松本佐保のレビュー一覧

  • アメリカを動かす宗教ナショナリズム

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    アメリカの政治における宗教の存在についてはずっと気にはなっていたが、初めてその流れが理解できた気がする。

    昔、アメリカで生活した時には、キリスト教が生活に根付いていることが印象的だったのだが、それと民主主義的な価値観は、ギリギリと詰められることはなく、なんとなく共存している印象を持っていた。宗教的なものは、時代とともに、脱宗教化していくだろうと思っていた。つまり、政治とか、社会とか、経済にとってはマイナーな存在であると思っていた。

    今回、トランプが2度目の大統領に選出されたのをみると、やはりこうしたアメリカの宗教性がかなりの比率で原因だったのではないかと思った。

    私は、民主主義の国アメリカは好きなんだけど、神の国アメリカはとても苦手。

    これからは、アメリカだけでなく、各国で宗教をベースとしたナショナリズムが力を増していくのではないかという感じがしてきた。

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    2024年12月31日
  • 熱狂する「神の国」アメリカ 大統領とキリスト教

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    いや、これまた良書です。ほとんどの日本人が知らないであろう、アメリカにおける宗教と政治との関わりの歴史についての概説。先日の、『アメリカと宗教』(中公新書)も良書と思いましたが、こちらの方がより読んで面白いかも。まあ、どちらも良書と思いますが。
    2016年刊なので、トランプ大統領の誕生前までなのが惜しく、同著者による「その後」の解説もお願いしたいところです…。

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    2020年10月30日
  • バチカン近現代史 ローマ教皇たちの「近代」との格闘

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    その昔、教会は絶大な権力を握っていた。それはローマ帝国
    がキリスト教を国教と認めた時から増大して行った。王権神
    授説なんてのがあるくらい、世俗の王侯よりも偉い存在だ。

    「破門」という武器の下、世界は教皇庁に膝を屈した。
    ただし、破門されても気にしない。本来は教皇が指名する
    枢機卿を自分たちで勝手に決めて送り込む等、舐め切った
    態度を取ったヴェネツィア共和国は別だけど。

    しかし、フランス革命以降、カトリック教会の権威は
    失速を始める。本来であれば教皇が授けるべき王冠を、
    ナポレオンは自身の手で掲げた。

    本書は近世から現代にかけてのローマ教皇及び教皇庁の
    生き残りをかけた闘いの歴史だ。

    小国が林立するイタリアの統一国家樹立による教皇領
    存続の危機、近代化の波との対立、そして宗教は阿片
    という共産主義との闘い。

    ピウス6世から20013年3月に即位したフランシスまで
    の教皇の、それぞれの時代に教皇庁が直面した危機と
    対策をほぼ時系列でまとめている。

    聖職者といえども、神に仕えるだけが仕事じゃない。
    優れた外交手腕が必要だ。そして、世界史の大きな
    流れの中でバチカンの役割は表に出ることがほとんど
    ないと言っても過言ではないだろう。

    特にヨハネ・パウロ2世の時代は興味深い。在位期間が
    長かったこともあったのだろうが、本当に世界中を駈け
    回った教皇であり、正教会、ユダヤ教、イスラム教との
    和解・交流を実現し、宗教をベースとしながらもトップ
    外交を成し遂げた。

    バチカンものにありがちな、陰謀論は一切ない。だって、
    わずか34日の在位期間で世を去ったヨハネ・パウロ1世
    のことはほんの数行触れているだけだもの。

    しかし、現在のバチカン市国の独立を認めたのがムッソ
    リーニだっていうのが皮肉だよな。まぁ、カトリックの
    総本山としては何よりの悪は共産主義と無神論者だから
    なぁ。

    カトリックに関する知識がなくても読める教科書的な
    作品かな。

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    2017年08月19日
  • バチカン近現代史 ローマ教皇たちの「近代」との格闘

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    国際関係史の松本佐保先生によるローマ教皇庁を中心としたバチカンの近現代史についての一般向け新書です。

    本書では1789年のフランス革命から2013年の教皇フランシスコの即位まで、この200年強のバチカンの歴史を次の2つの側面から描いていきます。
    1つ目が「バチカン市国の成立」という観点です。
    フランス革命から勃興したナショナリズムは19世紀に入るとイタリア再統一という大きなうねりを引き起こします。更に産業革命によって経済的な近代化がヨーロッパ全体に波及してきます。この二つの「近代化」にたいして、宗教的権威を正当性にもつローマ教皇庁がその領土(いわゆる教皇領)をどのように支配し、1861年に誕生したイタリア王国とどのように対峙したのか。コレが本書前半の大きな観点です。
    1つ目の観点は近代国民国家とキリスト教保守主義の対立に始まり、ファシズムとの協調に終わるという少しスッキリしない結末で終わることになります。この精算は1962年の第二バチカン公会議まで待つことになります。

    『脱呪術化』という側面をはらんだヨーロッパの近代化に対し、正反対の概念に影響力の根源をもつローマ教皇庁はイタリアにおける近代化に対する重石として機能していました。教皇庁の頑迷なまでの反近代化の姿勢は、時に近代国民国家の実現に大きな支障をもたらしました。教皇庁は20世紀に入るまで選挙への参加さえ認めませんでした。しかし、20世紀に入り行き過ぎた自由主義・資本主義に対抗するため、無神論を掲げる社会主義・共産主義が流行の兆しを見せると、ローマ教皇庁は一転して政治に関与しながら行き過ぎた近代化を牽制しようとします。その根本の思想として「キリスト教民主主義」や「協同主義」を打ち立てます。
    この「キリスト教民主主義」はドイツCDUを初めとする現在のヨーロッパ諸国の保守政党の一つの源流です。ローマ教皇庁の近代化に対する苦悩の産物こそががアメリカのリバタリアンとは異なるヨーロッパ型の中道右派を生み出す重要な鍵になっていることが明らかにされます。

    2つ目の観点は「国際政治のプレイヤーとしてのローマ教皇庁」です。
    本書ではこの第二の観点から見たバチカンの動きについて大変高く評価しています。
    ローマ教皇庁は20世紀に入ると積極的に外交に関与するようになりました。とくに2つの世界大戦における人道的活動に始まり、共産主義諸国や南米軍事政権下でのカトリックに対する弾圧に対する批判や保護を活発に行なっていきます。さらに1962年に開催された第二バチカン公会議においてイスラムやユダヤとの関係を改善することによって、キリスト教世界に留まらない人権活動が可能になりました。
    ローマ教皇庁の外交力の源泉は世界に張り巡らされたカトリック教会のネットワークとその信者たちでした。著者はこの世界的ネットワークの頂点に存在するバチカンは国際的に影響力を行使できる立場から、冷戦時代から国際社会の重要なプレイヤーとなり宗教国家の特性を生かした「人権外交」を先駆けて実施したと述べています。

    17世紀ヨーロッパで主権国家体制が成立して以降の国際関係を語る上では国家と国家の関係が主題となり、ある国家が他国へ影響を与えることができるかどうかは軍事力や経済力といったパワーを中心に語られることが多かったと思います。一方で、近年では文化の力によるソフトパワー論が脚光を浴びました。その枠組の中でバチカンの外交というものを見ていくと、国境を越えた宗教の力が無視できないものであったことがわかってきます。
    バチカンが国際社会に与える影響は、20世紀においてバチカン大敵であった共産主義思想が国際社会に与えた影響と根源的には同じ要因によって生まれていると思います。宗教・思想に共鳴した人々が国境を越えてつながり、国家と国家の間を結びつける原動力となる。本書を読むとこうした国家を超越した主体が国際関係の中に存在することを改めて確認することができますし、このような視点が存在することを認識することで、ともすれば分裂し対立しがちである国家間のあり方の新しい形を想定することができるのかもしれません。

    (あまり関係のないことでありますが、冷戦時代の国際社会でローマ教皇庁が果たした役割は戦国時代において足利義昭が信長包囲網を築きあげるのに果たした役割に似ているのかもしれないと感じました。多くの御内書を各地に送付することによって室町幕府の権威を背景に大名や浄土真宗などの諸勢力を結びつけた足利義昭の役割は、権力ではなく権威によって人を結びつけて動かしたという意味では、ローマ教皇庁の外交とよく似ているような気がします。)

    本書においてはローマ教皇庁・バチカンが近現代史に大きな影響力を与えたことを明らかにする本ですので、バチカンの影響力を強めに描いている部分もあると思います。
    例えば、ヨハネ・パウロ二世以降の教皇が東欧や南米に重心をおいたことについて、もちろん彼の地のカトリックたちが教皇の助けを強く必要としたという面はあると思いますが、一方で西欧においてのカトリックの影響力の低下という側面も存在するのではないかと考えます。
    またローマ教皇庁の内部的な話については殆ど触れられることはありません。例えば宗教事業協会をめぐるスキャンダルや聖職者による少年少女に対する性的虐待がローマ教皇庁に対するイメージに与えた影響は大きなものがあると思いますが、こうした負の部分の影響まではあまり触れていません。
    その意味では、本書は「近現代におけるバチカンの影響力の大きさ」を再確認するための一冊といってもいいかもしれません。

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    2013年08月14日
  • バチカン近現代史 ローマ教皇たちの「近代」との格闘

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    主にフランス革命から現在に至るまでの歴史をバチカンを中心にして描いていて、かつバチカン(カトリック)の思想の変遷も追える。

    西欧の歴史を勉強していると、近代以前はキリスト教の存在感は大きいが、20世紀ともなるとどこか影が薄くなる。が、当たり前だがバチカンは存在していたし、キリスト教徒は増加し続けている。近年だと米国の政治にエバンジェリストたちの影響があることも話題となっているように、宗教は後退するどころか存在感を増しているとさえいえる。

    20世紀の歴史においてバチカンが語られづらいのは、戦争の世紀において軍事力を持たず、いわば外交だけで影響力を持ったことがあるのだろう。この本でも対共産主義における歴史は多くの頁を割かれている。自分にとっては知らないことが多く勉強になった。

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    2026年09月13日
  • バチカン近現代史 ローマ教皇たちの「近代」との格闘

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    ローマ教皇については教皇自身が何を行なってきたかは、歴史を勉強してもなかなか知り得ない部分だ。加えて戦後以降はニュースで名前を聞く程度で細かい事はスルーしている状況だった。この著書で戦後から現在(2015年くらい)まで、歴史はもちろん冷戦時の外交や共和国体制との対策など政治や外交についても述べられて、ローマ教皇とはどのような立場をとる人なのかをなんとなく把握できた。

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    2025年10月01日
  • 分断されるアメリカ

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    マイクロターゲティングで個々の有権者の動向を徹底的に洗い出す。例えば、ある人が、これまての5回の大統領選挙で1回も投票した事がなければ、その人のところへは戸別訪問する事はない。ある人が、1回は選挙に行った事があって、それも自政党へ投票していれば、そこをターゲットに戸別訪問する。その人が投票に行って、自政党へいれたかどうかは、一部の郡では選挙を管理する側が投票結果まで見せてくれるところからわかる.そもそも聞き込みを入れるとわかってしまう。これに加え、ネットの書き込みとか、ブローカーから売られているクレジットカードのデータとか、それらを分析していくと、かなり精度の高い人物像がわかる。そして、その人をターゲットに人海戦術でボランティアを送り自政党への投票を促す.ハイテクを使ったドブ板選挙。その結果が例えば、無理やり選挙に連れて行くためにポピュリズム的な政策をアピールする。そして、トランプというポピュリストを生み出した。

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    2025年03月11日
  • アメリカを動かす宗教ナショナリズム

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    同著者の前著『熱狂する「神の国」アメリカ 大統領とキリスト教』がとても良く、ぜひ同著者による「その後」(トランプ後)の解説も読みたいと思っていましたので即買い。私が既に色々と知っているからかもしれませんが前著ほどのインパクトはありませんでしたが、まさに「その後」の解説を興味深く読みました。
    宗教的背景が分からないとアメリカの政治や外交の半分も分からないとつくづく思う次第。

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    2021年04月05日
  • アメリカを動かす宗教ナショナリズム

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    アメリカ政治、特に大統領選において大きな存在感を発揮している福音派やカトリック保守の関連団体・人脈がいかにトランプ陣営の大物たちと深く関わっているかを解き明かす。2020年の大統領選でトランプは敗北を喫したとはいえ、彼の政策に賛同した宗教ナショナリストの勢力がなくなったわけでもなく、今後もアメリカ政治において存在感を増し続けるであろうことを思うと、現代アメリカ政治を動かす要因である宗教ナショナリズムのネットワークにいちはやく解剖のメスを入れた本書の内容は、今後のアメリカ政治の動向を観測する上での基礎となるのではないだろうか。

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    2021年03月02日
  • 熱狂する「神の国」アメリカ 大統領とキリスト教

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    日本が必死に一体化をめざしている米国ですが、それは果てしなく不可能だというのが、これを読むとわかります。
    英国からのピューリタンの移住からはじまるキリスト教とのかかわりと変遷を、時系列に並べて昨年のトランプ大統領誕生まで明らかにしていますが、そこに信じられないほどの宗教的な動きがあり、それに熱狂する米国民がいるという現実を見れば、この国だけは一体化できるはずがないと実感できると思います。

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    2018年03月17日
  • バチカン近現代史 ローマ教皇たちの「近代」との格闘

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    バチカンが近代化と向き合い、近代化と共に台頭した革命や共産主義やその他の思想や社会運動に対して、どのように対応し、また闘ってきたかについて、フランス革命の時代から現代に至るまで、ひとりひとりの教皇の考え方を中心にまとめられている。
    特に、第二次世界大戦前後の時期の教皇であるピウス11世・12世は、反ユダヤ主義および、徹底した共産主義忌避の思想のため、ナチスを容認していたという件については、残念ではあった。ただ、バチカンのその徹底した反共産主義は、のちにポーランド民主化のきっかけとなるなど、明るい側面にもつながっていく。
    第二次世界大戦頃までの記述については、もう少し、共産主義忌避の背景について述べられているとわかりやすかったと思えた時期であった。

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    2014年12月04日
  • バチカン近現代史 ローマ教皇たちの「近代」との格闘

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    ネタバレ

    20141003~1015 近現代史をバチカン視点で俯瞰できる。イタリア統一の事情も初めて詳しく知った。バチカンの活躍により、現在の西欧諸国のキリスト教系政党が成立したことも興味深い。現在のバチカンは、ヨハネ・パウロ2世の時代よりもいっそう困難な問題を内外に抱えていると思う。

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    2014年10月16日
  • バチカン近現代史 ローマ教皇たちの「近代」との格闘

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    近現代の世界の変化に対応するヴァチカンの歴史。特に20世紀のソフトパワーを生かした外交手腕は日本も参考になると思われるすごさ。

    プロテスタントとの抗争(?)おおむね敗北したあと、改革の芽も出てきて保守派と改革派のせめぎ合いとなる。一方各地で国民国家が生まれ、特にフランス革命後は宗教の否定を含む社会/共産主義も生まれ、対応を迫られる。19世紀半ば以降のイタリアではフランスの影響を受け国民国家への動きが貴族支配を打倒して行く動きが強まる。ヴァチカンは改革派教皇が出てくるが、フランス的国民国家の動きにはついて行けず、むしろ反動で保守的な対応に戻ってしまい、教皇領を失いヴァチカンに限定されてしまう。
    イタリア統一/国民国家成立後はむしろカトリックのソフトパワーを生かした動きが強まり、第一次大戦では赤十字と並ぶ人道的支援を積極的に行う。第二次世界大戦前は反共産主義からファシズムを容認する行動に出ることで後々に禍根を残す。
    第二次大戦後は反共産でプロテスタントの影響が強いアメリカとも連携し、共産圏のキリスト教勢力と連携し東側との結びつきを保つ。その中で東側最大のカトリック国であるポーランド出身のヨハネパウロ2世が選出され積極的に働きかけ東側の崩壊を促進する様はまさに世界を動かした瞬間につながる。

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    2014年04月13日
  • バチカン近現代史 ローマ教皇たちの「近代」との格闘

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    何でも世界一に興味ある子どもなら、バチカン市国が世界最小の国家であることは知っているだろう。でも、大して信心深くもない私にとって、世界各国の群衆がサンピエトロ広場に集結するニュース映像には違和感があり、なぜバチカンが世界に多大な影響を及ぼしているのか、理解できなかった。本書では、バチカン(ローマ教皇庁)がたどってきた歴史や国際政治における活動・影響力について、フランス革命のころから説き起こしている。特に、共産圏に対するバチカン外交について詳述しており、興味深い。ただ、世界史をあまり勉強してこなかったので、前史としてローマ教皇の権威がどのように盛衰していったのか、なぜイタリアの地に諸国家が分立していたのか、もう少し詳しい説明があればもっとよかった。

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    2013年09月18日
  • バチカン近現代史 ローマ教皇たちの「近代」との格闘

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    近現代のバチカン ローマ教皇についての歴史の本。ヨーロッパ史が好きな方なら楽しく読めると思う。多少中世ヨーロッパの各国関係がわからないと辛いかもしれない。

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    2025年11月15日
  • 分断されるアメリカ

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    2期目を目指す共和党トランプと民主党カマラハリスが戦う大統領選直前の模様です。
    共和党はキリスト教福音派などの保守的な白人に人気。
    民主党は労働組合員やヒスパニック、黒人等のマイノリティに人気。
    トランプ氏が勝利して関税で外国を振り回している今、米国内の様子まで気にしている余裕は正直ありません。
    また「シビルウォーアメリカ最後の日」という映画が紹介されていましたが、タイトル以外褒める所がない駄作です。

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    2025年10月24日
  • アメリカを動かす宗教ナショナリズム

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    アメリカのキリスト教徒は、大統領選をも左右する?トランプ前大統領の誕生、他国への“人道的介入”、反中国政策。アメリカの社会、政治、外交を動かす宗教ロビーについて説く書籍。

    アメリカでは、宗教が政治に大きな影響を与えている。同国の人口の約85%がキリスト教徒で、カトリックが23%、プロテスタントが55%。つまり、人口の半数がプロテスタント。

    プロテスタントは、主流派と「福音派」に大別できる。
    福音派の定義は曖昧だが、新約聖書の「福音書」を絶対視する原理主義的なキリスト教徒を指すことが多い。中絶に反対し、進化論を否定し、神による創造論を信じる人たちである。

    プロテスタント教会は、国単位で発展してきた。
    その影響もあり、プロテスタント(特に福音派)は愛国心と結びつく傾向が強い。例えば、アメリカプロテスタント系最大教派の南部バプティスト連盟は、神学的・政治的に保守・右派的である。

    アメリカでは、地域によって信仰態度が異なる。
    中部および南部のキリスト教信仰が篤い地域は、福音派の比率が高く「バイブル(聖書)・ベルト」と呼ばれている。

    福音派が共和党、保守政治にとって重要な要因となったのは、1980年のレーガン政権以降である。
    →積極的に政治参加を行わないと、キリスト教的な価値観によるアイデンティティと社会や生活が脅かされると感じたため。
    妊娠中絶合法化の判決を支持するなど、キリスト教的な価値観を脅かすカーター大統領に対抗すべく、真逆の政策を掲げるレーガンを大統領選で支持し、当選させた。これが「政治化」するきっかけとなった。
    →福音派の支持を獲得するためには、大統領本人の信仰心より、いかに福音派が求めている政策を公約として掲げ、それを実行することが重要であるかを示した。

    アメリカが行う「人道的介入」にはキリスト教的な発想がある。トランプ前政権は「宗教の自由」を外交の1つの軸とし、イスラム国を倒した。そして今、最大の敵は宗教を弾圧する中国となり、宗教をめぐる外交は大きく転換しつつある。

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    2021年12月31日
  • アメリカを動かす宗教ナショナリズム

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    アメリカ人、けっこう真面目に宗教信じてるんだな。
    自分にない信仰という感覚が猛威を奮ってるなんて全然知らんかった。

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    2021年07月13日
  • 熱狂する「神の国」アメリカ 大統領とキリスト教

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    アメリカでは宗教が集団を構成する大きな力として働いている。宗教、特にキリスト教が政治を強く左右する。アメリカの政治や歴史を理解するにはキリスト教を抜きには出来ないと思った。

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    2021年02月11日
  • バチカン近現代史 ローマ教皇たちの「近代」との格闘

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     ローマ教皇とバチカン市国の近代通史。西欧世界における超越的な絶対者がいかにして主権国家体制と接合して生き延びたのか、その外交の変遷に重きを置いている。両大戦間期のファシズム・ナチズムへの融和的姿勢から冷戦期の人権外交を経て、今日の平和主義と他宗派への寛容姿勢という、一見矛盾する政治志向の変化に「反共産主義」「反無神論」が一貫して通底していることが読み取れる。分析が不十分な点や、解釈に疑問なところもあるが、教会権力が衰退して以降の時期に絞ったローマ教皇に関する日本語の文献が少ないだけに貴重な成果ではある。

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    2019年12月02日