レイチェル・カーソンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
自分の近くにあるけれど、知らない世界や遠い世界がこんなにもあるんだ!という気持ちにさせてくれた本。
知っていないと楽しめないと思いがちだけれど、本当は知っていることなどなくても感じることができることの方が大切だなぁと思った。
青空と宇宙の例えが自分にとっては印象的だった。
昼間は青空が宇宙を隠していて、でもすばらしく広大な宇宙が夜だけしか見られないからこそ、そのすばらしさにも気がつける(意訳だけど)というのが、全ての時に歓びがあると言ってくれているみたいで感動した。
あと、読み終えてから人間は自然と対になるもの、という考えではなくて、自分たちも自然の一部で、その中で関係しあって生きているという -
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Posted by ブクログ
様々な書籍での引用を見るたび、自分は好きだろうなと思いつつなぜか読んでいなかった「センス・オブ・ワンダー」。訳がとてもいいということもあるのだろうが(「そのつづき」を読んですぐわかった、これまたすごく好き!)、短い文章の中に詰め込まれた、宝石のような言葉たち。
…なのに、実は私はすばらしい文章を読んだ後、大体何が良かったのか、どういう言葉が良かったのか覚えていない。代わりに、真っ暗で荒れる海とか、一面の星空とか、映像が自分の中に残る。だからそういうお話だったんだと思う。そしてそういう映像の方が、長く記憶、というか体験として自分の中に残り、役に立つとかそういうんじゃないのだけど、自分の糧になって -
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Posted by ブクログ
「除草したい草があるなら、下手に除草剤を撒くのではなく、それらを食べる虫をやるとよい。」
『生命をコントロールしようと殺虫剤のような武器に訴えるのは、まだ自然をよく知らないためだと言いたい。自然の力をうまく利用すれば、暴力などふるうまでもない。必要なのは謙虚な心であり、科学者のうぬぼれの入る余地などは、ここにはないと言ってよい。』
ブリーイエ博士
『自然のなかにこそ、頼む味方はいるのだ』
ビスケット博士
『自然環境そのもののなかに、生物の個体数を制限する道があり手段がある場合が多いことを知らなければならない。そしてそれは人間が手を下すよりもはるかにむだなく行われている。』
アルエット昆虫 -
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Posted by ブクログ
p59 大人の問題は、大切なことであればあるほど、それを先送りしてしまうことである。大切なものはどこか遠くにある。人生の重要な瞬間は、いつか将来やってくる。どこかでそう思い込んでいるのである。子どもたちはそんな「先送り」や「先延ばし」とは無縁だ。彼らはこの瞬間に、すべてをつかもうとしている。大事なことがあるなら、いまそれを見せてくれと、いつも全身で訴えかけてくる。
今の子どもたちは、皆が皆そうではないと思う。小さい大人のような、予定や目標を頭に置いて、それに向かって努力するみたいな考え方をする「賢い」子どもは増えている。近年は熊などの被害も増え、ますます自然に触れる機会は失われていく。
時間 -
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Posted by ブクログ
自然を科学的にアプローチするのが生業のはずの生物学者が、こんなにも文学的に自然を表現できるんだと驚く。とにかく自然への眼差しが優しくて慈愛に溢れている。言葉のひとつひとつから優しさや愛情を感じさせる。行間からは自然への畏敬がにじみ出てくる。時代を問わず、性別を問わず、誰の心にも届く言葉の力を感じさせた。素晴らしい散文詩だ。
自然を相手に研究する生物学者である前に、ひとりの人間として自然をどう感じ自然とどう接するか。すべての存在を生かしめる偉大なものを前にしたときの謙虚さ、真摯さに心を動かされた。海、空、植物、虫、そして雨、風、空気、太陽、月。自然が与えるすべてのものが人の感受性を育てる。とき -
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Posted by ブクログ
レイチェル・カーソンの遺稿『センス・オブ・ワンダー』の新訳とともに、その続きを書いたというエッセー。
カーソンの部分は全体の5分の1もないくらいの文量。カーソンの息子が自然と触れ合う様子から、時に「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要なことではないと書かれていた。
読書好きとしては文字から得る知識がエネルギーになっていて、いかに体験したように感じる文章か、ということろが一つ評価の基準になると思うけど、たしかに、百聞は一見にしかずで、水を吸ったコケの踏み心地とか、冬の空気の澄み具合とか、昆虫の観察とか、実際に体験・経験することは何にも変え難いものだと思った。
忙しない毎日だけど、少しでも自然 -
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