ウィリアムギブスンのレビュー一覧

  • クローム襲撃

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    ネタバレ

    [記憶屋ジョニィ]

    [ガーンズバック連続体]
     流行雑誌のカメラマンが、30年代のアメリカが求めていた未来風の建築物を撮っているうちに、本当にそれを見てしまうというギブスンとしてはちょっと変わった話。登場人物の一人にそんなものは記号論的亡霊にすぎない、大衆潜在意識の一部を感じ取っただけ、と言わせたり、現実のアメリカの抱える問題とのずれを指摘したりして、SFの無邪気な部分をあっさりと切り捨てているようにも読める。下手をすると小難しいこと言ってる反SFの作家みたい。こんなの書いたあとによく電脳シリーズを書いたよなあ。でもサイバーパンクの批判性ってこういうことなのかも。
     雰囲気的には「カウント・

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    2025年07月01日
  • クローム襲撃

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    ネタバレ

    「ニューロマンサー」を読んで、目くるめくSF仕掛けに翻弄されて、元になったこの作品を読もうと思った。面白かった感で言うと、こちらの方が上。完成度は「ニューロマンサー」が上かな。

    麻薬よりも強力に脳内に作用するソフトウェア、高度に進化した整形というか人体改造、マトリックス世界への侵入、千葉シティ・・・といった「ニューロマンサー」で使われた仕掛けを描いた作品も勿論面白いのだが、一方で宇宙ものの2編もなかなか良かった。宇宙開発はソ連が優勢になるのは、人の命より国家が大事だからなんだろうね。

    もう歳で長編を一気に読む気力が無いのもあるが、SFは短編の方が好きなのかもしれない。

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    2022年07月20日
  • クローム襲撃

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    サイバーパンクの旗手短編集 確かに名作
    表紙   5点奥村 靭正
    展開   8点1986年著作
    文章   8点
    内容 800点
    合計 821点

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    2016年03月07日
  • クローム襲撃

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    ネットワーク世界を自由に泳ぐハッカーたちも肉体を捨てることはできない。血と汗とアドレナリンのにおいを忘れたらサイバーパンクな世界は生き残れない。読むたび体がうずうずして心躍るSFアクション短編集。

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    2009年10月04日
  • クローム襲撃

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    ギブソンは短編向きでは無い感じですが、「ニュー・ローズ・ホテル」「ホログラム薔薇のかけら」等に見られる『疲れた美しさ』、ギブソン自身がファンだと公言しているルー・リードの曲の持つ"あの感じ"が感じられて、たまらなく好きです。

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    2009年10月04日
  • ディファレンス・エンジン(上)

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    日本語だとギブスンは読みづらいというのはニューロマンサーなどで既知な事だとは思うが、決して翻訳が悪いという事ではない。だが、本作めちゃくちゃ積読してて、遂に読み終えた次第。
    アイデア、雰囲気など相当面白いんだが、ストーリーが本当に書きたい事をどんどん詰めこんでみたというような感じで脈絡なく、もしかしたらそこが合作の妙なのかも知れない。フクサワユキチなる日本人も現れ、やりたい放題である。
    作品雰囲気を体感するという意味では、近い時代を題材にしたアサシンクリードシンジケートというゲームがあり、当時のロンドンの街並みなどかなり参考になるかも知れない。
    下巻に突入したわけだが、巻末に差分辞典なる付録が

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    2025年09月01日
  • クローム襲撃

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    いやー作画がマジで完璧に映画で読んでてとにかくヴィジュアル面が楽しい。筋はイマイチよくわかんないものがほとんどというか、そこを追ってないから分かってないんだろうな。絵ばっかり見てた。色んな映画のトレーラーを細切れで見てるみたいな。

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    2017年12月21日
  • ディファレンス・エンジン(下)

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    伊藤計劃、円城塔、ゲイル・キャリガー…
    他のサイバーパンク、スチームパンクをぐるっと回ってから記念碑的作品とやらにたどり着く。
    んー、欲張ってもキリが無いのは判っているのだけれど、近現代史がもっと頭に入っていれば、もっともっと楽しめたんじゃないかと思ってしまうんだよな。

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    2017年08月08日
  • ディファレンス・エンジン(下)

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    円城塔を契機に読んだ作品だったが、これを読むと彼の『Self-Reference Engine』や『屍者の帝国』が如何に本作の影響下にあったかがわかる。その意味で読んでよかった。

    ただ、同様に19世紀のフィクション、ノンフィクション織り交ぜた歴史改変である『屍者』を楽しめた一方、本作で理解が及ばない部分も多かったのは、偏に教養の無さ故だろうなと。もう少し19世紀史を事前に振り返っておくべきだったかと思う。

    全体的な解析機関を巡るSF的アイディア、作品構成自体は非常に好み。

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    2017年06月17日
  • クローム襲撃

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    バーナード嬢曰く。の神林しおりがSFファンはSFを「実はみんな結構よくわからないで読んでいる」と言っていたような気がするけれど実にそうだと思う(笑)独特の世界観になれるのに時間がかかりなんとなく話が見えてきて面白くなってきたのはラスト3作ほどから(;´・ω・)でもなんでだろう、結構雰囲気だけで楽しめちゃうんだよな、、『ニューロマンサー』に繋がる話があったり、攻殻機動隊を彷彿させる話があったりでとりあえず満足。でも再読必死だな><本作、ニューロマンサーと来たら次ギブスン作品なに読んだらいいでしょう??

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    2017年01月15日
  • クローム襲撃

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    1980年代を席巻したサイバーパンク・ムーヴメントの代表格、ウィリアム・ギブスンの短編集。かの有名な「ニューロマンサー」と同一の世界観に基づく「スプロール」シリーズをはじめとする、当時最高に尖りまくっていた作品を収録しています。

    そう、サイバーパンクなんですよ。90年代に入るとあっという間に消えていった、あのムーヴメント。
    不肖鴨、「ニューロマンサー」は読んだことがありません。同じくサイバーパンクの代名詞とも言えるブルース・スターリングの作品を読んだことがありますが、正直ピンと来ませんでした。この「クローム襲撃」も、音楽で言えば「懐メロ」的な、SF史の勉強がてら読んでおこうかなー、という軽い

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    2016年08月23日
  • クローム襲撃

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    サイバーパンクといえばこの人、ウィリアム・ギブスンの第一短篇集がこちら。ハヤカワ文庫補完計画のおかげで手に取ることに。ありがとう、早川書房。ただし、装画は確実に旧版の方がかっちょいい。「ニューロマンサー」もまた然り。

    そんな自身初のギブスンは、なかなか刺激的でした。
    初っ端の「記憶屋ジョニイ」に感じたギラギラした読み応えは、途中の「ガーンズバック連続体」と「ホログラム薔薇のかけら」こそ肌に合いませんでしたが、「辺境」、「ドッグファイト」ときて、トドメの「クローム襲撃」まで終始変わらず。個人的には「辺境」の世界観がたまらなく好きなのですが、サイバーパンクを味わうという意味では、やっぱり表題作。

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    2016年02月28日
  • クローム襲撃

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    基本サイバーパンク、中でもギブスンは頭で理解しようとすると難しい。80年代の人が技術が発達した近未来を格好良く書こうとしたのがサイバーパンクなのだから。見慣れない単語は全部サイバーパンクを楽しむための装飾品に過ぎない。サイバーパンクの本質は男たちが頭脳と技術力だけを手に巨大な組織に立ち向かうこと。それだけを逃さず筋を追っていけば、多分大丈夫。

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    2019年06月27日
  • クローム襲撃

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    ネタバレ

    全10作品の短篇集。新版。サイバーパンクっぽくないものも。

    初ギブスンにして読むのに数ヶ月かかった「ニューロマンサー」から2年近く経ち。SF読解力(サイバーパンクと括る勇気は無い……)が少しは向上していることを願いながらギブスン再挑戦。

    通して読んでみて、黒丸 尚氏の訳は独特で格好良いんだけれども、私にはやはり難しいという感じ。シーンが想像し難く、読み進めるのに非常に時間がかかる。そんなわかりづらさこそがギブスンなのだろうと今までずっと思っていたが、収録作「辺境(浅倉久志訳)」、「赤い星、冬の軌道(小川 隆訳)」がスイスイと読め、「ニュー・ローズ・ホテル(浅倉久志訳)」は格好良さに身悶えし

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    2015年05月23日
  • ディファレンス・エンジン(上)

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    ネタバレ

    第二章の終わり頃(ダービィレースあたり)から、おもしろくなってきた。ビル・ブライソン「人類が知っていることすべての短い歴史」の5章あたりから出てくる人たちが、ワンサカ出てくるので読んでてよかったよ、ホント。
    みなもと太郎「風雲児たち 幕末編 25」で登場したオリファントが出てて笑った。

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    2015年07月06日
  • クローム襲撃

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    サイバーパンクSF短編集。
    ところどころ日本の地名が出てくるのがなぜか妙にマッチしてて面白い。
    どの話も最初はよくわからない単語が並ぶが、ちょっと頑張って読むと何らかの解説があったりする。しかしながらよくわからないのに読み進めてしまう魅力はある。

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    2015年01月31日
  • クローム襲撃

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    サイバー・パンクの雰囲気に浸るなら、このくらいが濃すぎず軽すぎず、ちょっと得意になって楽しめる感じなのではないかと。
    かく言う自分が、サイバーパンクの世界を少しだけ味わってみたかったライトな読者です。

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    2013年02月02日
  • ディファレンス・エンジン(下)

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    正直、理解できたかと言われると「……」となる。が、SF的な知的好奇心がくすぐられる本には違いない。
    差分事典を読み込んで、自分なりに調べたりして反復したいと思う。
    混沌とした倫敦の光景に飲み込まれ幻影の十九世紀の雰囲気は十分楽しんだ。

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    2012年09月09日
  • ディファレンス・エンジン(上)

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    まだ物語がどこへ転がって連れて行かれるのかが見えない、けれども妙に楽しい。
    蒸気と機械音と黄燐マッチの匂いと倫敦の闇と雑踏。いわゆる“スチームパンク”な雰囲気の原点を体感する。
    伊藤・円城両氏の「解説」という名の短編は何度か読んでいたけれど、こうやって本編を読んでから読むとまた違った味わい。

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    2012年09月04日
  • ディファレンス・エンジン(下)

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    ギブスン×スターリングのスチームパンク。
    ざっと読んでみる。一気に読ませるストーリーはよいSFの特徴。まあそればっかりじゃないけど、今回は必要な力かと思う。こういう世界観を作ったことで古典として後々フィーチャー群と比較される運命だから。

    あとスチームパンクは歴史改編物でもあるので、バベッジとかどういうキャラ設定をするかもみどころ。歌舞伎とか歴史小説みたい。そのあたりも機関の女王とか、噛んで味わうスルメ的な楽しみ方もできる。そういうときは事典が親切。

    読み終わって二人の作者の手品が明かされる。なるほどね〜。そこでもう一回、伏線などを確認しながらじっくり読んでみようと思わせるのも、2つめの特徴

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    2009年10月04日