片瀬京子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
私は、福島出身でRFCの大ファン。東京都に住んでからも未だにPodcastなどでRFCに関するものは聞いている。
そのため、書かれているアナウンサーには非常に親しみを感じているし、描かれている現場には、身近な場所が多く読み進めるのは辛い事もあった。
涙が止まらない事も多々あった。
私にとってラジオ福島は、親しいご近所の様な身近に感じられるメディアだったのだが、本書からその様に感じているリスナーはたくさん居るのだと感じた。
その親しいラジオ福島が、必死に報道をするドキュメントに想像を絶する厳しい状況だったことが伺えた。
ただの美談をまとめたドキュメントではない。
また、ラジオのメディアとしての弱さ、強さを考えさせられる内容だった。
ラジオ福島のファンとして、この本を出版してくれた事には感謝したい。
また、ラジオファンとして、ラジオというメディアに一層注目したい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【挑む力】
2・・・どのような「思い」を抱き、どのような「意識」を持ち、どのような「行動」をしたか
28・・・池田敏雄さんの時代にコンピュータービジネスに舵を切った、それはある意味無謀だったが、決断を下し動くことが出来た。「挑戦者に、無理という言葉はないんだ」
34・・・世界一を目指さない限り世界一にはなれない
87・・・震災当日に「震災に対して富士通が出来ること」という企画書を書き始めた、12日には進めてよしのサイン、早すぎ
152・・・組織のサポート体制に対して「とにかく頼る」
156・・・なぜ壇上に上げない!
195・・・他社と違うグローバル企業を目指している、down-to-earth -
Posted by ブクログ
AM単営局のラジオ福島(rfc)が、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故(rfcでは略さずこう呼ぶ)に対しいかなる対処をしたかを綴るドキュメンタリー。
震災9日目の夜、ニッポン放送の福山雅治の番組を急遽ネットする事になったり、8月にTBSラジオの爆笑問題の番組を福島から放送する事になったりといった、東京のラジオ局との繋がりや、同じ単営局で阪神大震災を経験したラジオ関西からの訪問といった、「オールラジオ」としての取り組みも、ラジオ好きとして読み込んでおきたい出来事だった。rfcが県民に信頼され、県民の為の情報を発信しようとする中で、放送は「伝える」だけでない役割がある事に気付かされる。
あとがきにある「まだ何も終わってない」というrfc社員の声が響く。この本は震災に立ち向かったrfcの取り組みの全てではない。rfcの今後も見守りたい、と思わせてくれる一冊でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレぱっと見は「富士通の技術PR本」。読み方によってはたしかにその側面もゼロではないけれど、率直に言えば熱い内容で、「技術(ICT)は道具、使う人が主人公」「エンジニアならではの想いや苦心、達成感」「大きい会社だからこそ大きな仕事ができる」が堪能できる一冊。
各章の始めのリード部分が役立った。「何に役立つ技術か」「なぜその技術が求められたのか」という背景と、登場する担当者の実名が写真入りで紹介される
「」が多い(つまり担当者の言葉や会話がベースになっていて、単なる説明文の羅列ではない)構成もよかった
‥というポイントのおかげで、背景知識のない分野でも、約20ページ前後の短編小説のように入り込んで読めた。
一言でITといっても技術や製品はいろいろ。特にインフラ系を考えると、ハードウェア/ソフトウェアの両側面があって、現在華やかなクラウドやWebサービスで売上を得ている企業でも、この両者そのものを一手に扱っているところはあまりないのでは。結局、ハード/ソフトの両方を持っていて、日本全国+主要な海外に販路があり、責任もって語れるのは日本でも限られた数社だけで、そのうちの1社がここだろうと思う。(分野は違うけれど)メーカーの研究部門に勤めていて、今はソフトウェアベンダーに移った自分の立場からすると、「ああこれがメーカーの仕事だ、大きな仕事を責任もってやれる醍醐味がこれだ」と懐かしく思わせてくれ、メーカーを離れたことをちょっと後悔させてくれた。もし自分が就職活動中だったら、確実に大きな影響を与えてくれただろうなとも感じた。
章ごとの簡単な感想を(★は個人的に熱かった章):
第1章:スーパーコンピューター「京」
「2位じゃだめなんですか」で話題先行してしまったけれど、設計/製作していた現場の担当者たちが一番強く1位を目指していた、ということがわかる
日立やNECが退いた今は文科省と一蓮托生、何に使われて、どんな成果につながったかが結局問われていくのだと思う。期待してます
第2章:東証株式売買システム「アローヘッド」
「注文受付レスポンス10ミリ秒」という数値目標に対して「2ミリ秒」を達成。先輩リーダーの会議でのふるまいに憧れ、自分がその立場になって自覚する、というエピソードがよかった
つい最近「1ミリ秒以下」に対応するプレスリリースがされていた
第3章:すばる望遠鏡/アルマ望遠鏡
ハワイ島のマウナケア山頂、国立天文台の望遠鏡のデータ解析システム。富士通が扱っていたとは知らなかった。「50回以上もハワイ訪問」には、末尾の寄稿文にあった泥臭さ down-to-earth をまさに感じる
アルマ望遠鏡も初めて知った。「望遠鏡設置に適した世界で究極の場所」で今年度中に運用開始予定とのこと。思わず @alma_japan をフォロー
第4章:震災復興支援★
冒頭に書いた「日本全国の販路」を感じたのがこの章だった。震災後の各企業支援には、正直、日本企業の底力を見た気がした。googleのPerson FinderなどITの貢献も含まれる
しかしこの章に書かれたような「何が困っているのか」を地道にヒアリングして廻り、ICTを使って形にするという活動も、なかなか他社ではできないものだろうなと感じた
第5章:らくらくホン
高齢者向けに機能を考え、新LSI設計を含めた先進技術を搭載、かつ、如何に使ってもらう人にわかりやすく説明するか
この技術はもっと世界展開の可能性がある、と個人的には思っているけれど、まだあまり聞かないのは何でだろう
第6章:農業クラウド★
農作地の気候、作付け条件などをデータベース化して翌年の作付けに活かす。「ITでみかんをおいしくする」はいいキーワードで、「こんなこともやっているのか」と面白く読めた
「ICTって何?」で分かれる世代間ギャップ、農家⇔試験場の業態間ギャップの話もある。「使ってもらうには、利点をわかりやすく見せないといけない。成果が見えづらいままでは使ってもらえない」というのは、今の仕事にもつながるポイントだった
第7章:次世代電子カルテ★
既存の電子カルテが単なる紙の電子化にとどまって活用されておらず、何とかしましょうと、ヒアリングや仕様策定に現場へ足しげく通って実現できた話
最後の忘年会での表彰エピソードは、(この呉医療センターに限らずだと思うけれど)一種の閉鎖性を読み取れ、それに怒ったお医者さん、という人間味も交えて一本の映画にできそう
8章:ブラジル/手のひら静脈認証★
国内展開に悩む中、ブラジル現地大手銀行が興味を示し、実績をつくったことで、日本含む他国での展開へ契機が作れた、という話。「それまで見ていた日系人の勤勉さで、信頼しようと思えた」というエピソードがいい。お金をかけて育つものではないし
このブラジルという国、資源国であり、日本との結びつきが強く「遠い国に思えて、実は近い国」なのだけれど、やっぱりなぜか「サッカー、コーヒー、リオのカーニバル」というイメージが先行してしまう。やっぱり遠いよなあ -
Posted by ブクログ
某F社(伏せる意味はないが…)が、世界や日本に誇る成果をあげた最近の8つのプロジェクト(スパコン「京」、東証の「アローヘッド」、すばる望遠鏡、らくらくホン等)について記した本。各プロジェクトのキーパーソンへのインタビューを交えながら、プロジェクト遂行の喜びと苦労、そしてプロジェクト成功の意義などを、ドキュメンタリー番組風に熱く表現している。さすがに、実態がこんなに単純でいいことずくめとは思えないけど、まあプロパガンダだと割り切ればこんなものでしょう。巻末にある竹内弘高先生の寄稿と、野中郁次郎先生の解説が、あまりにも歯の浮きそうなヨイショになっているので★1つ減点。(たとえ本当のことだとしても、これでは褒め殺しだよ…)
-
Posted by ブクログ
ネタバレチェック項目15箇所。絆に基づいて発せられた言葉には、発した人の思い、意識、知識、思考が込められている、その中にこそ、挑んで成し遂げるための答えがあるはず。できない理由を並べるのではなく、どうしたらできるかを考える。世界一速いことではなく、世界一役に立つことに意味がある。技術に強くないと、周りに影響を与えられない、うわべだけで語っては、評論家でしかない。夢=妄想とまでは言わないが、妄想を構想に、構想をかたちに。新しいことは何もわからない、今までの経験、積み重ねで判断をしていく。「忙しい」と口にすると周囲に遠慮を生み、情報収集の機会を妨げる。実践あるのみ、理屈なんて後付け。高機能な技術を、意識することなく簡単に使えるようにすることの方が難しい。母として、妻として、社会人として、どれも100点を目指して頑張りたい・・・「100点でなくていい」の一言(夫から)、母、妻、社会人、その三つの役割で、たとえそれぞれ60点だとしても、足したら180点になる、100点満点を超えている。自身が経験し、考え抜いて発した言葉には魂が入る、それが言霊。
-
Posted by ブクログ
あの日、約三時間半を掛けて都内の会社から自宅へ徒歩で帰宅した後、まずラジオを点けた。東北には知り合いも多い。特に宮城・岩手の沿岸部の状況が気になった。関東のTV放送だけでは、被災地の細かな状況はわからない。「こうした非常事態の時には、ローカルラジオ局の情報が最も信頼できるはずだ。」ラジオ趣味に走っている自分の持論である。
1260kHzの東北放送が聞こえた。予想していたよりもかなり酷い状況である。東北放送自体いつもより弱々しい電波に思える。ついで、岩手IBC、ラジオ福島と続けて探していく。ラジオ福島は郡山中継局1098kHzが強く聞こえるが、同じ周波数の信越放送がかぶって聞きづらい。どの放送局も懸命な努力をしていることが伝わってきた。
東京電力福島第一原発がシビア・アクシデントを起こしていることを知ったのは翌日だった。そして、その日から毎晩、ラジオ福島を聴き続けることになった...
本を読み進めていくと当時の記憶が甦ってきます。
ネット上でデマが飛び交い、東電の記者会見では時間の経過とともに前回発表した内容とは食い違う「事実」が明らかになると言う状況下、誰もが不安を増殖させる中で、被災地で得られる情報を「ありのまま」提供して頂いたラジオ福島の皆さんに敬意を表します。「350時間14分のCM抜きの生放送」によって、救われた方はとてつもなく多いのだから。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ大震災の福島を報道し続けた独立系ラジオ局のドキュメント.地元メディアとして県民に正しい情報を迅速に伝え続ける努力と,被災企業としての存続をかけた活動が生き生きと描かれている.
大震災により記者が身動きが取れず取材が出来ない,かつ,放送設備が被害を受けて福島全県に電波が届かない,という事態に陥る.これを,TwitterやUStream等を使って正解で迅速な報道を継続した.今回の震災でのICTの活用の特徴的な例である.
情報源は,「TVで見た情報と伝えて」「リスナーを信じて放送していいですか」と取材に基づいた情報だけでなく『伝えなければならない情報』を優先.発信は,「とりあえず作れ.問題があったら後から直せばいい」とライフラインや避難所情報を載せたポータルを作り,また,UStreamへの配信を行っている.
これらの非常事態の活動の中で,常識人を貫いている点がすばらしい.最大の収入源であるCMを止めて災害報道に注力した後に,一企業とし,株主総会の準備をしつつ,スポンサーの状況に配慮しながら営業活動を再開している.また,UStreamでは,識者のインタビューを許可を得てから配信し,音楽は著作隣接権を日本レコード協会と実演家著作隣接権センターの許可を得ている.
すばやく思い切った行動が出来る,まじめな常識人という強い印象を受けた. -
Posted by ブクログ
前書きの「取材の中で」の、地元メディアとしてのラジオの矜持が打ち砕かれる様。それは東日本大震災以前の、別の出来事の話なのだけど、この苦しい体験を持ったラジオ局が、震災のときにはどうだったのか。
この本が伝えるべきは、当時の惨状でもなければ今も終わっていない声でもなく、そのときに、ラジオというメディアがどんな役割を果たし、またそのために権利や費用といったものをどうしたのか。ラジオと相性がいいとされるインターネットも、自治ではなくて民間が運営しているサービスに支えられていて、結局のところ「会社がどう考えるか」という話なのだ。立派だったという当時の評価の裏に、存続の危機すらおぼえさせる売上減。
ラジオの話ではあるけれど、それ以外の見方が十分できる。