レイチェル・カーソンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
p59 大人の問題は、大切なことであればあるほど、それを先送りしてしまうことである。大切なものはどこか遠くにある。人生の重要な瞬間は、いつか将来やってくる。どこかでそう思い込んでいるのである。子どもたちはそんな「先送り」や「先延ばし」とは無縁だ。彼らはこの瞬間に、すべてをつかもうとしている。大事なことがあるなら、いまそれを見せてくれと、いつも全身で訴えかけてくる。
今の子どもたちは、皆が皆そうではないと思う。小さい大人のような、予定や目標を頭に置いて、それに向かって努力するみたいな考え方をする「賢い」子どもは増えている。近年は熊などの被害も増え、ますます自然に触れる機会は失われていく。
時間 -
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自然を科学的にアプローチするのが生業のはずの生物学者が、こんなにも文学的に自然を表現できるんだと驚く。とにかく自然への眼差しが優しくて慈愛に溢れている。言葉のひとつひとつから優しさや愛情を感じさせる。行間からは自然への畏敬がにじみ出てくる。時代を問わず、性別を問わず、誰の心にも届く言葉の力を感じさせた。素晴らしい散文詩だ。
自然を相手に研究する生物学者である前に、ひとりの人間として自然をどう感じ自然とどう接するか。すべての存在を生かしめる偉大なものを前にしたときの謙虚さ、真摯さに心を動かされた。海、空、植物、虫、そして雨、風、空気、太陽、月。自然が与えるすべてのものが人の感受性を育てる。とき -
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Posted by ブクログ
レイチェル・カーソンの遺稿『センス・オブ・ワンダー』の新訳とともに、その続きを書いたというエッセー。
カーソンの部分は全体の5分の1もないくらいの文量。カーソンの息子が自然と触れ合う様子から、時に「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要なことではないと書かれていた。
読書好きとしては文字から得る知識がエネルギーになっていて、いかに体験したように感じる文章か、ということろが一つ評価の基準になると思うけど、たしかに、百聞は一見にしかずで、水を吸ったコケの踏み心地とか、冬の空気の澄み具合とか、昆虫の観察とか、実際に体験・経験することは何にも変え難いものだと思った。
忙しない毎日だけど、少しでも自然 -
Posted by ブクログ
殺虫剤、除草剤の毒性、それによる健康被害、自然破壊の実態が突きつけられ、恐ろしいとしか言いようがありませんでした。
何とかして悲惨な現実を世に知らしめ、現状を打開しなければならないという、レイチェル・カーソンの強い信念が文章に溢れていました。かなり前に読んだ「センス・オブ・ワンダー」と共に、心に残りました。
がんに侵されている中での執筆であり、本書出版から1年7か月後に亡くなったことを、解説文を読んで知りました。執筆に心血を注いでいた著者のことを思うと、胸が熱くなり頭が下がります。
自然界の中で、人間は限りなく謙虚でなければならないと、思うことしきりです。 -
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Posted by ブクログ
海が好きなレイチェルカーソンさんと、森林が好きな森田真生さんのコラボした本なので、読まずにはいられませんでした。
前半は69年前のセンス・オブ・ワンダーの原文を森田さんが訳したところからはじまります。
以前に読んだ新潮社の上遠恵子さんの訳はエッセイのようなカーソン目線の美しさや怖さやドキドキ感を表現していたように感じましたが、森田さんの訳は絵本の物語のような可愛らしさがあり、驚きやワクワク感があり、こども目線のようでした。同じ原文でも変わるものですね。
カーソンさんは大甥のロジャーくんと海辺の自然で戯れ、森田さんは自分のお子さんと京都の自然と戯れるシーンが重なります。
そんな中、視覚と -
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Posted by ブクログ
庭でこの本を読んだら、風の音や鳥の声が聞こえてきて、心が静かになれた。
人間は緑色を見ると安心するようにできていたりするし、現代人はもう少し自然を見て落ち着く時間を持つのもいいのかも。
自然の中で生きることこそ正義!とまでは思わないけど……
スマホを見ている人間がずらっと並んでいると気持ち悪さを覚えるし。
人工的なものに耽溺するのは心の余裕を無くしていくことだなと感じている。
自然を愛していれば孤独を感じないという話も、たしかにあるかもしれないなと思った。
自然の「存在」を感じていれば、独りになることはないのかも。
それと、
親や教員のような立場でも、教えるだけじゃなくて時には一緒に楽しん -
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Posted by ブクログ
中学生の英語の教科書で本書の存在を知り、当時は読みたいとは思わなかったが、あれから20数年が経ち、俄に読んでみたい気持ちが沸き起こった。
60年も前に出版された本だが、当時のアメリカの農業の実態に驚かされた。
次からから次へと強力な農薬を使いまくり、それが農産物内部へ蓄積することを無視し、さらに人へ発病、様々な二時汚染。
本来害虫から農産物を守るための農薬が、その成分が強すぎるあまりに農産物が耐えきれず枯れてしまうという本末転倒さ。
そして農薬にも抵抗を示す害虫たちが繁殖し、それが更に有害な農薬を生み出すことに繋がる負の連鎖。
白血病や内臓疾患、皮膚病が爆発的に増えたのは、まさしくこの農薬が原 -
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