八谷紬のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
そんなことで、傷つかなくてよかったのに。
ヒロインの絹ちゃんが近くにいたらそう言ってあげたいけれど、そんなことで傷ついて自分を殺してしまうのが若さなんだよねえ。
嘘がダメなわけじゃない。
でもそうだな、やっぱり自分につく嘘はいずれ自分を追い詰めるから、せめて自分にくらいは正直になって大切なものは大切にしてほしいね。若い女の子は特に。
30代も半ばになると少女達の物語を読むとさすがに自分をそこには落とし込めないけれど、かつての自分が黙っていない感もある(笑)
17歳のわたしが彼女に声をかけるとしたらば、
「これ、読んでみてよ」
いつでもいいよって有無を言わさずその時かばんに入ってる本を渡し -
Posted by ブクログ
ネタバレ京都・北白川の少し不思議なひとたち。
芸術系の大学に進学した椿が出会った、黒ずくめの美男子・紫苑。彼にケガをさせたことで関わり合いになった椿は、紫苑の屋敷に案内されて、彼の仕事を知る。紫苑は妖のために絵を描く仕事をしていた。ケガで絵が描けない紫苑の代わりに、訪ねてきた妖の絵を描くことになった椿だが――。
舞台になった場所に心当たりがありすぎる。妖と人間の関係が、慣れ合ってもおらず、助け合うわけでもない。そういう状態で、妖と交流する人間、妖と人間との間に生まれたものの生き方が主題となる話もある。出した結論は優しく、読後にふんわりとした気持ちが残った。