八谷紬のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレあぁなるほど。これは椿ではなく紫苑の成長の物語なんだ。自身を受け入れ、自分のなりたい姿を見つける物語。
個人的には薊の可愛さと豪快さにいちばん救われました。わたしがあの屋敷に迎えられるなら地元の銘菓を大量にもっていきます。(美味しいお茶はお任せしよう
銀はいつか桜守になるのかな。あの桜が咲く瞬間を見たいな。咲いたら、きっとみんなで美味しい料理を食べながら宴会するんだろうね。
灯火。
誰もがそれを必要としてるよね。道の先を照らす灯りも必要だけど、いま立っているこの場所を照らしてくれる灯りが必要な時もある。
この一冊のなかで誰よりも救われたのはきっと紫苑だね。
それがなんだかとても安心しま -
Posted by ブクログ
逃げたかったら逃げてもいいし、無理矢理に折り合いをつけなくたっていい。要らないものは要らないと言ったっていいし、欲しいものを欲しいと言っていい。嘘が嫌なら嫌だと言っていいし、嘘でも嬉しいと言ってもいい。
たとえばそれを普通の会話でならいくらでも口にできる。
でもそれを物語で言える人は、たぶん、多くない。
向き合え、と促すのは簡単で、仲違いしたものを修復させるのも、簡単。泣かせるのも簡単で、笑わせるのは、とても難しい。
登場人物のすべてが愛おしい。
前を向いたり後ろを向いたり余所見したりして、外へと向かうヒロインが、彼女を支える友が、彼女の足枷になっていたかつての友が、みな同じだけ愛おしかっ -
Posted by ブクログ
すごい。15歳の彼等に、あの年齢の彼等に、真正面から「捨てろ」「逃げろ」の選択肢を堂々と差し出せる潔さがすごい。生半可に書かれたものじゃない。この年代への物語を書くのがいかにありふれていていかに難しいかはよく知ってる。なかには薄ぺらのものだってあるなかで、この怖いくらいのリアリティと緊迫感、すごい。
よくもまぁ世に出ずに数年も眠れたよね!早く本にしようよ!
今の世にいる『弥八子と六佳』にこの物語が届くといいなぁ。いつの時代にも二人はいると思うからこの先も届き続けるといいな。
小説って本来そういうものだから。次の世代にもその次の世代にも残せるものだから。 -
Posted by ブクログ
結婚とかそんなことはどうでもいいが、自分が大事におもう人(あるいは物)と共に生きていけたらそれに勝るものはないとこの頃おもう。
自分が何かや誰かを大切にしていたら、きっと自分も大切にしてもらえるし、等価交換なんて考えずに行動できる、それはまさに愛だなと。
そしてそれはどこに存在してもいいもので、誰と誰の間だろうが、何かと何かと間であろうとも生まれるなんだなぁと妙に哲学的になってしまうそんな読後です。
そしてわたしはたまたま作者である紬さんの友でもあるので、読んでいる間、ずっと彼女の強い意志を感じました。
流行り物を求められようが、その窮屈な箱の中で精一杯暴れてみせる、どこだろうと自 -
Posted by ブクログ
大人になってしまったわたしは、なかなか青春小説のヒロインに心を重ねられないし推せないことが多いのだけれど(たいてい脇のキャラを気に入ってしまうのよね)、華ちゃんはとても好きなの。
(ということは、もしかしたら10代の子は華ちゃんを好きになれないのかもしれないけれど)
脛に傷はあるけれど、無駄にセンチメンタルでもなくどこか冷静で、鈍感でかわいい。
クラスメイトに華ちゃんいたらわたし絶対に友達になりたいよ。
上空から美少年が落ちてきても落ち着いていられるなんてかっこいいよ。わたしならギャーギャーうるさいよ!
7月に降る桜を探すふたりのことがとても愛おしく(なんとなくそういうことなんだろうな