蒼井上鷹のレビュー一覧
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ネタバレ遺産相続の遺言発表のために集まった一族。殺伐とした状態で、事件の抑止力のために呼ばれた名探偵。しかし探偵が最初に殺され、次々と殺人が起こってしまうというストーリー。
タイトル通り、ミステリーの土台を覆す設定がまず面白い!にもかかわらず、閉ざされた山荘での連続殺人というベタさが読み進めやすい。そしてもう一つ、死者の視点と生者の視点の二点から話が進められる。これがコミカルでまぁ面白い。
「設定」「駆け引き」「緊張感」「どんでん返し」が素晴らしい。つまるところ起承転結が素晴らしいということか。登場人物を騙し、読者を騙す、という流れが綺麗に決まったら作者は気持ちいいんだろうな。 -
Posted by ブクログ
ミステリーは好きやから、楽しく読めた(^_^)v
作中の推理作家さんは、日々、新たなトリックを創造してる。自身で実験を繰り返しながら…ほんまにこんな事してんのかは知らんけど、色んなトリックあるな…
それに必然性がないと納得出来ない。
こんなの呑み屋でやったら楽しいやろうな…談話が続く。私は、素面でも大丈夫やけど^^;
こんなに日々精進してるのに売れないというのは、考えてるトリックが面白くないとも言えなくはないが…笑
まぁ、ほんまに書いてる作家さんは人気作家さんやから大丈夫か…
最後は、こんな話を請けて良いのか?とも思うけど、懐事情もあるし、今までのが無駄にならなくて良かった〜かも? -
Posted by ブクログ
ネタバレ○ 総合評価 ★★★★☆
〇 サプライズ ★☆☆☆☆
〇 熱中度 ★★★★☆
〇 インパクト ★★★★☆
〇 キャラクター ★★★☆☆
〇 読後感 ★★★☆☆
蒼井上鷹は、「九杯目には早すぎる」や「ホームズのいない町 13のまだらな推理」などを読んで好きになった作家。質の高い短編を書く作家というイメージが強い。この作品は、第1話から最終話(第6話)まで緩やかなつながりがある、ブラックなテイストの短編集
主人公のミステリ作家、世古は、自ら考えたトリックを実際に試してみることをモットーとしている。この世古のキャラクターは非常に魅力的で、いい味を出している。
〇 第一話 あなたもアリバイを崩せる
主人公、世古は行きつけの居酒屋「はる」で、店員のガクに、電車の連結部にアリバイ工作に使ったクオカードを隠すというアリバイトリックの話をする。その話を聞いていたのか、偶然だったのか、居酒屋「はる」にその日に来ていた中目黒氏が殺人事件を起こし、逮捕される。中目黒氏は、世古が話したアリバイトリックを使おうとしていたのかもしれない。しかし、中目黒氏は、ガクが事故にあって電車を止めてしまったことで、アリバイトリックを成立させることができずに逮捕されてしまったのか。そのような疑惑を持った状態で終わる。
蒼井上鷹っぽい作品。ブラックユーモアとひねりがあるが、一読してすっと落ちない分かりにくさがある。★3か。
〇 解けない密室などない!【理論編】
世古とガクが、ディクスン・カーの「3つの棺」の密室講義を使った密室の解説とクイズを行う。世古が出すクイズは3つの棺の密室トリック。世古は3つの棺の密室講義そのものが、3つの棺というミステリ作品のトリックのミスディレクションになっていることを、ガクに説明をしていく中で実証しようとする。世古は、密室講義はあらゆる密室をパターン分けしている。この講義に沿って正しい手順で検討すれば、問題の密室の謎は必ず解けるといって説明をする。しかし、検討を終えても世古が出した推理クイズを解くことができなかった。これは世古がある趣向で密室講義の説明をしたから。ガクは見事に引っかかってしまった。
トリックは被害者が訪問者として密室に入った。被害者はダミーを用意していた。「外で撃たれた被害者が部屋に帰ってきて死ぬ」というのが3つの棺のトリック。カーは密室講義にいくつもの仕掛け(大切な部分に自作のトリックを入れて楽屋落ちっぽくするなど)を入れていて、3つの棺のトリックが見破られないようにしていた。密室講義そのものがミスディレクションだった。
3つの棺において、密室講義の真の狙いは、作中の密室トリックが見破られないように読者を誘導することだったという推測を紹介している短編。この短編そのものも読みやすく、この短編を読むと3つの棺が読みたくなうと言う見事な書評になっている。傑作といっていい短編だと思う。★5で。さすが蒼井上鷹と感じさせる作品
〇 解けない密室などない!【実践編】
ガクの祖母であるスズコさんの家に泥棒が入り、ミスミユウという画家の絵画が盗まれる。そして、スズコさんの家はドアにも窓にも鍵が掛かっており、密室だった。家が密室だったこともあり、ガクも容疑者になっている。
密室談義を利用して、実際にあった密室の謎を解く話。推理した真相は、時間差を使った密室。スズコさんが2階の窓を開けていた隙に家の中に入っていたというもの。犯人は配達員だと推理する。
よくできた話。蒼井上鷹らしく、読みやすい文章であり、オチもすっきりしている。とはいえ、話やオチは平凡。★3で。
〇 うまい騙しに嘘はいらない
叙述トリックが仕込まれている過去の作品の紹介がメイン。最後に、「解けない密室などない!【実践編】」の犯人が世古であるという、ガクの先輩の推理が披露される。
この辺りから、この短編集の作品を世古が書いており、作中の人物、ガクやガクの先輩が読んでいるというメタミステリ的な手法で描かれている。第1話でガクがバイト先の店長と言っていた人物が、ガクの先輩の女性であったことが判明。女性を男性と誤認させるガクの意図しない叙述トリックに世古がひっかかっていたというオチになる。
叙述トリック作品の紹介部分が上手い。蒼井上鷹の書評、過去の作品の紹介は非常に巧みで、ネタバレにならないようにしながら、その作品を読みたい気分にさせる。蒼井上鷹作品が好みの文体であるということもあるが、この作品も楽しめた。★4で。
〇 完全犯罪への道【前編】
カムフラージュ連続殺人-自分の動機を隠し、捜査をかく乱するために、必要な殺人と必要でない殺人をまぜこぜにする作品の紹介となる短編。カムフラージュ連続殺人の作品は作品名を紹介するだけでネタバレになることもあり、作者の苦心がうかがわれる。
世古は、第1話で知り合った女性から、会長が書くミステリのアイデアを出してほしいという依頼を受ける。そして、「未連続殺人事件」というアイデアを思いつき、ガクに話す。「センセイ」と呼ばれる人物が孫と一緒に遊んでいるときに事故死。孫である幼児に、自分のせいで人が死んだという罪の意識を背負わせないために死体を隠蔽。その場面を「スマジイ」に目撃される。そこで、口封じのために「スマジイ」を殺害。そのとき、センセイがまだ生きていたと思わせるために、警察にセンセイの目撃証言を通報したというもの。
これもよくできた話。十分に及第点の出来である。とはいえ、肝心のトリックはやや複雑で分かりにくい。傑作とは言えないので★3で。
〇 完全犯罪への道【後編】
世古は、会長がミステリを書くためのアイデアがほしいと依頼を受け、ターゲットとなる被害者は複数いるが、警察もターゲットたちもそれが連続した事件と気付かない=非連続殺人事件についてのアイデアを、第1話で知り合った女性話す。
そして誰もいなくなったタイプのミステリについての紹介。この紹介は、これまでの作品によるミステリの紹介ほどの面白みがないのが難点
第1話で知り合った女性が、女流ミステリ作家の那珂川光であることが分かる。那珂川はスランプで世古に小説のネタを考えさせていたと思われるが那珂川は否定。世古は那珂川にアイデアを提供したあと殺害されようとしていたとも取れる描写もあるが、那珂川は当然これも否定する。
話全体のオチは、これまでの話を世古がミステリ短編集としてまとめたものがこの短編集だというもの。これは蒼井上鷹らしいオチだが新鮮味はない。この短編単独で見れば★3程度だろう。
古今東西のミステリーを駆使しながら世古が斬新なトリック講義をするという設定だが、過去作品の紹介部分が面白い。「解けない密室などない!【理論編】」は傑作だと思う。トータルでは★4としたい。 -
Posted by ブクログ
このアパートの各階の1号室だけ、すべて家賃が安い。
父親が戻ってくるまでの臨時管理人になった息子の
立ち退き要求をどうにか突っぱねる住人奮闘記。
かと思ったら、問題解決して終了、という感じです。
これはこれで、誰一人として辛い選択もしてないし
万々歳、という所かと。
しかし軸になっている『お隣さん』の洞察力と行動力と
頭の回転がすごいです。
それよりも凄いのは、文章、でしょうか?
まったくもって気が付きませんでした。
1話目の驚きのまま2話目にいけば、また違った驚きが。
3話目で普通…普通?
規模が大きくなってはいますが。
そうして読んでいけば、4話目の最後には
風向きが…あれ? な展開に。
そうしてすべてが分かる5話目。
そもそも、しなければよかった、のです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ蒼井上鷹は、たまたま本屋で見かけた『九杯目には早すぎる』をきっかけに読み始めた作家。読みやすい文章とひねりの効いたプロットの作品が多く、非常に好きな作家である。
『最初に探偵が死んだ』は、探偵である笛木日出男が最初に死んでしまうという驚きの展開で始まる物語だ。この「最初に探偵が死ぬ」という設定そのものがひねりの効いた秀逸な作品である。
探偵として山荘に来た笛木は、すぐに殺害されてしまうが、その直後に殺された健二が「山荘に来た笛木は探偵としてここに派遣された人物だ」と見破る。
健二たちは現世の人間とコンタクトできない「G」という存在になり、自分たちを殺した犯人を突き止めるために捜査を進めていく。この設定は、西澤保彦を思わせるSF的な要素を持っており、それをベースに蒼井上鷹らしいひねりの効いたストーリーが展開していく。
作家・星野万丈の莫大な遺産を相続した内野宗也には、血のつながらない養子たちがいる。その中で殺人事件が起き、捜査をするのは笛木の知人である灰浦警部補だ。嵐の山荘型のミステリらしく、養子たちは次々と命を落としていく。
その真相は驚くべきものだった。実は養子たちは全員が星野万丈の実子であり、星野万丈の血を根絶やしにするために、内野宗也とその妻すせり、さらに顧問弁護士の工藤久が協力して連続殺人を行っていたのだ。
さらに驚くべき事実として、笛木を山荘に呼び寄せた理由が明かされる。すせりたちは、笛木の助手として働いている八郎も星野万丈の子どもだと誤解し、八郎を殺害するために笛木を招いたのである。しかし、実際には八郎が笛木を撲殺しており、八郎こそが、笛木として山荘にやってきていたのだ。ここで読者は大きな衝撃を受ける。「山荘で最初に探偵が死んだ」と思われていたが、実際に最初に命を落としたのは八郎であり、笛木はその前に八郎によって命を奪われていたのだ。まさに「最初に探偵が死んだ」というタイトルが際立つ展開である。
物語の最後は、灰浦警部補の活躍により、樹里という少女の命だけが救われる形で幕を閉じる。
読みやすい文章、ひねりの効いたプロット、そして魅力的なキャラクター。さすが蒼井上鷹といえる極上のエンターテインメントだった。
ただし、★5とするにはもう少し心に響くものが欲しかった。とはいえ、十分に楽しめる文句なしの★4である。句なしの★4。 -
Posted by ブクログ
全ての話が、表題通りに終わっているというミステリー。
綺麗に起承転結がついて、理解しやすい内容ばかり。
中には、もしや…ん? というものもありますが
それはそれで想像力を書き立たせてくれます。
みかんの話は、横恋慕したのが殺害しようとして…という事だと。
職業が職業のわりに、下調べがずさんだな、と思ったり。
むしろ彼氏、犯人をあぶり出すために、な工作がすごいかと。
そう考えると、ファイ名がかなり意味深に。
赤い○の書いたくじ引き、はもしかしなくとも
両方開けてみせないと駄目なのでは?w
どちらにも○がついていれば、確実に騙されているかと。
というよりも、その申し出はしないのでしょうか?
出来ないような間柄、ではなさそうですし。
そこまで冷静になっていない、のかもしれませんが。