あらすじ
アメリカの「中国封じ込め作戦」がついに始まった!
1989年にソ連が崩壊し、米国にとって、日本を強くしておくことの意義が薄れた。そこで、日本の躍進を食い止め、米国の経済優位を維持することが米国の至上命題となった。1990年以降20年間の日本の停滞はその文脈で理解できる。
常軌を逸した超円高による日本封じ込めが起きたのだ。それを受けて日本は、賃金カットや工場の海外移転を進めてきた。日本は、生産性の向上に努めながら、一方ではそれに所得の増加がついてこない、という状況に陥った。こうして、グローバル化のなかで、日本だけが繁栄というメリットを受けられずにきた。
ところがいま、中国の台頭を受けて、そのパワーバランスが変わってきている。かつての日本バッシングは中国バッシングに変わり、日本は再び、米国の同盟国として繁栄を許される環境が整ってきた。中国の台頭を受けて、覇権国アメリカにとって日本の重要性が再び高まってきた。
失われた20年は日本を鍛えた20年であり、これからの経済繁栄の余地は大きい。著者独自の視点で描かれた、元気が出る日本経済論。
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Posted by ブクログ
この時代に珍しく、日本経済に関する明るい見通しの経済書。
面白く読むことができ、充実感がありました。
2010年までの20年は”失われた”のでなく、
日本企業が過去の非効率性を矯正しつつ鍛え上げられた時代であり、
これからは日本、米国、ドイツの経済が上向くだろうという主張。
これから、著者の主張どおりに経済が変化するかどうかはともかく、
世界を見渡し、日々のニュースを自分なりに理解するための
仮説を与えられた気がします。
2010年が失われた20年の終わりになるかどうか、
5年後、10年後に振り返ってみたいと思います。
この本の発刊が3.10でした。
もし、3.11以後だったら内容が変わっていただろうか、、
とも思いましたが、読み終えてみて、
この本で見ているいる時間スケールから考えると、
大筋変わらなかっただろうと思いました。