あらすじ
21世紀、文明の課題は「環境問題」である。自然を破壊し地球資源を浪費して繁栄する現代文明は、エネルギー収支から換算すると、百年持たないという。本書では、人類文明誕生以来の「自然と人間の関わり方」を読み解き、そこから人間が生き残るための文明のあり方を考える。著者は文明を、エネルギー活用の違いから「フロー依存型とストック依存型」に分類する。フローとは太陽光や風や水などで、ストックとは石油や鉄鉱石など埋物資源である。古代文明のうち、フローに依存したエジプト文明、縄文文明は長寿だったが、ストックに頼り自然を積極的に加工したメソポタミア文明は急速に滅んでいく。そして現代文明はストックに頼りすぎ、発展を得るために大規模な自然破壊を繰り返している。地球史始まって以来の凄い状況である。人類存続への最後の手段として「生き方の思想」を大転換させ、フロー依存型文明に変わる事を解く、警世の対論。
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Posted by ブクログ
対談本から得られるものは、ざっくばらんな意見や感想、大きなイメージや概念、大胆な仮説や問題提起といったものだろう。ただ、最終章の論議はあまり噛み合っていない。
俯瞰することの重要性、要素還元主義への批判。ストック型文明とフロー型の文明。人権・民主主義・市場主義への批判、マルクス思想の擁護。
・インド洋とアラビア海の深海底コアの花粉分析によると、90万年前以降にヒマラヤを境にして東の湿潤気候、西の乾燥気候が確立する。これ以降、10万年周期で氷期・間氷期を繰り返すようになる。
・インドヨーロッパ語族も漢民族も、もともとは牧畜民。