小池壮彦のレビュー一覧
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まさかのノンフィクションでした。
怪異の話の流れから、その裏話、事実、真実が報告される一方で、怪異そのものの解決には至っていない事件。
虐待された子の怨念みたいなのって、令和で嘯く奴がいたら大炎上するだろう。
凄惨な事件が必ずしも噂になるわけではなく、女子高生コンクリート事件のような日本が震撼した事件が幽霊話にならない理由として、個人的には「ネタにできない話」だからだと思ったりもする。
オチが弱すぎるエピソードはどんなに盛っても面白くなかったり、ギリ笑えない下ネタやモラハラが面白くないのと同じで、幽霊話も「ギリネタにできる話」しか、出回らないんだと思う。口裂け女やてけてけなんかはオチの弱い -
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ネタバレタイトルに“物件案内”とあるが心霊スポット的な物件を紹介するのではなく、取材した話や著者自身の体験などを、関係する建物(ホテル、住居、学校等)毎に章立てした構成の実話怪談集。'00年刊行の版に書き下ろしを含めた“特別付録”40㌻が追加されている。
四半世紀前の内容そのままだからか、最近の実話怪談に比べ何かネタ(体験談)そのもののザラついたようなダイレクトさを感じるものが多い。それは異様な話に対して過度に肩入れも突き放しもせず、ニュートラルな立ち位置に徹する著者の姿勢からも来ているのかもしれない。そのドライさ故に「え、この人ちょっと倫理観バグってないか……」と感じる箇所も偶にある -
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小池壮彦『【完全版】日本の幽霊事件 封印された裏歴史』角川ホラー文庫。
『日本の幽霊事件』と『東京の幽霊事件 封印された裏歴史』を合本し、加筆修正の上、文庫化。
かつて事故や事件のあった曰く付きの場所に現れるという様々な幽霊。そんな幽霊が現れる曰く付きの事故や自殺が多発する場所、忌み地などを訪ね歩き、土地の記憶に耳を傾けながら、人びとの話を聞き、過去の新聞や歴史資料を集めては写真を撮り、史実と伝説との境目を埋めた極めて真面目な怪奇ノンフィクション。
現代は幽霊よりも、ネットや人間の方が恐ろしいせいか、余り幽霊の噂を聞かない。昔は大事故や悲惨な事件、大災害が起きる度に幽霊が出たとか見たと -
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ここ最近、東京都心では日照時間が3時間未満の日が20日以上続いたとかで、なんでも統計を取ってから最長らしい。
ていうか、3時間未満とかいうけど、3時間照ってくれたら歓喜乱舞しちゃうよね、というくらい毎日雨だ。
その雨、最近大流行りの豪雨はもちろんあるのだが、意外に多いのがやたら量の多い霧雨。
それが朝から夜までのべつまくなしに降っているなんて日、記憶にあるだけでも3日はあったように思う。
でも、そんな音のない霧雨が降る夜は怪談が合うわけで、このウンザリする季節の楽しみだったりする。
というわけで、選んだのがこれw
以前読んだ、この著者の『日本の幽霊事件』がゾクゾクと面白かったので、もう大期待 -
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友人から面白いから読めと教えられた高橋吾郎本。
ミリオン出版の同著者「日本の正体」「真説ニッポンの正体」を再編したもの。
冒頭にある「わからない者はわからなくてよい、最初から読まなければよい」
この本は読者を確かに選ぶ。
対談形式の為、他書を読まないと全貌が見えてこない部分も多々あるが、この手のジャンルでは新たな話もあり面白く読めるが、対談が故に具体的な記述よりも抽象、比喩が多く、イメージで語られる話が多い。理解不明な人は理解不能だろう。
ただ、具体的記述については、バックボーン、金の流れ、人脈を記載しているため非常に興味深い話は多々ある。
1日あれば読める本 -
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幽霊の目撃事件を追って著者が現地に赴き、地域住民らからの聞き込み取材や、新聞や郷土史料など幅広い文献を丁寧に調べ著した連作ルポルタージュ。幽霊譚の元になるものの多くは、その場で実際に起こった殺人事件や事故死で、いまだに真相が不明などとりわけ地域住民より「それでは犠牲者はうかばれない」と思われたものであり、それらがその地域での古来からの悲話伝承などと融合しながら形成されていく、その過程を考察するというかなり真面目な内容。興味本位なオカルト本を期待して読むと肩透かしを食うが、幽霊目撃とその元となる事件が主に昭和を舞台にしていて、今では様変わりしてしまった街並みに、著者が記憶と文献からの昔日の風景を
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ネタバレ幽霊事件を扱った本ということで、幽霊の存在の肯定を前提に書かれたエンタメ系の内容かなと思っていたら案外違ったという。
割とフラットな視点で描かれていたように思う。
安易に幽霊を肯定せず、かといってこれまた安易に否定もしない。
体験談を紹介しつつ、幽霊騒ぎが起きる下地となった事件、地元の歴史や風習などを掘り下げて、こういう背景があったから幽霊騒ぎが起きたとするスタンス。
だから幽霊ものでありながら、民俗学とか歴史を読んだ気になった。
興味深かったのは、八百屋お七に纏わる話。
あることを隠すために公文書から消えているとするその説は不謹慎ながら大変面白い内容だった。
その視点はなかったので。
あと -
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先日、この本の前作である「真説、日本の正体」という本を読みました。この本にはどぎついタイトルが付けられていますが、続編ということもあり手に取りました。
太平洋戦争あたりから、最近の意味不明なマレーシア航空機失踪事件について書かれていて、本当かどうかは判断つきませんでしたが、興味ある内容でした。
また、今までの本でも触れられてきましたが「天皇が持っていた金塊」についての記述もあり面白かったです。特に第一章の、「戦争の本質はマネーゲームである」という内容には納得するものがありました。
以下は気になったポイントです。
・終戦になるのを知って、市谷大本営にトラックでやってきて、物資をみんな盗ん