あらすじ
緑豊かな郊外に建つマンション〈アーバンハイツ歌川〉。住人たちの静かな日常は、「大家さんのペットを探しています」とチャイムを鳴らす訪問者により、一変する。事故のため、お笑い芸人の道を諦めた青年、結婚詐欺容疑で妻が失踪中の男、美貌の教育カウンセラー……いつも笑顔のあやさんは、さりげない世間話から、住人たちの意外な“秘密”を見抜いてしまう。ありふれた日常がガラリと変わって見える、痛快な連作ユーモア・ミステリ。
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Posted by ブクログ
このアパートの各階の1号室だけ、すべて家賃が安い。
父親が戻ってくるまでの臨時管理人になった息子の
立ち退き要求をどうにか突っぱねる住人奮闘記。
かと思ったら、問題解決して終了、という感じです。
これはこれで、誰一人として辛い選択もしてないし
万々歳、という所かと。
しかし軸になっている『お隣さん』の洞察力と行動力と
頭の回転がすごいです。
それよりも凄いのは、文章、でしょうか?
まったくもって気が付きませんでした。
1話目の驚きのまま2話目にいけば、また違った驚きが。
3話目で普通…普通?
規模が大きくなってはいますが。
そうして読んでいけば、4話目の最後には
風向きが…あれ? な展開に。
そうしてすべてが分かる5話目。
そもそも、しなければよかった、のです。
Posted by ブクログ
洞察力の鋭いおばあちゃんが、同じマンションに住む人々の部屋に入り込んで、名探偵ぶりを発揮していく。ところどころ突飛だったり強引だったりする展開はあるが、「まあ、そういう話かな」と思わせるテイストを第一話で作っていて、いろいろ目をつぶりつつ楽しく読んだ。
Posted by ブクログ
【収録作品】読み聞かせ/『KOKORO』の奥に/最後の晩餐/舞台を回す/ドアは知っていた
前の大家・清秀の失踪したペットのトカゲを探して、平野あやおばあちゃんは各部屋を回る。清秀の息子で今の大家・道彦が改装を企んでいる部屋を。
各部屋の住人たちの秘密はなかなか持って回ったものだが、探偵役がミス・マープルばりのおばあちゃんなのと、連作にしてラストをきれいにまとめたのとで、読み心地は悪くない。