明。一方、南の長江流域で発祥し、再生と循環の世界観を基本とした太陽の文明。約七千年前、この全く性質の異なる二つの文明が中国大陸の北と南に存在した。その後、二つの文明は衝突し、結果、漢民族支配の龍型・中華文明が覇権を握ることになった。そして太陽の文明は滅び、一部は少数民族と日本民族へと受け継がれ生き残る。著者は、「環境考古学」という分野を日本で初めて確立した。現在手がけている「長江文明の探求」プロジェクトを通して、「長江文明の担い手は苗族をはじめとする少数民族だった」ことを発見。その成果を本書で発表している。内容、〇龍と王権〇南北構造のルーツ〇なぜ日本人は雲南省に共感するのか〇稲作漁撈文明の系譜――日本文明の源流を問う〇覇権主義から環境主義へ、など。南北文明の壮大な興亡の歴史を読み解きながら、日本と中国の古代史に貴重な1ページを加える一冊。

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ユーザーレビュー

  • 森を守る文明・支配する文明

    Posted by ブクログ

    環境考古学者の著者が神話や文明を地層に含まれた樹木の花粉から紐解いていく。森の力のこと...etc

    いやーーすごい!勉強になった!

    0
    2018年10月18日
  • 森と文明の物語 ――環境考古学は語る

    Posted by ブクログ

    メソポタミアに始まるいくつもの文明が、森林を収奪することによって成り立ち、森林資源が失われる度に衰退を繰り返してきたことを、花粉分析の結果から明らかにしている。

    都市の形成による支配階級の誕生、金属の精錬や砂糖の生産のための薪の需要、一神教の普及による人間の自然支配の概念などが森林破壊と森林資源をめぐる争いを招き、資源の枯渇や、土壌流出と湿地拡大による疫病の蔓延などによって衰退していった。

    一方で、温暖湿潤な気候に恵まれた日本では、森の恵みを享受し、自然と共存した生活を続けることができていた。西洋的な文明だけが発展ではないにも関わらず、世界全体が西洋化しつつある現代に疑問を投げかける。

    0
    2018年10月31日
  • 龍の文明・太陽の文明

    Posted by ブクログ

    やっと。読んだのだ。
    安田喜憲の本としては シンプルになっていていい。
    仮説が 仮説でなくなる部分もあって たのしい。
    龍が ヘビではなく ブタ、シカ、ウマの龍がある
    というのは、なんとなく、間抜けな感じがある。
    ブタ龍 って、滑稽すぎる。
    それが 母系性から 父権性に変化していく過程で
    権力の象徴としての 龍として羽ばたく。
    それが 7000年前のこと。

    苗族が 長江文明をささえた。
    太陽 鳳凰 そして ヘビ。多神教。
    鳳凰も想像上の動物である。
    太陽を運ぶ 鳥。まさに 手塚治虫の世界である。

    寒冷化がおこることで、5000年前に龍の勢力が南下して 
    太陽と鳳凰は 雲南へ。もしくは日本へ

    0
    2013年11月18日
  • 森を守る文明・支配する文明

    Posted by ブクログ

    本の編集は うまいなぁ。
    青森県 三内丸山遺跡から発見された目が大きな縄文土偶。
    なぜ目が大きいのか?
    シリアで、大地母神イシュタルの像
    ギリシャ神話からローマ時代へのメドゥーサ。
    巨像モアイ
    5000年前 長江文明 神獣人面文様
    四川省成都 三星堆遺跡
    『人は死ぬとまず目に力がなくなる。古代の人々はその目の不思議な力に畏敬の念を抱いた。目は命の源泉であり、人間の命の窓だった。生命の再生と循環を司る目は、森の心の窓でもあった。』
    目から 突然 森に飛躍するところが、安田喜憲らしい。

    次は 蛇を テーマにして 語る。
    蛇巫女 そして 蛇とのまぐあい。
    日本書紀 モモソヒメとバチカン博物館の蛇巫

    0
    2013年11月18日
  • 龍の文明・太陽の文明

    Posted by ブクログ

    6000年前の遼寧省や内モンゴルで発展した紅山文化の遺跡から猪龍がいくつも発見されており、龍は畑作牧畜民の文化として猪や馬をモデルにして誕生したと考えられる。アジアモンスーンが南へ後退して乾燥したため、紅山文化は5000年前から衰退しはじめ、4000年前に完全に崩壊した。

    一方、長江中流域では太陽と鳥が信仰されていた。遺跡は5000年前から城壁が大型化して人口が増加しており、玉や龍の信仰が顕著になってくる。4000年前になると、中原起源の三足土器が出現している。気候の寒冷・乾燥期に、北方の人々が南下したことが推測できる。

    日本列島への稲の伝搬は、稲のDNAの研究からは東シナ海を越えて直接九

    0
    2018年10月31日

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