菊川あすかのレビュー一覧
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はるか昔に高校生をしていた身ながら、不覚にも泣いてしまった。
友情ものに大概弱いので、ワタシから見た作品としてだけど、主人公たちの関係性が恋愛というより友情に近くて余計に心を揺さぶってきた。
かつて読んだ友情もので号泣した作品とか全然関係ないのに思い出したりした。
そういう、なにか心の奥にあるものを引き出すような作品だとワタシは感じた。
『死』を扱う作品だし、さらに重たいはなしもあったりしてネタバレはしたくないなと思うのだけどこの作品で救われたりするひともいるのではと思う。
ごりごりの純文学だけが文学ではないと改めて感じた。
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2年前の高校生のときに大好きだったお母さんをくも膜下出血で急逝し、悲しむ余裕もなくがんばって家事をこなしながら大学に通う主人公の智子でしたが、新しい美人の恋人を作る父やバイトもせずに引きこもる兄に嫌気がさし、家出という名の旅行に出かけます。旅行先は母の故郷の秋田県鹿角市で、子どもの頃の思い出の場所を巡ります。その訪問先の通り道にある川原で、よっちゃんという名前の9才の女の子と友だちになります。よっちゃんとの交流で、父や兄とのわだかまりや母の死に対する智子の心の奥にある本当の気持ちに気づきます。時を超えて、大切な家族との絆や人との繋がりに心が暖かくなります。母娘の愛に涙しながら読みました。
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高校2年生で主人公の塚本涼太は、クラスでも目立たない平凡な男の子で、やる気のない毎日を過ごしています。涼太は入学1ヶ月後の5月に学校の中庭にある藤棚の下で見た七瀬栞に恋心を抱いています。そんなある日、涼太は七瀬が「思い出忘却症」という病気を患っていることを知ってしまいます。その病気の治療では、手術により一番大切な思い出を失ってしまいます。涼太は、学園祭を通じて、七瀬の一番大切な思い出を上回る思い出を作り、一番大切な思い出を守ろうとがんばります。
七瀬に最高の思い出を作ろうと一生懸命がんばる涼太とクラスメイトの優しさ溢れる恋と青春の物語です。 -
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主人公の高校2年生の彰のクラスに、色白で病気の弱い美琴が転校してきます。なぜか美琴は、特に彰に冷たく接します。でも彰は美琴に一生懸命がんばって話しかけます。美琴は手術もできない腫瘍を抱え死ぬ運命にあり、あまり人とは関わらずに生活してきました。彰もがんばることを諦め、何も考えずに生活していたのですが、美琴に出会ってから、がんばるようになってきます。そして桜の木の蕾が大きくなってくる頃、美琴は事故に遭って命を落としてしまいます。でも、その瞬間、転校してあきらと出会った日の朝に戻ってしまいます。美琴は未来を信じて、運命を変えるよう彰との高校生活をやり直します。
普通に生活できること、明日が来ること、