武者陵司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
共著もありますが、これでこの本の筆者の武者氏の本は5冊目となります、衆議院選挙が終わって日経株価が高値をつけています、以前に株価は暴落するという本を読んでいたので、最初の頃は株が上がり続けるとは信じられなかったのですが、通貨の価値が落ちていることを考えると相対的に株価は上がるものだと思っていました。
この本では米国株価上昇を牽引している、IT関連の会社は、得た利益を設備投資や配当金で殆ど還元しているので、株価が上がっていることを指摘しています、内部留保を溜め込んでいる日本の企業には見習って欲しいものです。今後、海外市場に輸出できる力を持った企業はさらに株価を伸ばしていくと思われます、その企業が株式配当・設備投資をさらにするようになれば、この本のタイトルにあるように数年以内に「7万円」に到達することもあり得ると理解できました。
個別株は難しいので、ファンドで保有するつもりですが、資産の中に一定の割合は「株式」を組み入れることは資産保全・運用には必要だと感じました。
以下は気になったポイントです。
・トランプ氏は中国が世界シェア 90%を握るハイテク製品 生産に必須の素材、 レアアースの供給停止の脅しに屈し、 対中通商制裁を ほぼ全て 棚上げした、ハイテク 生産が止まれば 2026年にアメリカは 景気後退し 中間選挙での勝利はおぼつかなくなる。中国の工業力の前にトランプ氏の選択肢は屈辱的な方針転換 以外になかったのである(P3)
・日本には、保守・ ナショナリズム 革命を成功に導く、米・欧・中にはない2つの要素がある、1) 経済 試験と投資力: 高い 企業 収益力、 潤沢な貯蓄 資本力、 実は豊かな 財政出動 余力、2) 国民 結束力: 同質的 国民性、 禁じられていたナショナリズムの復権(愛国心・ 国家主義の名誉回復)(P8)
・筆者が他の人と違う点は、 経済予測と間違いを発見と考え そこから新しい仮説を作るという作業を続けたことにある (P21)
・円安の背景には何があるのか、 それは 米中対立の深刻化でアメリカが強い日本を求めたからである これが全てである、多くのエコノミストは「金利差」 に原因を求めるが、それだけでこんな革命的な 為替水準の変化が起き 定着することはありえない(P25)
・ アメリカは1969年から2012年頃までは、 日本の力を奪うために強引に円高に誘導した、 この結果 購買力変化より円ドルレートを円高にし内外価格差を大きくし 日本の輸出に打撃を与えた、 しかし 2015年からは円安時代に移行した、2023年の時点で購買力平価 は94.6、 為替レートは151.1、これほど大きな「 逆内外価格差」が日本経済を後押ししている (P32)
・ 国際的なものの値段には2つある、1つは ドメスティックプライス、 これは 為替相場に関係なく それぞれの国固有の理由で 決まり、それは「人件費と家賃」である、 2つ目は インターナショナルプライスであり 国家間の取引である、為替が安くなれば日本円では高くなる (P35)
・アメリカがインフレで日本がデフレの品目は、ドメスティックプライスに関するもの、 食料品・ 住宅・医療・教育・ 教養娯楽・サービス、いずれも 人件費や賃料が大きく影響する品目で、アメリカではこれらの上昇が物価を押し上げインフレの原因になっている。 日本の場合は 人件費の値上がり率が低い どころか サービス競争を待って低迷しているのでリフレを出している (P36)
・中国が先進国のように消費主導の経済モデル へ転換 できることはない、理由:1) 中国のバブル崩壊はまだ入り口で出口は全く見えない、2) 不良債権処理と消費 テコ入れのためには財政の負担が必要であるが 現在の中国経済では吸収できない、3) 企業収益と雇用の悪化・ 賃金の下落によって、 可処分所得 増加が望めないから、 そうなると「対外投資 増加」しか答えはない(P49)
・ トランプ大統領はついに「G2」 つまり 中国を世界の2大国の一つであることを認めた、派遣国である アメリカが中国を 同格の覇権国と認めることなどありえないはずであるが、非常に 象徴的な変化である(P57)
・アメリカの物価は 今は3%前後で落ち着いている、関税が引き上げられて8ヶ月になるがそれほど上がっていない。その理由は国際的に取引される製造業 製品は CPI(消費者物価指数) の19%でしかないからである(P68)
・ 米国家計の収支は2021年5月くらいからずっと増えている、この消費を支えているのは 給料だけではなく「 資産所得= 利子配当収入・ 賃貸収入」である、 もう一つは「 政府 支援」である(P80)
・ アメリカは「 ジーニアス法」を制定して アメリカで仮想通貨を本格的に導入することを明確にした、実施は2027年以降となっている、概要は「 テーブルコインという仮想通貨は 発行する」 その見返りとして ステーブルコインを発行する機関は、アメリカ国債 あるいはそれに匹敵する安全でしっかりとした資産を担保することが条件になっている、 発行するのはアメリカの中央銀行ではなく、 政府が認めた 民間の 市中金融機関である(P95)
・ドルは 世界唯一の基軸通貨であるが、 そのドル本位制をステーブルコインという仮想通貨の導入で大きく 補強するというのが トランプの狙いである(P99)
・近代のアメリカにおいて大きなバブルは2つあった、1) 1933年の金本位制 廃止、 これでお札を自由にするようになった 明らかな バブル である、2) ケインズ政策 を導入による算出性 均衡主義の放棄である、 財政赤字を気にせず 税収 以上にどんどんお金を使って借金を重ねる、 テーブルコインが 金本位制の廃止・ 財政均衡主義の放棄にすぐ「 需要創造」のマシンになるとしたら これは歴史的な変化である (P105)
・現在の AI ブームというものは、 かつてのインターネットよりもはるかに パワフルな産業革命である、インターネットの時との最も大きな違いは「夢か現実か」である。 当時はインターネットという夢に投資をした、 しかし今は夢ではなく 相場 が現実を買っている、利益がついてきている中で投資をしているというのが 現在の姿である (P120)
・投資だけを先行させたのではなく 儲かって投資をして、 そして 株主還元 も十分にして、その結果 株価が上がってさらに儲かるという 好循環が10年にわたって続いている(p122) 純利益の9割を、配当・ 自社株買いに当てている(p127)
・ マグニフィセント セブン(GAFAM+NVIDA,テスラ)は 設備投資をして非常に高いコストでNVIDAから物を買う、NVIDAの利益率は非常に高いので この高額な利益を投資する、と自分の設けたお金でデータセンターを作り そのデータセンターから注文を受けて物を売るという、 あたかも 循環サイクルのようなビジネスのフローがあるように見える、「投資が投資を生む、 いわば 実態のない架空のキャッシュフローを作っているのではないか」と主張する人がいる、 しかしそれはイレギュラーなものではなく 会計処理 で利益を膨らませるためではないことは明らかである、 実際に投資をして設備を動かして儲けることである、 このように考えると これは 循環投資には当たらない(p135)
・中国の購買力平価は1ドル=4元であるのに、実際は7.1元であり、実力よりもかなり過小評価されている、本来の価値で世界シェア を計算すると世界の製造業 生産シェアは 32%から40%以上になる、 この数字は第二次世界大戦直後のアメリカ以外になかったことである、 これはトランプが中国と喧嘩を始めた 2018年以降に起こったもので、アメリカの対中 制裁は全く聞かなかったことがわかる。 その理由は、 コロナが中国を利したことが大きい。 中国だけは 武漢をロックダウン し 他の地域に感染が広まらないようにして 工場を稼働させた。その結果中国の製造業が世界を席巻するようになった(p143)
・高市 政権は保守革命を遂行しようとしている、これまでの自公連立のリベラル 中道路線から、自民 維新 連立で 改憲・ 自主防衛・ 積極財政、 という 保守 革命 とも言える 基軸へ 大旋回した(p179)
・これまでは10年後には日経平均が10万円と思っていたが、数年で6から7万円になり、5年後には10万円もあり得る と考えを改めた(p231)
・今現在 自分の資金に余裕がある方は、これからの株式暴騰に備えておいた方が良い、個別株は難しいので インデックス投資がおすすめである。 その理由は 世界の一番大事な経済の仕組みは「 株式資本主義」だからである、経済の土台に株式市場があることで 回っているのが 資本主義である、 この時代に 株式 中心の資産運用をしなかったら資産運用における大きな損失である (p245)
2026年5月5日読破
2026年5月6日作成 -
Posted by ブクログ
2023年9月に出版された新書。当時の日経平均株価見通しはおおよそ以下のようだったようである。
ポールクルーグマン:2023年末までに31,000 - 35,000円→予想どおり〇
武者陵司:2030年までの7年間で100,000円→射程圏内△
熊野英生:2024年末で36,000円→実際には40,000超えた×
ハーディ智砂子:2026年までに64,000円→厳しいが何とか射程圏内▲
栫井 駿介:2028年末までに60,000円→射程圏内△
この調子でイラク戦争やインフレなどの懸念払拭により栫市や武者氏、ハーディ氏の予想は到達できるかもしれない。 -
Posted by ブクログ
この時代に珍しく、日本経済に関する明るい見通しの経済書。
面白く読むことができ、充実感がありました。
2010年までの20年は”失われた”のでなく、
日本企業が過去の非効率性を矯正しつつ鍛え上げられた時代であり、
これからは日本、米国、ドイツの経済が上向くだろうという主張。
これから、著者の主張どおりに経済が変化するかどうかはともかく、
世界を見渡し、日々のニュースを自分なりに理解するための
仮説を与えられた気がします。
2010年が失われた20年の終わりになるかどうか、
5年後、10年後に振り返ってみたいと思います。
この本の発刊が3.10でした。
もし、3.11以後だったら内容が変わっていただろうか、、
とも思いましたが、読み終えてみて、
この本で見ているいる時間スケールから考えると、
大筋変わらなかっただろうと思いました。 -
Posted by ブクログ
トランプの考え方と、中国の発展による世界経済におけるルールの変化など、とても興味深く読ませてもらった。
アメリカからすると、円高で日本の製造業を叩き潰したものの、その間に中国が成長してしまい、アメリカも日本も製造業が空洞化。何とかしたくて、まずはウォン安で韓国の半導体メーカーを盛り上げ、今度は円安に誘導し、日本の製造業をサポート。中国に主導権を渡さないようにしている。
高市さんは日銀の使命に「強い経済成長」を加えたため、利上げしにくい!
この本に書かれていることが正しいか正しくないか、この先を予見できるかは正直、どうでもよくて、、、、武者さんの信念や着眼点を確認できて、とても面白かった。
20年前、武者さんが「日経平均は4万円へ!」と話していた時に、正直、信じる人は1割も居なかったと思う。
でも、武者さんはその後もそのスタンスを継続していて、セミナーや講演会でも熱く語り続けた。
市場参加者は「また言ってるよ」「武者さん、いつも通りだね」と、嘲笑していたが、、、、
リーマンショック、東日本大震災、コロナ禍、ウクライナ侵攻、トランプ関税、イラン攻撃を経ても、、、現に4万円を優に超え、昨日は66,000円で引けている。 -
Posted by ブクログ
先日、森永氏の最新本である「投資依存症」という本を読みました、「今回のバブルが弾けたら今までのバブルと違って、もう株価は戻ることはない、一刻も早く持っている株を手仕舞いなさい」という強烈なメッセージを受けました。
ブラックマンデー(1987.10),は大学生でしたが、貧乏だった私は株に割くお金などなく無害でしたが、リーマンショック(2008)の時には、かなり痛手を被ったのを覚えています。それなので今まで何冊もお世話になってきた森永氏の指摘を無視することもできず、これからどうしようかを想いを巡らしていました。彼のアドバイスは「現金保有」でしたから。
そんな時、先月あたり(2024.8)頃に購入して読みかけになっていた本が目について昨晩一気に読み終えてました。筆者の武者氏の本は初めて読みますが、本の帯にあった「株高4万円を予測したアナリスト」とあり、興味を持ちました。30年前に4万円目前になった日本企業と、今では中身が異なる、最終製品でなく部品・中間財で消費者相手でなく企業相手で「オンリーワン」の技術を持つ企業が増えているというポイントが印象的でした。もう少し株式投資を続けても良いかなを思い直せた本でした。
以下は気になったポイントです。
・地政学が経済に与える影響がある、日本が戦後大復活したのも、ジャパンアズナンバーワンの座から転落したのも、このところの円安、日経平均株価が市場最高値を更新して4万円を超えたのも、全てこの「地政学」が影響している、具体的には、米中対立に直面して、アメリカが日本を強い味方にするという戦略を明確化させたから(p6)
・アメリカにとって日本は世界一大切な同盟国である、米ソ冷戦時代は対ソ戦略において欧州のNATOが最重要であった、しかし米中冷戦においては、中国の太平洋側にフタのように存在している日本が最も重要です、また日本の産業力は中郷依存のサプライチェーンを変革するためには必須である、万が一日本が中国陣営に与したら、アメリカの覇権は終る(p22)
・強いドルがアメリカ主導の世界秩序再構築の大きな武器になる、こうした急激な変化は少し前までは専門家でも予測できなかった、こうした形で歴史と現状分析をすると、これから将来が保証されている国は2つしかない、第一はアメリカ、第二は米中対立という地政学の最大の恩恵を受ける日本である、2024年以降は日米二人勝ちになりそうである、サイバー世界はアメリカ、ハードウェア生産は日本ということになり、この2国が世界経済を引っ張っていく(p39)
・この急激な円安については、日米の金利差で説明する人が多い、アメリカはインフレで利下げできない、日本は2%のインフレが達成できなくて利上げできないので金利差が広がっているのが円安の一員であることは確かである。しかし円安局面でアメリカ財務省がウォッチしている、為替操作対象国監視リストから日本を外したことはサプライズであった。急激な円安の理由は、アメリカの国益が背景にある、円安をアメリカ自身が望んでいる(p52)
・リンカーンが考案したのは、人々の生活をよくするという新しいパラダイムによる需要創造、これを経済の重要なメカニズムの中に組み込んだ、もし南軍が勝っていたら、メキシコと同じ状態になっていたはず。収奪する側が奴隷を使って儲けたお金を個人の贅沢に費やしたり、生産物を欧州の貴族に売るだけで国民の需要は増えない。奴隷解放の結果、人々の生活が向上してアメリカ国内に大きな市場が生まれたことが需要である、だからリンカーンは偉大な大統領である(p60)
・アメリカ以外の投資対象はどこか、中国包囲網、あるいは米中デカップリング(具体的には、半導体を日本で作る、そのためにはアメリカはなんでもやるから日本も協力しろ、p84)を考えると、もう中国ではない、インド、ラテンアメリカ、アフリカでもない。中国に代わる次の成長マーケット、それはサイバーの世界である。そのサイバーの世界を支配しているのはアメリカである(p76)日本にハイテク生産を集約させないと、思うように中国と対峙できないとアメリカが腹を決めた(p84)
・EV車の部品数は1万点で部品が劇的に少なくなりEVの方が安く作れると思われがちだが、まだEVの方がはるかにコストが高い。肝心のリチウムイオンバッテリーが高値、それぞれの部品の製造コストがまだ高い。その結果、EV車の売れ行きがかなり鈍って、アメリカでは在庫が溜まっている。世界の自動車総保有台数は15億台、年間販売台数は9000万台、それに対してEVは累計販売で2000万台、全保有台数の1%強に過ぎず、コスト高を余儀なくされている(p94)
・投資とは会計的には「費用の先送り」のことである、100億円を投下してモノを使ったとすると、その費用は減価償却の形で回収されていく。従って、作った時には全く費用が発生しない、つまり目先の成長を目指すだけなら、投資が大きな武器となる。しかし住む人がいない家だったり、車も通らない高速道路なら、不良資産として残るだけである。そういうものが積み上がっているのが、今の中国バブルの本質である、日本のバブルとは根本的に違う(p111)
・中国は、投資はダメ、消費もダメ、となると残る期待は輸出となる。しかし米中対立、中国のでカップリングを進める諸国はそれを許さないだろう(p118)
・イギリスはユーロ圏の一員であることのメリットを自ら捨てた、EUにいるからこそユーロ金融の中心であるロンドンのシティが活性化していた、でも離脱によって金融拠点は、シティからフランクフルト(ドイツ)に写ってしまった、今後を考えると日本がドイツのGDPを抜き返すことはまず間違いない(p124)
・日本の半導体自体のシェアは落ち込んでいるものの、半導体製造装置、半導体材料では今も日本のシェアはとても高い(p139)
・日本政府が投資をしてうまくいくか、うまくいかないわけがない、なぜなら米中対立の決着がつくまで、日本の国の半導体復興が成功するまで、この投資は続けられるから。この投資に失敗したら、アメリカの覇権は終了しアメリカ経済が没落する(p143)
・バブルの頃の日本経営者に経営の目的を聞くと「シェアを奪う」「売上を伸ばす」という認識しかなかった、資本主義的経営には本来、投資した資本をどのくらいの速さで大きくしていくかのプランが必要である、企業経営者は土地や株のバブルの含み益という打ち出の小槌を持っているので、何をやっても許される時代が続いた。結局、現在の中国と同じで、そんな高コストでガバナンス不足の企業は破綻するしかない、日本のバブル経済は潰れるべくして潰れた(p148)モノを作るやサービスを提供するのではなく「世界に感動を届ける」、つまり「人々が求めているソリューション」を企業の重要なキーワードとしている(p164)
・日本企業は、直に消費者に向ける製品でなく、産業向けの中間品である材料、部品や装置など、ニッチの部分にシフトして、そこで圧倒的なシェアを獲得するようになった。それがここ10年来の私(筆者)の見立てである(p150)日本の企業のお客さんは、消費者でないので巨大な看板を出して宣伝する必要がない(p150)市場規模が小さい製品の世界市場でのシェア60%以上を占めるものが270にもなり、それは全製品の30%強となっている。日本ならでは、のものの比率は世界最大である(p151)
・外国人がなぜ日本企業の株主となるのか、それは日本企業を信頼しているから、信頼できなかったら、自分で経営にタッチする、日本の企業を信頼するから日本企業に資金を投じる(p155)
・パソコンに代わってAIが主役になると、劇的に半導体の需要構造が変わる、そういう転換期なので、今まで一敗地に見舞われていた日本が一気にシェアを取り戻すチャンスが出てくる(p156)集積回路あたり部品数が1.5年で2倍になるというトレンドが40年にわたって続いたが、これ以上微細にするのが不可能になった時、限界を突破するのは立体化であり複合化「チップレット」というが、これにより長期的な機能向上のトレンドが維持できると期待されている。この技術可能性(特に後工程など)がある国として日本に注目が集まっている(p157)
・経済の複雑性・世界ランキング(EC1)において、実はこれまで日本がずっと世界のナンバーワンである、産業の多様化が進んでいることを示している(p168)
・株価=利益要素x金利要素x人気要素=1株利益xPER=1株利益÷(金利+イールドスプレッド:株式利回りと10年国債利回りの差)(p188)日本は金利が1%以下と低いのに、株式の益周りは6%と極めて高く、イールドスプレッドは大幅なプラスで、これが日経平均が史上最高値を更新してもなお、日本株の割安さは全く代わっていないことを示している、2000年からもう20年以上この状態は続いている、イールドスプレッドが今のアメリカのようにゼロになったとすると、日本国債利回りは3%程度まで上昇しているだろう、とすれば益周り3%、PER33倍が妥当、一株あたり利益が今のままでも日経平均株価は、8万円が適正という評価になる(p191)
・円安のメリット、1)世界の需要が物価が安くなった日本に集中する、日本は外需を獲得することによって成長力を高めることができる、2)日本の価格引き上げ圧力を高め、デフレ脱却を確かなものとできる(p202)
・金投資はお薦めできない、金を持つならアメリカ株、理由は、金が必要なのは「不安」に備えるからであって、今のアメリカは不安がないので、あえて金を持つ必要がない。金が上がっているのは、中国、ロシアなどがドルを持ちにくくなっているので、それの補完として金を買っている。金がいいから保有しているのではなく、ドルの決済システムから外されそうになっているので、ドルの代わりに金を持つということ(p211)ならずもの国家の金の保有は、そう長くは続かないだろう、合理的な投資対象ではない(p212)
2024年9月13日読破
2024年9月14日作成 -
Posted by ブクログ
ネタバレ安いニッポン
経済は自然に任せるとデフレになる
防ぐには、需要創造を促進しお金を使わせる 人を使う
国内サービス産業 生産性に大きな差がなく、賃金の自相場で国際価格が決まる
1990年バブル時
非グローバル、円高、低生産性 物価高
現在
米中対立 円安容認へ ペナルティー円高終了
価格低下 生産性向上と賃金低下 販管費削減 規制緩和
アメリカとグローバル化
世界から大量に購入し、ドルを世界にばらまく 同じように買えと制裁
金融資産 預金(19%)より投資(72%)の資本循環 日本とは逆
株価時価総額=アメリカGDPの240%
株価はフィクション=投資家を納得させるストーリー
大きな政府
米中覇権争い 軍事的優位性 +経済的優位性=国際分業の優位性
需要ぼ足がデフレをもたらす
グローバル技術競争での政府の支援
中国
投資リスク 設備 公共インフラ 住宅不動産
民間非金融部門 対GDP債務210% 日米欧160%
リーマンショック以降2018年までの10年の世界債務42%が中国
外貨準備金 3.36兆ドル うち1/3は借金 1兆ドルはアメリカ国債
ハイテク 半導体国産15%かつ外資系 純国産4.2%
日本
悲観論と負け癖
リーマンショック後の株価 日経平均4倍でドイツ同等 中韓以上 NYダウ5倍
負債1273兆円 GDPの240%
政府の財産 アメリカ国債などの有価証券と有形固定資産 681兆円で負債半減
仕事と遊びの境界がなくなる 人間中心のイノベーション
リクルート「出会い」 インディードを買収 グローバル化
ソニー「感動」
物理的リターンを超えた仕事に対する進撃な態度
観光・サービス業の圧倒的コスパ 安く、安全、おいしい -
Posted by ブクログ
ドイツ証券副会長を務めた経済通による、米中日の経済展望について書いたもの。すべてを理解できたわけではないが、経済では米国が圧倒的に優位にあって、中国の状況は厳しいことが、よく理解できた。さまざまなデータを駆使して説明しており、説得力があった。
「アメリカで必要なことは英知とアントレプレーナーシップ(企業家精神)、中国では巧みに政商化すること。米中で正反対なのです」p7
「(ピーター・ナバロ)アメリカの対中経済関与が中国経済を成長させたが、それは中国共産党の独裁権力を強め、中国の軍事力増強に資金を提供したに過ぎない」p32
「生産性がどんどん高まって労働力の余剰が増えたとき、仕事がなくて遊んでいる人が何をするかといえば、実は新たな、もっと人々を喜ばせる仕事を見つける、あるいは自分で起業するのです。すると、そこに雇用が生まれます」p92 -
Posted by ブクログ
その昔、私が証券会社に勤めていた頃、武者陵司さんのコメントといえば常に悲観的でした。いつもいつも手厳しく、「へそ曲がり(失礼!)」とさえ思っていたほどです。
ところが、数年前ぐらいから見聞きする武者さんの発言が強気なものに転換していたので驚きました。セミナーをお聞きした時も、非常に強気なご意見でした。
そしてアベノミクス。タイミングの良い出版だなと感じました。
本書を読んで鵜呑みにして株式投資をして欲しくはありません。しかし、なぜ昨年11月以降に株価と為替市場が急展開をしたのか、を理解するには最適な本だと思います。本書を読んで、経済の流れと照らし合わせながら、読者が自分の考えをまとめていくことができるのではないでしょうか。
なお、本書では民主党政権時代に株価が低迷した理由が明白にかたられています。非常にわかりやすいです。
また、アベノミクスに批判的なエコノミストの実名を挙げて、どこが違うと思うのかを簡潔に記しているあたりは大変参考になりました。 -
Posted by ブクログ
ニュースでは常にトランプ政権の支持率が低く、何するかわからない人と報道されているが、実際はそんなことないよね?という観点で購入。
トランプ政権の理念は「資本主義が正義、資本主義なき民主主義は虚構」という言葉が何度も出てきた。
長きにわたる貿易赤字という背景の元、中国の台頭、AI革命、左派の価値観により、アメリカの資本主義が崩壊しつつあるため、それを止めるための政策をしている、という内容。
読んでみて、半分納得、半分政治思想含めてかなり恣意的だという印象。
かなりデータも豊富だがグラフの単位や解釈しづらいものが多いのと、円安の理由=米国が中国一強を避けるために日本を強くしたいから、みたいな話になっていて、さすがにそれだけじゃないだろう、と思った。以前「弱い円の正体」を読んだことがあるので、詳しくはそちらを読むのがおすすめ。
また、高市政権への期待もわかるのだが、アベノミクス=正義、それを継承する彼女も正義だし右派ではない、みたいな内容にもなっていたが、男性天皇の支持や対中国の強硬姿勢をみて、それは言えないよねと思う。
個人的には高市さんの政治思想に関する著書を読んだ時、アベノミクス継承者なのはわかるが、そこまで経済政策に強いわけではないとも感じた。
一方で良かった点は、まずアメリカの金融政策の歴史についてより詳しくわかったこと。
◾️リンカーンによる奴隷解放
◾️ルーズベルトのニューディール政策による内需強化
◾️ニクソンショックによる米ドル発行強化と為替変動
など、それらが米国だけでなく世界経済に与えた影響について書かれており、なかなか面白かった。アメリカのフロンティア精神についても勉強になった。
また、トランプ政権については、実は白人労働者階級だけでなくテクノリベラルやウォール街の保守派など様々な層を支持基盤にしている点も説明している。
その上で、これまで世界に米国市場をオープンにしてきたが、米国内需をより米国企業に還元したいという意図のもと、
◾️GAFAMなどによる巨大企業やAI企業による経済貢献の促進と、失業者が増えないように代替となる産業の創出
◾️脱脱カーボン戦略による中国台頭の抑圧(中国がすでにグリーンエネルギーでも覇権をとっているため)
◾️米ドルステーブルコインの導入(これにより米ドル為替連動のコインが発行できるため、各国の中央銀行を抑制)
あたりの話をしており、なるほどと思った。
ただ、中国の抑制は結局レアアースの輸出規制を避けるためにうまくいっていない、かつもうすぐ不動産バブルがはじけて大変なことになるだろうみたいなことも書かれていた。
全体的には、本のタイトルほどトランプ政権の政策の狙いはそこまでシャープに書かれていないように思えたのと、作者の「俺のいうことは正しいのだ」という自己顕示欲の強さも感じる表現が多くて、ちょっとうんざりした。とはいえ世の中のトランプ政権に対するステレオタイプを意識して書いているのはわかったし、アメリカの経済の歴史含めて理解を深めるには良かった。 -
Posted by ブクログ
私の記録によればこの本は昨年(2017)の秋頃に読んだようですが、部屋の片隅に置かれたままレビューを書くのを忘れていました。読んだときに気になった部分が付箋で残されていたので、それらを抽出しながら、この本を振り返ってみようと思います。
以下は気になったポイントです。
・これからのアメリカ経済は、その圧倒的な優位性が顕在化するだろう、理由は、1)イノベーションによる価値創造の健全性、2)強い消費力である、2016年における個人消費の比率は、69.4%(1957:58%)、これが中国だと39%程度(p30)
・これから始まるアメリカ経済の大きな飛躍と、中国を封じ込めるための強固な日米同盟によって、日本経済には歴史的な順風がふくはず(p36)
・帝国とは、1)皇帝によって統治されている国家、王国や公国、首長国という名称が国名についている、2)異なる地域や民族を統治して広大な領土を持っている(p49)
・イギリスが最後の植民地を失ったのは、1997年の香港返還、ただしケイマン諸島のように現在も独立せず、イギリスの海外領土という地位で統治されているケースもある、他には、アメリカ・フランス・オランダ・デンマーク・ノルウェー(p50)
・アメリカはTPP協定から永久に離脱することを表明した、現地調達率が45%と、NAFTAの62%よりも低いので、アメリカ国内工場の海外シフトを強めると懸念があるから(p56)
・消費税を実施している国は、輸入品については消費税を課す一方で、輸出品については、輸出企業が原材料・サービスなどの購入時に支払った消費税を還付している(p57)
・ドル高となる条件として、1)アメリカ経常収支の赤字減少が顕著、2)金融引き締めにより、アメリカ金利が上昇する、日米金利差は拡大し、それがドル買いを誘発する(p61、62)
・中国は共産党一党独裁のもとで強い政治力によって国全体がまとまっているように見えるが、中国企業には健全な価値創造力がない(p76)
・2015年に人民元はIMFのSDR通貨バスケット入りをしたが、その対価として行った資本取引規制緩和と情報公開が逆噴射し、資本流出を容易にしている(p138)
・今後の中国は日本病以上に深刻である、相違点として、1)過剰投資の規模の大きさ、2)過剰投資・不良債権処理を調整してきたが、中国は一度にする必要がある、3)政策司令塔の違い、習近平が二期目を終える2023年頃がポイント(p149)
・日本企業は海外で得た利益の大半は日本に還流させずに、現地で再投資している、なので円高にならない(p176)
・プレゼンスを失った日本がどこで収益を回復させているか、1)デジタルが機能するためのインプット部分のセンサー、2)アウトプットとしてのアクチュエータ(駆動装置・モータ)、3)デジタルの基礎を作る素材・部品・装置である、負けたのは、基本的にデジタル中枢である、半導体・液晶・スマホ・パソコンで原因は価格競争である(p209)
2018年6月24日作成